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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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診療放射線技師

しらい りか

白井 里佳さん

25歳・鉾田第一高等学校〜茨城県立医療大学出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.8
  • 医療
  • 女性
  • 茨城県央
  • 診療放射線技師

早期発見で患者さんを病気から守りたい。

取材者からの紹介

高校のときから診療放射線技師を目指して努力してきた白井さん。社会人になりたてのころは人見知りで自分に自信がなかったそうですが、多様な経験と努力によって今では周りの方からの信頼の厚さが感じられました。取材中も、患者さんへの気遣いや仕事に対する真摯さが伺え、彼女に対応してもらうと不安な検査も安心して受けられそうです。白井さんの“自分の道に迷いがなく、真っ直ぐなところ”も見習いたいなと思いました。

診察台に乗り、逆さにされ写真を撮られる…、Hopeの取材ならではの貴重な体験をすることができました(笑)。レバーを握り機械を操作する白井さんはとても格好良かったです。ただ、医療についての記事なので、不明な点を調べて分かりやすく文章を書くという作業がとても難しかったです。

がんで苦しむ人をなくしたい

小さいころから体が弱くずっと病院に通っていたため、将来は自分も病院で働きたいと思っていました。診療放射線技師の仕事に興味を持ったのは、私が高校生のときに知り合いのおばさんが乳がんで亡くなったことがきっかけでした。おばさんが亡くなった後、がんは早期に発見できれば治療できる可能性が高くなることや、マンモグラフィーという乳がんの検査があること、そしてそれを撮る診療放射線技師という人がいることを知り、私も診療放射線技師になって乳がんで苦しむ人をなくしたいと思ったんです。その気持ちが強かったので、一度決めてからは進路を迷ったりはしませんでしたね。

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高校時代(後列右端)

大学時代は遊んだ記憶がない

高校を卒業した後は、大学で診療放射線技師になるために勉強しました。放射線を扱う時間やその間の被爆線量などの管理方法、使用する機器・機械、それから人の臓器について学び、物理や数学も勉強しました。大学時代はあまり遊んだ記憶がないです。それくらいたくさん勉強しましたね。診療放射線技師の資格も在学中に取りました。資格試験は難しいですが7割ほどの人が受かるので、一生懸命に勉強すれば合格できます。ただ、卒業直前まで資格がなかったので、大学の実習では放射線を出すことができず、流れを見る程度にしか実習できませんでした。そのため実際に撮影をしたのは、病院で働き始めてからでした。

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大切なのは患者さんとの対話

今は主に検診業務をしています。胸のレントゲン写真から、マンモグラフィー、胃のバリウム検査やおなかのエコー検査、CTを撮ることもあります。検査のときに大切にしているのは、患者さんとの会話です。短時間に多くの患者さんを診るので一人ひとりと接する時間は少ないですが、気持ちよく検査を受けてもらえるよう常に心掛けています。患者さんの様子を見ながら「痛いですけど、ちょっとだけ我慢してくださいね」と声をかけたり、世間話をしたりしながら撮影すると、あっという間に検査が終わってしまいます。

それから、いい写真を撮るためにも患者さんとのコミュニケーションは不可欠です。特に胃のバリウム検査では、患者さんが飲んだバリウムが胃に綺麗に張り付くように体を回転させて、これが剥がれる前に撮影しなければいけないので難しいし、患者さんの中には気分が悪くなってしまう方もいます。このような検査では患者さんと息が合わないと良い写真が撮れなかったりするので、患者さんを気遣い、こちらが望む動きをしてもらえるよう声掛けを大切にしています。

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「あなたが担当で良かった」

この仕事は大変なことも多いですが、やりがいはとても大きいです。私が良い写真を撮ることで、もしかしたら見逃されていたかもしれない小さな病気の芽を見つけてあげられるかもしれないんです。そうすれば、その患者さんは病気が悪化する前に治療することができます。初期段階で治療すれば治りも早いですし、再発の可能性もかなり低くなります。地域の皆さんの健康を守るために、私の仕事は大切な役割を担っているんだと思うと、この仕事に就いて本当に良かったなと実感できます。

また私にとって患者さんとの関わりや、患者さんからの感謝の言葉は大きなやりがいです。例えば、乳がんのマンモグラフィーでは胸をグッと押すため痛みが伴うのですが、検査の後に「今までの検査の中で一番痛くなかった。あなたが担当で良かった」などと言っていただけることもあり、そういうときはとても嬉しいです。特に仕事を始めて1年目でまだ仕事に自信がなかったころ、できるだけ楽しい雰囲気でと心掛けて行った検査の後に、患者さんから「あなた、この仕事に向いてるよ!」と言われたことがありました。その言葉が嬉しくて、その後も楽しく検査ができるよう心掛けるようになりました。それは今でも、常に私の心の支えになっている出来事ですね。

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まだまだ学ぶことが多い

私はもともと人見知りをする性格で、働き始めたばかりのころははっきりと話せないことが多かったんです。うまく説明することも苦手で、例えばバリウム検査について少し気分が悪くなることがあると伝えきれず、検査後に患者さんからお叱りを受けてしまうこともありました。それでも経験を積むうちに、今では撮影のコツがつかめてきて、患者さんを不安にさせないよう堂々と接することができるようになりました。また診療放射線技師の認定資格を取ったことも、自信をもって仕事ができるようになった理由の一つです。認定資格とは国家資格ではなく、技師がある検査について十分な知識と技能を持っているということを客観的に示す指標のことです。私はマンモグラフィーと胃のバリウム検査の認定資格を持っていますが、この資格に甘んじず、更なる知識や技能、経験を得るために今も勉強を続けています。熟練の先輩方のようになれるまではまだまだ学ぶことが多いですが、これからも努力し続け、患者さんの健康を守るお手伝いをしていきたいです。

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先輩上司から一言

どんな育て方が合っているのかは人によって違うと思うので、一人ひとりに合う接し方をいつも考えていますね。彼女は病院に入ってきた当初、人見知りをするところがあったので最初から指摘をするのではなく、しばらく様子を見てからアドバイスをしていました。現在では、最初のころとは比較にならないくらい声が出るように成長しましたね。患者さんとのやりとりは100点に近いぐらいですよ。今後は自分よりも胃の撮影がうまくなって、がんを発見してもらいたいですね。診療放射線技師としての素質があると思うので、より一層センスに磨きをかけてもらいたいです。

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