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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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看護師

はせがわ さとみ

長谷川 里実さん

24歳・水戸商業高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.4
  • 医療
  • 女性
  • 看護師
  • 茨城県央

患者さんからの「ありがとう」の言葉は胸に響きます。「頑張ろう」って、自然に活力が湧いてきます。

取材者からの紹介

長谷川さんとお話をしていて、優しさや温かさが溢れていて、人が好きという気持ちや、人のために何かしたいという思いが強く伝わってきました。私も病院に行くことがあれば、こんなに温かな思いを持っている看護師さんに対応していただきたいと思いました。笑顔もとても輝いていて、厳しくも優しい「白衣の天使」だと思います。

できる事が広がるのでは

高校を卒業後、介護福祉士の資格が取れる介護の学校に進学したんです。介護の学校に行こうと思ったのは、祖父の入院がきっかけでした。お見舞いに行った時に、私は体を拭いてあげることもできなくて、ただ見ていることしかできませんでした。結局祖父は亡くなってしまったのですが、「何か自分にできる事はないかな」と思い、介護福祉士の道を選びました。

その専門学校で、施設へ実習に行った時に、介護福祉士ができない行為を看護師さんがやっていて、「看護師になった方ができる事が広がるのでは」と思いました。それで、看護の学校に進学したんです。

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この頃出会った友人は今でもよく連絡をとっていて、大切なつながりがあります。

仕事と学業の両立

私は看護学校へ通いながら、病院で勤務をしているんです。勤務はしなくてもいいのですが、働いていた方が自分の身にもなると思い、仕事と学業を両立しています。働き始めた当初は看護師の資格がまだなかったので、助手業務をしていました。勤務先は自分で探して、お願いをします。私は学校に入学してから勤務を始めました。入学した時点で働いている子もいましたね。「入学の1か月前から働いています」とか、「もともと病院で勤務していて、その後に受験して入学しました」という方もいます。

学業と仕事の両立は難しいです。「時間がもっとあったら」と思いますね。でも、昨日学校で習ったことが今日職場で実践できると、「ああ、やっててよかった」って思いますね。

看護という仕事

看護師の仕事は、大きく分けると2つあります。「療養上の世話」と「診療の補助」です。療養上の世話は、入院中の患者さんを看る事で、診療の補助は、一般の方がいらっしゃって対応する、いわゆる外来ですね。私が担当しているのは診療の補助で、診察の介助や医師の指示を受けて、点滴や採血、身長・体重・腹囲測定などの介助をしたりします。

外来の仕事では、お子さんが相手だと大変ですね。骨折したお子さんが来院した時、ギプスを巻こうとすると嫌がられたりします。でも安静にして頂かないとギブスを巻けないので、「ちょっとだからごめんね」って抑えたり、おもちゃで気を引いたりして、なんとかなだめます。治療中はお母さんになるべく近くにいてもらいます。そうするとお子さんも落ち着きますね。やはり母は偉大だと思います。

また、看護には、何事にも「根拠」や「目的」があります。例えば体を拭く時に、何のために体を拭くのかということを考えなければなりません。身体の汚れを落とすのも1つの目的ですが、他にも、気分が爽快になり前向きな気分になったり、末梢血管を刺激して血液循環を促進したりするなどの目的もあります。そのために、患者さんの情報を収集してよりよい方法で患者さんに援助できるよう考える事も大切です。

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内視鏡室で機器の説明を受けています。医療分野でもIT化が進んでいて、パソコンは必須です。高校での授業がとても役立ちました。

何でも援助することは優しさではない

働く前の「看護師」へのイメージと、実際に働いてみてのギャップは、やはりありました。「考えが甘かった」と思いました。看護師の事を「白衣の天使」と表現したりしますよね。私の中でもそういうイメージがあって、すごく優しくて身の回りのことを何でもしてくれるという考えがありました。でも、実際に働いてみて、優しく、何でも援助していては駄目だと気付きました。リハビリ中の患者さんに何でも援助していたら、自宅に帰った時に、患者さんの力だけで生活することができなくなってしまいます。できることは患者さん自身でやっていただき、できないことはお手伝いする、ということが大事だなと思いました。何でも援助することは優しさではないと気付きましたね。

