しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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自動車整備士

おきつ ゆういち

沖津 佑一さん

勝田工業高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.4
  • サービス
  • 男性
  • 自動車整備士
  • 茨城県央

僕達はお客様の命を預かる車を整備しているんです。ネジ一本のミスもできない。そういう仕事です。

取材者からの紹介

専門学校から、現在に至るまで2級整備士、危険物、小型特殊免許など、数々の免許や資格を取得しました。どれもが整備に必要な資格。とても明るく、話しやすい方でした。車が好きだということが言葉の端端からひしひしと伝わってきます。「好きこそ物の上手なれ」を絵に描いたような方でした。

バイクをいじる姿がカッコよくて

もともとは、いとこの影響もあってバイクが好きだったんです。いとこがバイク好きで、よく自分でいじったりしていました。それがカッコよくて、会いに行ったときにはよくバイクを触ったり、またがったりさせてもらっていました。父も車が好きで、いろいろな車に乗っていたので、小さい頃から車やバイクに触れる機会が多かったんです。

バイクや車がほしくて、高校では部活はせずアルバイトをして、お金を貯めていました。高校に入ってすぐに原付の免許を取って、よくバイクの手入れをしていましたね。高校の卒業式前には車の免許も取って、専門学校に行く前に、貯まったバイト代で車を買いました。

そういったことがきっかけで、千葉県の成田にある自動車専門学校で2年勉強して、整備に必要なさまざまな資格を取得しました。

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高校時代は本当にバカばっかりやっていましたね(苦笑)今でも写真のメンバー以外の仲間達とも、"くされ縁"のように遊んでいます

「思ったより地味だな」って言う印象

整備士の仕事は、車の点検、修理、組み立て、調整をすることです。入社したときは、車をチューニング(※車の能力を高めるために改造すること)する仕事がもっとたくさんあると思っていましたが、実際に会社に入ってみると、主な仕事は点検でした。ディーラー(車の販売店)では新車を売って、買ったお客様の車検を受けて、車を点検して、直す部分があれば直してお客様に渡すという仕事をしています。仕事の大半は壊れている箇所、不具合のある箇所がないかどうかの点検です。

チューニングをイメージしていたことが大きくて、初めは、整備という仕事は正直「地味だな」という印象は受けましたね。

お客様の話を聞いて、そのお客様に合わせて、決められた基準の範囲で整備を行うのが僕達の仕事です。車は乗る人によって、その状態に大きく違いが出てきます。サーキットに行ってスピードを出したり、急発進急ブレーキをする方は、エンジンやブレーキが酷使されて消耗が激しいですし、家族で乗る方などでは、静かにブレーキを踏まれたりするので、状態が良好です。お客様がお年寄りだったら、力が弱くなっているので、ブレーキなどを簡単に踏めるように少し変えなければいけません。お客様に合わせた整備には、こだわってやるようにしています。

ですから、まずはお客様の年齢や車の使い方など、お客様から車について多くの情報をうまく引き出さなければなりません。お客様から話を引き出すには、お客様をよく観察して、うまくコミュニケーションをとらなければなりません。お客様と話すコミュニケーション能力が、僕たちの仕事にまず必要なことです。

そうやって、乗り方を見て、話を聞いて、自分が思っていることや、覚えていること、自分が経験したことと、会社のデータをうまくあわせていって、どこが悪いのかを追及していきます。基本的に故障を探求するときはそういう手順で行います。

地味ではありますが、コミュニケーションも含めて、いろいろな条件をそろえなければならない仕事なんです。

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基本的な工具は、会社から支給されたものです。他の工具は、自前で買い集めました。工具一つひとつが大事な商売道具です。

