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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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自動車整備士

すずき けいた

鈴木 啓太さん

21歳・下館工業高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.1
  • サービス
  • 男性
  • 自動車整備士
  • 茨城県南

5年経っても、10年経ってもこの仕事を続けているんだったら、良かったと思う。

ものをいじるのと車が好きだったから

工作っていうと幼稚っぽいんですけど、中学生の頃、簡単なロボットみたいなものを作っていたんですよ。その頃から何となくものを作ったりとか、電子部品をくっつけてみたりとか、そういうのも面白いなと思っていたんですよね。いざ、進路を決める段階となった時、自分の将来をどうしようと悩んだんですが、やっぱり、ものをいじるのと車が好きだから自動車整備士がいいかなと。別に、車のポスターを部屋にべったりとか、マニアって言われるほど車が好きだったわけじゃなく、ただ、何となく興味があるくらいでしたね。そのくらいの気持ちから整備士の道がスタートしました。

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高校時代はバスケ部に所属。178㎝と小柄な体格ながらも、フォワードとしてスタメンで活躍。右が私。

学校で学んだことを頼りに

専門学校で習うのは、整備士の試験に受かるための勉強だと思うんです。それが全部実践にすぐに活かされるかっていうとそうでもないだろうと思って、とりあえず、専門学校では資格を取るためにと思って勉強をしました。授業では、エンジンオイルの交換など、最初に基本的なことを習います。さらに、エンジン自体をばらしてみたり、ばらしたものをもう一度組み見直してみたり、どんな構造になっているかを、実技を通して勉強するんです。その繰り返しですね。

でも、実際仕事に就いてみると分からないことばかりだったので、とりあえず最初は学校で学んだことを頼りに仕事をやるしかないという感じでした。

一人でやった仕事に自信が持てるっていうのはまだない

最初の3カ月ぐらいは先輩にずっと付いて、作業を一から教えてもらいました。どこにどういう部品があるのか、どんな装置なのか、その名前や使い方、配置なども全然分かりませんでしたから。先輩方もずっとそういうふうに教わってきているんです。

そして数ヶ月過ぎると、「もう、一人でできるだろう」って言われて独り立ちします。まだ自信もなくて、自分がやっていることが正しいのか、どこが悪いのか、変な音の原因は何なのかっていうのがほとんど分からないんですよ。先輩方は音を聞いて、どこが悪いか分かっちゃうんですけど、お客様は本当に細かい音でも気にしちゃうんで、小さい音を調べてって言われると、大変ですね。だから、最初は先輩にフォローをしてもらって整備するようにしていました。自分の段階で整備が終わったら、検査員にチェックを入れてもらうのですが、そのチェックでOKをもらった時、初めてホッとします。一回でOKが出るまで、3~4カ月ぐらいかかりましたよ。でも、一人でやった仕事に自信が持てるっていうのは、まだないですね。

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整備をするには、どこに異常があるかしっかりと確認します。整備の前の診断も重要なポイントです。

「おれもこんなにできるようになったんだ」とは思うけど

仕事をしていて、最終的にきちんと整備された車を、お客様のところに納車に行って、「ありがとう」と言われる時が、やはりとても嬉しいです。車を大切にしている人ばかりで、その気持ちに応えることができることにやりがいを感じます。

入社した頃の自分と比べて、少しずついろいろなことができるようになって、「おれもこんなにできるようになったんだ」と実感できるのが嬉しいんです。ただ、そうなっていく課程には失敗も多いんですけどね(笑)。

ナンバープレートって、封印をはめると取れないんですよ。それを、後ろのプレートと前のプレートと2枚重ねて付けちゃったことがあるんです。重なっていて1枚にしか見えなくて、そのまま封印をしちゃって。「やっちゃった...」と思った。しかも、それが福島ナンバーの封印だったんですよ。先輩が福島までナンバーを外しに行ってくれました。めちゃめちゃ怒られましたけどね(笑)。

自分一人だけの仕事じゃない

適当にやらないということがやっぱり一番大事ですね。気を抜くとミスに繋がって、納車に遅れたり、部品をもう一度頼んだりと、みんなに迷惑がかかってしまうので、細心の注意を払います。

また、先輩との意見のすれ違いがあると大変です。上から物事が伝わってくることが多いんですけど、指示通りに動いたつもりでも、そうじゃなかったとか、話が二転三転してしまうことがあるんです。だから、話の流れがスムーズになると、作業しやすくなると思うんですよ。伝達の間に何か障害が入ってしまったら、意見の食い違いやタイムラグが出てしまいますからね。お客様の大切な車をお預かりしている以上、ミスはあってはいけないので、直接やりとりしたり、直接指示を仰いだりできると、勘違いや食い違いが減るのかなと思います。

そういう意味でも整備業っていうのは、自分一人だけの仕事じゃないんです。自分一人が何かすることで、周りの先輩方や会社全体に迷惑をかけてしまうことになってしまうんです。

信頼してくれるお客様を裏切れない

納車する時は、お客様の車のどこをどういうふうに直したかっていう作業を、確実に伝えなくてはいけません。そこをまごまごしてるとお客様に不安を与えてしまいますからね。あと、服装にも注意して、納車に行く時は綺麗な服で行きます。ツナギでもいいんですけど、オイルでベタベタしていると、嫌な印象を与えてしまいます。「これで私の車に乗ってきたの」と思われて、お客様は引いてしまいますからね。

一度、納車した後に、車のアンダーカバーのねじを締め忘れていたらしく、音がするとクレームがあったんです。こういう小さなことでも信用問題になってきます。自分を信頼してくれるお客様を裏切れないので、本当に緊張してやらないとダメなんです。それに整備士だからといって整備だけできれば良いわけではないんです。お客様と直接やり取りすることもありますし、きちんとした言葉遣いやマナーも必要になってきます。

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さまざまなメーカー・車種の車を整備するので、道具も何十種類も揃えていて、どんな車にも対応できます。

おれが整備した車が走ってる

整備士って達成感の多い職業だと思うんですね。これができたとか、あれを交換した、失敗していないとか、オイルが漏れていないとか、おれが整備した車が走ってるとか、そういう達成感っていうのはとても大きなものだと思うんですよ。車を運転している時、たまたま自分が整備した車を見かけると、すごく嬉しくなりますね。「おぉ、あれ、おれが整備した車だよ」みたいな(笑)。

働くことって、自分の中では自然なこと。別に何か意義があってとか、そうしなくちゃいけないからとかじゃなくて、それが自然なことだと思う。

たくさんある仕事の中で整備士を選んで良かったなとは思うんですけど、整備士以外にも仕事っていろいろあるじゃないですか。この先どうなっていくのか分からないけど、5年たっても、10年たっても、この仕事を続けているんだったら、その時、やっていて良かったと思うのかもしれません。