しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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美容師

あぐい かえ

安喰 加依さん

19歳・水戸商業高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.1
  • 女性
  • 美容
  • 美容師
  • 茨城県央

心を込めて洗わないとそれが指先から伝わらない。

何も知らないまま、この業界に

前からはっきりなりたいと思ってたわけではないんです。元々、接客業に就きたいと思ってて、ただ、その中でも美容業界って華やかで楽しそうだなぁと思ったんです。お客様のなりたいスタイルを作るということに憧れみたいなものもありました。

私は高校を卒業してすぐ、何も知らないままこの業界に入りました。美容師というと、ある程度専門学校で技術を身につけるイメージがあると思いますが、同期15人のうち、高卒で入社した人が10人もいます。

ここでは高卒とか専門卒に関係なく、シャンプーの仕方や髪の染め方、カットの仕方まで全員に同じ技術テストがあって、それに合格しなければいけないんです。入社後に練習させてもらえるので、技術的な差はあまりなくなると思いますが、専門学校で勉強をしてきた同期の方が、パーマをかける技術はうまいですね。

お客様の髪を切るまでに3~4年

入社前は美容室って楽しくて華やかな所だと思ってたんですよ。確かに楽しいのはイメージどおりでした。でも、閉店後や休みの日とかは、お客様の目には見えないところでの練習や講習がたくさんあって、影ではコツコツと努力が必要でした。私は何も知らない状態で入ったので、1年目は大変でしたね。最初の3ヶ月はお店にもなかなか立てなくて、土日の忙しい時にタオルの洗濯をしていたぐらいです。平日には講習があって、シャンプーの仕方や、髪の染め方、パーマのかけ方、マッサージまで習うんですよ。習った後は各自で練習して、お客様にシャンプーをするまでに、何十人も練習したり、友達の頭を借りて、何種類もある髪染めやパーマの練習もしました。美容師としてお客様に接すること全てにテストがあるんです。それに合格するまでは、お店に出ても洗濯や掃除しかできないので辛かったです。お客様の髪を切るまでには3~4年かかると思います。でも、テストに合格して、新しい仕事ができるようになると達成感もあるし、自分の成長も実感できて仕事が楽しいんですよね。

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入社当時は、お店に立ってできることが何もなかった。今はアシスタントとして自分の役割があることが嬉しいんです。

休みの日にも講習や練習

入社当時は、毎日立ちっぱなしの仕事に慣れるまでがすごく辛くて、半日も立っていられなかったんです。慣れるまでに1ヶ月くらいはかかりました。休みの日が少ないのも辛いですね。休日にも講習や練習が入ってなかなか休めないこともあります。特に、テストに落ちると技術練習がどんどん追加されていくので大変でした。営業後もミーティングがあって、すぐに終わりではないですし。遊びたいわけじゃないですけど、自分の時間が少なくて、少し休みたいなと思う時もありました。

全部お客様に伝わる

お客様のイメージ通りにできたり、帰る時に快く帰ってもらえたりすると、やりがいを感じます。人は髪型一つで気分も左右されると思うので、美容師はお客様を明るくしたり、前向きにできたりする仕事だと思います。成人式やお見合いみたいに特別なことがあって来る方もいて、何としても期待に応えたいって思いますね。時には反対に、シャンプーに失敗したり、うまくお話ができなくて不快にさせてしまったと感じることもあります。接客はお客様との距離の取り方や接点の作り方が難しくて、一人ひとり対応も変えたり、様子を見て要望を察する必要があります。中には、話しかけてもあんまり返事をしてもらえないことや、話が嫌いな方もいますから。慣れた店員じゃないとシャンプーをさせてくれないこともあって、そういう時は悔しいですね。だから逆に、自分が今できるシャンプーやマッサージを誉めてもらえり、指名してもらえたりすると、すごく嬉しいです。確かに仕事ではあるけど、作業というよりはお客様とのお付き合いという感じです。

1日に何人もこなすので、最後のほうは疲れてくることもあります。ただ、ちゃんとやらないとその気持ちがお客様に伝わってしまうんです。例えば、髪を染めるのも、最初は薬をつければ染まると思ってたんですが、気持ちって技術になって現われてくるんですよ。あと、シャンプーの時は直接お客様に触れるので、心から気持ちいいと思ってもらえるように、心を込めて洗わないと、それが指先から伝わらないんです。どんなことでも適当な作業になると、全部お客様に伝わってしまうので、忙しくても最後まで気を抜かないように心がけています。そうやって一人ひとりに丁寧に対応することが、美容師として当然のことなんだと思います。

最初の1年のうちに辞めてしまう人が多い

毎年、10~15人採用するそうですが、辞めてしまう人が結構います。1年経つ頃には4~5人になるそうです。理由はいろいろあって、休みが火曜だけで少なかったり、接客が苦手だったり、薬液で手が荒れてできなくなったり、他のお店に移る人もいます。シャンプーすらすぐにはできないという、華やかなイメージとのギャップが激しいということもあると思います。美容師になるにはかなりの努力が必要ですね。1年以内に辞めてしまう人が多いですが、逆に、その下積みの1年を耐えられた人は辞めずに続けていけるみたいです。

私が続けてこれたのは、同期の仲間が多かったからだと思います。自分一人じゃなかったので、わからないことがあったら聞けるし、不満も愚痴ればため込まずにすみました。先輩も明るい人が多く、閉店後も練習に付き合ってくれたり、アドバイスをくれたりとよく面倒をみてくれました。

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まだカットができないのでハサミを持っていません。いつか自分のハサミを持つことが夢です。

この仕事は常に勉強

将来は、自分が担当したお客様に、喜んで帰ってもらえるようなスタイリストになりたいです。今はまだ、自分で店舗を持ちたいといようなことは考えられませんね。先輩達を見ていても10年、20年近くやっている人が、ようやく自分の店舗を持っているので、結構遠い道のりなんです。私はまだ入社して1年半ですし、当面の目標は、一人前のスタイリストに早くなることですね。今はそのための技術を早く身につけたいと思っています。

講習会の先生には「この仕事は常に勉強」と言われるんです。新しい技術やスタイルなど、終わりがないのがこの仕事のおもしろいところだと思います。勉強を忘れずにお客様のニーズに応えられるスタイリストになりたいですね。

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テニス部に所属し、全国大会に出場しました。前列の右が私です。