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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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図書館職員

よこやま たけし

横山 健さん

23歳・緑岡高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.3
  • 公務
  • 図書館職員
  • 男性
  • 茨城県央

期待に最大限応えられるようにしておく必要がある。

取材者からの紹介

子どものころ図書館の雰囲気が好きで、いつか図書館で働きたいと願い、人事異動で念願の図書館への配属となりました。一見、大人しそうですが、図書館への想いと利用者への配慮をいつも考えている、心優しい方でした。

落ち着いた雰囲気があこがれだった

図書館を意識しはじめていたのは、小学生の頃ですね。私は読書家というほどでもなかったんですが、図書館の持つ独特の雰囲気みたいなものが好きだったんです。静かで、学生さんが来て勉強をしていたり、大人が本を読んでいたりとすべてにおいて落ち着いた雰囲気がちょっとあこがれだったんです。ただ、意識していたといっても、図書館で働きたいとそんなに強く思っていたわけではなく、漠然とそこで働けたらいいな、という気持ちでした。

図書館の職員になれたのは、茨城県に就職し、人事異動で決まりました。子供の頃からあこがれていた図書館で働けることができるというので、嬉しかったです。

体力の必要な仕事

実際に図書館で働いてみると来館者数も多く、利用者への対応、本の貸し出しや返却、また、それらを整理したりするのは大変でした。それまでの、図書館へ行ったらのんびり本が読めるね、職員さんものんびりしているね、というそんな感じではなく、実際は体力の必要な仕事ですね。全体的には地味な作業が多いです。目立ちにくいんですけれど、大変な作業を、私が小学生のころよく行っていた図書館の人は当たり前のようにやっていたんだなと今振り返ると感心してしまいます。

今日発売の雑誌は今日並んでいて当たり前

私の仕事は主に、カウンターでの利用者への対応や購入されてきた雑誌の受け入れをやっています。カウンターは各コーナーにそれぞれあるんですが、私はそのうちの雑誌カウンターと総合カウンターの2ヶ所に入っています。総合カウンターでは、本の貸し出しや返却、予約などを行っています。雑誌カウンターに入っている場合は、雑誌のレファレンスを主に行います。例えば、利用者がなんとかという雑誌の何号が見たいと言われたときに「それでしたら、こちらにありますよ」とか「地下の書庫にありますので、お出しします」というように利用者の資料探しの手伝いをすることです。また、新聞の記事をお探しの利用者が結構いるんですが、これはなかなか大変で、何月何日の何の記事といったように詳細がわかっていればすぐ見つかるのですが、「あのころ、こういう事件があったので、そういう記事があるか調べてくれる?」のようにあまり詳しいことがわからないときには、検索機器を使ったり、専門の図書を使ったり調べたりします。

雑誌の受け入れでは、毎日雑誌は来ますので、一冊一冊にバーコードを張り、データをすべてパソコンに取り込む図書の整備をしてから、利用者に出せるような状態にします。雑誌は多いとき、一日70〜80冊くらいありますね。すぐ壊れてしまいそうな雑誌には、あらかじめテープを貼ったりして補強するときもあります。利用者の対応をしていないときの時間や閉館後にその作業をしています。利用者にとっては今日発売の雑誌は今日本棚に並んでいて当たり前ですので、少しでも早く利用者へ提供できるように作業しなければなりません。

ほかにも直接の担当業務ではありませんが、本の返却が滞っている利用者に電話連絡することもあります。たいていの利用者は悪気があって遅延しているわけではないので、連絡すれば返してくれます。ついつい忘れちゃっている利用者がほとんどです。とは言っても、その本を借りたい方がほかにもいますので、ちゃんと返していただくのが本当はいいんですが。

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ほぼ毎日、その日に書店等から納品された雑誌を受け入れる作業を行っています。

最初は手探り状態

初めの頃はよくわからず戸惑ってしまったのが、本の内容をコピーしたいという利用者の対応をするとき、雑誌や本のコピーは、著作権法で決められている範囲内でしか取れないということです。利用者から「何で取れないんだ」と言われると、「法律で決まっているので...」と言うしかありません。例えば、雑誌のコピーが欲しいという利用者、本のコピーが欲しいという利用者、新聞のコピーが欲しいという利用者がいた場合、それぞれ著作権法の適用が違うなど、勉強が必要なことがたくさんありました。

図書館で働きはじめてから2年目なんですが、著作権法の詳しい内容については熟知していませんでした。日々の業務をやっていくうちに先輩や上司にいろいろ教えてもらいながら覚えていったんです。最初の頃は本当に手探りの状態でしたね。

細かいことまで重要

自分のミスで利用者に迷惑かけてしまうこともあります。例えば、本の貸し出し・返却の際、カウンターで本のバーコードを読み込むのですが、こちらの手違いで、データ上は貸し出し中のままで、実際には本棚に戻っているケースがありました。逆に、「本、まだ返ってませんよ」と言ったのに、「あれ、本棚にあるよ、おかしいじゃない」と利用者から注意をされたこともあります。自分のミスですから、バーコードのなぞり忘れという本当に小さなことなのですが、利用者にとっては最悪の場合、本を弁償しなきゃいけないという重大なことになりかねませんので、かなり細かい注意が重要になってきますね。

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図書館のほとんどの資料には、バーコードが付いており、雑誌一冊からの情報がコンピュータに登録されています。

利用者の意見がダイレクトに寄せられる

利用者に「ありがとうございます」と言われたとき、やりがいを感じますね。大したことじゃないんですけれど、本の予約をしてあげたとか、見つからない本を探してあげたとか、そんなちょっとしたことでも、ありがとうございますと一言言われると、次も頑張らなくちゃなとか、やっててよかったなと思います。カウンターでの仕事は、利用者と直接接するところで、本当に利用者の意見がダイレクトに来ますので、そういったことは、これからの自分の仕事をやっていく上での参考になりますね。

信頼してもらっている以上、いいかげんなことは言えない

利用者は図書館の職員を信頼していますので、本や資料のことに関していろいろ尋ねてきます。信頼してもらっている以上、いい加減なことは言えません。図書館にだったらあるだろうという期待を持った利用者もいると思うので、せっかく図書館に来たのに「それはありませんね」と簡単に一言で終わりにされては悲しいですよね。そこから先、図書館に本がなかったらどういうことができるかなと思ったときに、例えば、ほかの図書館から取り寄せたり、リクエストしてもらえれば購入できるかもしれない。やはり、その期待には最大限応えられるようにしておく必要があると思っています。図書や資料についての知識を事前に十分持った上で利用者に対応すれば、より的確なアドバイスができるでしょうし、利用者も喜んでくれると思いますので。

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決して目立つ仕事ではありませんが、利用者の役に立っていることを実感することで、やりがいを感じます。

先輩上司から一言

年数を重ねていくと、仕事への期待や責任が当然深くなってくるんですよ。後輩もできてくるし、そうするといつまでも今の仕事、今のポジションでいられるわけではないですね。横山さんにしても、その仕事に対する説明責任や、やったことに対する責任を持たされてくる時期になってきています。だから、年ごとにそこを意識していって、良い三十代を迎えてもらいたいですね。

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