仲間との切磋琢磨

人相手の仕事なので、マニュアルはあっても人によって方法を変える必要があります。例えば、点滴だと針の太さが何種類かあります。基本的には同じ太さのものを使うのですが、患者さんからの要望や、針を刺す部位、患者さんの状態によって針の太さや種類が変わってきます。その人に合わせることが、まだ慣れないのでスムーズに行かなかったりすることがあります。

上手くいかない事や苦労する事は、上司や先輩、同じクラスの人たちに相談しています。同じクラスの人たちもみんな働いているので、「こういうことがあったんだけどどう思う?」という風に意見を求めることもあります。上司や先輩の正しい意見も必要ですが、同じ目線の同じ学生同士で話し合って、一緒に考えるという事も大事だと思います。共に考えることで、お互いの刺激にもなりますし、悩むことは皆同じなんだと認識する事もできます。同じ立場、同じ状況にある仲間がたくさんいるのは、心強いですね。

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左から2番目はボールペンで上に印鑑がついています。カルテは修正液が使えないので、誤字には二本線を引き印鑑を押します。

「ありがとう」の言葉

患者さんに「○○しますね」と声をかける事を「声かけ」と言います。病院に来て、何をされるのか不安に思う患者さんも多いと思います。そういった方たちの不安を少しでも和らげるために「大丈夫ですよ」、「針を刺しますので、ちょっとチクッとしますよ」などと声かけをしています。

患者さんって体調が優れない状態で来院するので、不安ですよね。診察が終わって、「よかったですね」「もう少しで治りますよ」など、自分の声かけによって、患者さんがほっとした顔をしていたり、「ありがとう」と言ってくれたとき、この仕事をしていてよかったなと思います。

患者さんからの「ありがとう」の言葉は胸に響きますね。やっぱり言われると嬉しいです。「頑張ろう」って、自然に活力が湧いてきますね。私はやっぱり、人の手助けができるこの仕事が好きですし、この仕事は私の生きがいだと思います。

挑戦する人生

私にとって「働く」ことは「生きがい」です。両親がずっと共働きだったので、働く姿を日常的に見ていた事も影響していて、小さい頃からずっと、働くのが当たり前だと思っていました。高校生の時にアルバイトを始めた時も、両親は大賛成してくれて、社会勉強のために、「自分でお金を稼ぐことの意味を知りなさい」と言われました。

これから結婚や出産をしても、この仕事は続けていきたいです。看護師は資格があればどこでも働けますし、先輩方でも子どもを育てながら家事と仕事と両立されている方がたくさんいらっしゃるので、私もそうしたいなと思っています。

今後の目標としては、まだまだ足りませんが、人の命に関わる仕事なのでより責任感を持ちたいと思います。また、「あなたでよかった」と言ってもらえるような看護師になりたいと思っています。

私は高校生や中学生の時に、将来やりたい事などを特に考えていませんでした。自分がどういった道に進めばいいのか、すごく悩みました。進路を選ぶって、すごく難しいと思いますし、何がやりたいのか、悩む学生さんも多いと思います。でも、人生一度きりなので、たくさんの事に挑戦していってほしいと思います。まだまだ時間はあると思います。その時間を有効に使って、自分の道を模索していってほしいです。

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先輩上司から一言

目配りと気配りを心がけていますね。悩んでいても、上司に言えないこととか相談できないことってありますよね。そういうことに気を遣って見るようにしています。
違う部署で検査に付くときも、必ず様子を見に行くようにしています。患者さんの命を預かる仕事ですので、間違いのないように、付いているスタッフと一緒に、できているかどうかの確認をしつつ、まめに見るようにしています。その確認をしてあげることによって、自信を持たせていますね。

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