しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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技術照明

  • 3次産業
  • Hope Vol.6
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  • 技術照明
  • 男性
  • 茨城県央

仕事が終わった時の達成感。それが続けてこられた理由。

取材者からの紹介

終始、落ちついた雰囲気で丁寧にインタビューに答えてくださった彼。仕事に真摯(しんし)に取り組んでいる気持ちが伝わってきました。最初希望した職種ではなかったという照明の仕事。辞めずに続けてきたからこそ分かる、仕事の楽しさについて話す笑顔がとても素敵でした。インタビューにたびたび出てきた「達成感」という言葉。舞台の裏方である照明の仕事の魅力が象徴されている言葉だと思いました。

僕は中学からバンドをしていて「音楽に関係する仕事」に就きたいという夢がありました。そのため、レコーディング科のある東京の専門学校に進学して「音」に関わる勉強をしていたのです。都内の企業への就職を考えれば、レコーディング関係の仕事はいっぱいありました。でも、どうしても地元の茨城で就職をしたくて、この会社を見つけました。もちろん音響志望で入社したのですが、人手不足ということもあり「照明部門に入ってくれないか」と言われて照明の担当になりました。

仕事は、大小問わずやっています。カラオケの発表会などをはじめ、この曲のときはこんな色や柄にしてほしい等の、演出的な仕事が多いですかね。大きい仕事は、「黄門まつり」や「ひたち秋祭り」等の郷土芸能が主です。黄門まつりでは、音響の場合、スピーカーを積んだ8・9台のトラックを数百メートルおきに1台ずつ設置して、一斉に音を流します。照明の場合は、パーライトという灯体をリフター車にいっぱい吊って会場を明るくするといったことをします。他には都内の会社からの依頼で、有名アーティストのライブを東京ドームまで手伝いに行くこともあります。他の会社の人と仕事をすると、刺激されますね。特に大都市での場合は、刺激も倍増って感じです。

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高校卒業式当日。高校生活はバレーボール部に所属。あっという間の青春時代でした。(写真中央左)

仕事は、現場に行って先輩の動きを見て覚えるという場合が多かったので、最初は機材の名前も分かりませんでした。そのため、「ライトを取って」と言われても、そのライトがどれか分からず、「すみません。分からないんですけれども」という始末。また、灯体は、回路の消費電力以上に配線すると、ブレーカーが落ちたりショートしたりします。そういう安全面での最低限の知識がないと事故につながってしまうので、「真剣に物を覚える」ということにとにかく集中しましたね。そういった知識を身につけながら、仕事の流れを覚えていきました。次の仕事のシミュレーションを怠ると、先輩たちのスピードには着いていけません。流れが分かってきてやっと、自分で考えて動けるようになっていきました。

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この仕事は、体力勝負のところが多いんです。機材を運ぶ、積む、灯体を吊るなどの作業には体力が必要なんですよ。そのため日常的に、筋力トレーニングなどをして体をこわさないように心がけています。さらに大変なのが、「緊張感との闘い」です。舞台の仕事は本番勝負です。遠くからステージ上の人を狙って当てるピンスポットという照明は、指示通り当てられているかがお客さんの目にも分かってしまうので、特に緊張します。その指示を外したときや、聞き逃したとき、違うことをやってしまったときが一番悔しいです。すぐには立ち直れないですね(笑)でも、次に同じような仕事があったときに「もう、やらないぞ」と気持ちを切り替えます。失敗を引きずっちゃうと、この仕事はできないので…。

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仕事を始めた最初の頃は「辞めたい」と思ったこともありました。音響志望で入社したのに配属は照明部門、専門学校では照明に関して何も学んでいないんですよ。でも、仕事では分からなければ怒られるわけですね。「やりたい音響をやっているわけでもないのに、何で怒られなければいけないのか」そう思いながら歯を食いしばってやっていました。

それを乗り越えられたのは、上手く言えないんですが、終わったときの「やった!」という達成感を何度も味わったからなんです。最初は右も左も分からなかった照明もやってみると奥が深く、次第に面白くなってきたのです。光は赤、青、緑が混ざり合っていろんな色ができるんです。それを混ぜたときの色や、組み合わせる明かりを微妙に変えていくとまた違った舞台が出来上がります。

本当に奥が深いなと思いますよ。本番に携わって、成功したときの達成感は何とも言えない。音響とは違う形で自分も同じ舞台に立てる。そう思えたのがずっと続けてこられた理由なのかもしれないですね。

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何も知らない状況から仕事を始めて、ミスをしないでできるようになったなと感じられるまで、約3年かかりました。今もミスをすることはありますが、基礎がしっかりしてきたので、ある程度の自信もつきました。

4年目に入り、多少は自分も会社に貢献しているかなと思えるぐらいにはなってきたと感じています。

これからもたくさんの失敗や経験を積みながら、後輩たちに上手く指導してあげられて、引っ張っていけるような人材になりたいと思っています。自分が分からなかったことは、後輩も同じで、悩んでいると思います。その悩みを解決してあげること。さらに、自分で明かりをつくるということを、自信を持ってできるようにしていきたいです。これからも照明の仕事や音響の仕事も含めて、ずっと続けていきたいです。

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先輩上司から一言

「出演者とお客様の気持ちを盛り上げる」というのが我々の基本。マニュアルがあるわけではないので、自分なりの距離感で実行していきます。それは感覚的なものなので、現場で感じ取ってもらっています。彼は、とても上手にやっていますね。彼は、仕事が正確です。例えば、出演者を追いかける場合、向きを変えつつ、色を持ち替え、レバー3本を操作するといった複雑な作業も正確にこなしてくれます。とっても助かっていますよ。

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