自分一人がやっているわけじゃないんだから

コミュニケーションといえば、一年目のときに先輩に「自分一人がやってるわけじゃないんだから、周りのこともよく考えて仕事をしろ」と怒られたことがあります。

基本的に、点検は一人でもするのですが、一台の車を3人1組で点検・検査することもあるんですね。だから、もし短時間で終わらせて欲しいというお客様がいたら、同僚や先輩に頼んだり、逆に僕が手伝ったりしなければなりません。そうやってちゃんと工場をまわすには、お互いのスケジュールや仕事の量を把握するなど、整備士同士の連携が必要になってくるんです。

手伝ってもらったら、その代わりに他の時間に一緒にやるといったこともします。工場の中では、整備士同士のコミュニケーションやチームワークも大切ですね。

あれはああしなきゃ、こうしなきゃって、みんなで話して、チームワークでうまい具合に仕事をこなすというのが今のやり方だと思います。

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自分がこうして、こういう好きな仕事につけたのも、親の助けがあったからだと思います。本当に感謝しています。

お客様の命を預かる

さきほど、整備の仕事が思ったよりも地味だったっていう話をしましたけれど、やはり日々繰り返しの仕事も多いです。整備に関しては経験を積んで、体で覚える部分が多くあります。たくさん経験を積めば、仕事も早くなるし、ミスもなくなります。

前に配属された店舗では、トラック整備が多く、大型車の修理の経験も積むことができました。その経験が今の工場でも役立っています。また、今はハイブリッドカー(※ガソリンと電気を使い分けて走る車。必要なガソリンの量が少ないため、人気が高まっている)のバッテリー交換など、ハイブリッドの車種が増えてきたので整備士の仕事内容も多くなってきています。ですから、直接いろんな車や機械に触って、多くの経験を積むことが、この仕事の一番の勉強だと思っています。

ただ、経験を積んでいくと、あまりに同じことをやりすぎているために、時々無意識でやっていて...ということも起きかねないです。ですから、いつもやっていることに対して、常に行動と意識をつなげておくことを心がけるようにしています。そのために安全確認を、ほかの人より回数を多くこなしています。決められた時間に合うようにして作業はするのですが、そういった確認などの抜けは許されないですね。

車は、凄く便利な乗り物ですが、速く動く分、人をはねてしまったり、事故によって乗っている人がケガをしてしまったり、亡くなってしまったりするなど危険な部分ももちろんあります。車は、少なくとも二人は乗れるようになっています。万が一にも、ブレーキが利かないなんて事が起きてしまえば、同時に多くの人の命が危険にさらされてしまいます。僕たちはお客様の命を預かる乗り物を整備しているのだと思います。だからこそ、お客様が一番安全に運転できるように整備しなければならない。そのためにはお客様の乗り方を良く見なければならないです。ネジ一本のミスもできないのは、もちろんです。そういう仕事なんだと意識してやっています。

満足はお客様一人ひとり違う

「お客様第一」という考えは、たぶんどこの会社でも、どの職業に就いても同じだと思うんですね。ただ、満足する部分というのは、お客様一人ひとりで変わってくると思います。

常にお客様が何を考え、何を大事にしていたいのか、お客様の考えに基づいて満足してもらうというのを大事にしています。たくさんの車を整備して、お客様の満足する部分をうまく引き出し、整備できる整備士になりたいです。

やはり、どのお客様にでも満足してもらえることは理想ですし、最終的には、自分を頼って来てくれるお客様に、自分の名前が指名されるような、それぐらいの整備士、メカニックになりたいと思っています。

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先輩上司から一言

自分の興味が強ければそれで仕事を選んで、進んでいっていただきたいと思うのですが、途中であきらめることのないように頑張ってほしいと思いますね。「こんなはずじゃなかった」、「そういうつもりで選んだわけじゃないんだ」という甘い考えがあると、やはり長続きしないかなと。その時点でそれが最後までできるかということは分からないでしょうけど、やはり興味深い部分であれば見よう見まねでやってみる部分もあるでしょうし、やはり好きで選んだのですから、多少のつらい部分もクリアーはできるのかなと思いますよね。

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