しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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添乗員

おかむら たかや

岡村 崇矢さん

25歳・新潟県立十日町高等学校〜国際外語・観光・エアライン専門学校出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.8
  • 旅行
  • 添乗員
  • 男性
  • 茨城県央

旅行が好き。それ以上に、人が好き。

取材者からの紹介

真面目で誠実な人柄の岡村さん。インタビューから彼の仕事に対するこだわり・人に対する思いやりが伝わってきて、2ページの原稿にまとめるのに本当に苦労しました。「岡村くんとまた行きたい」というファンの方がいらっしゃるのも納得です。 「旅行も好きだけど、人が好き」。その言葉どおり、常にお客さんに喜んでもらえるツアー企画・添乗を探求し続ける姿は、私の憧れです。

岡村さんの仕事に対する姿勢や考え方は、私の理想です。今まで「尊敬する人物は?」と聞かれると、両親と歴史上の人物を挙げていましたが、20代という自分と同世代で目標にすべき人に出会えたことは、私にとってとても意義のある取材となりました。

恩師との出会い

高校時代は、ホテルのレストランでアルバイトをしていました。そこで宿泊業という観光業の一分野に触れて「この仕事、面白そうだなぁ」と感じたんです。最初は、ホテルでのサービス、フロントなどの宿泊業を目指していました。

それから旅行業に進もうと思うようになったのは、専門学校の説明会で、のちにお世話になる先生との出会いがきっかけでした。その先生から「同じ観光業の中でも旅行業ならば、ホテルやレストランといった宿泊業・飲食業、バスや飛行機といった運輸業など、観光業の全ての分野に関われる。観光業全体を体験できるよ」と言われたんです。その言葉に惹かれて、旅行業の道に進むことに決めました。

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一生に一度の旅に

普段は日帰りツアーの企画と添乗、ボランティアバス関連の調整の仕事をしています。

人との出会いが多いこの仕事はとても楽しいですが、添乗の際には、お客様と自分との温度差に気を付けるようにしています。一つのツアー企画で私が10回添乗に行く場合、私にとっては10回のうちの1回のツアーですが、参加するお客様にとっては一生に一度きりの貴重な経験になるかもしれません。そのツアーが忘れられない素敵な思い出になるよう、常に新鮮な気持ちで接客するように心がけています。

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新人の頃(京都の旅行に添乗)

「人が好き」だから

専門学校時代の仲間の多くは、残念ながら既に旅行会社から離れてしまっています。

みんな旅行業に憧れて入ったものの、実際働いてみると、朝が早い上に夜は遅い。ツアーの添乗では、お客様からクレームをいただくこともあります。好きだった旅行がだんだん嫌いになって、辞めていってしまうんです。専門学校の担任の先生からは、「旅行が好きなら、個人で自由に旅行した方がいい。旅行が好きという気持ち以上に、人と接するのが好きという気持ちがないとダメだ」と当時よく言われました。

確かに日帰りのツアーでは、夜中の2時に出発することもあります。そうすると周りの人と生活の時間が合わなくなるので、最初はそれが一番つらかったですね。でも私には「人が好き」という強い気持ちがあるので、辞めようと思ったことはありません。

お客様と旅先で楽しく会話しながら、「岡村くんでよかった」「岡村くん、また一緒に行こうね」と言ってもらえると、この仕事をやっていて本当によかったと実感できるんです。

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高校の修学旅行でバスガイドさんと

多くの地元のお客様のために

今年で石塚観光は創業73年になります。まだ県内にバス会社が少なかったころ、多くの学校で遠足の際に、石塚観光のバスをご利用いただきました。そして今、当時遠足で利用してくださったお客様が定年を迎えられ、多くの方が石塚観光のバスツアーに参加してくださっています。

そのようなお客様からは、「遠足を思い出してワクワクする」「子供のころの夢は、石塚観光のバスのドライバーになることだった」という嬉しいお言葉をたくさんいただいています。中でも印象的だったのは、あるお客様から「小学校の遠足・中学校の部活の遠征・結婚式の親族の送迎・新婚旅行・会社の社員旅行・定年後のバスツアーと、私の人生には常に石塚観光がある」と言っていただけたことでした。

多くの地元のお客様に支えられ、愛していただいていることは本当にありがたく、感謝の気持ちで一杯になりますね。

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被災地への想い

石塚観光では茨城県社会福祉協議会と共催し、主に東日本大震災で被災した宮城県の東松島市へ毎週日帰りのボランティアバスを運行しています。

ボランティアバスには、北は北海道から南は沖縄、下は小学生から上は85歳まで、様々な人が参加されています。初めて参加される方もいれば、何回も毎週のように参加されている方もいらっしゃいます。

ボランティアバスを運行する前、私は震災直後に個人的にボランティアに行きました。そこで民家の泥出しをしたのですが、大人10人がかりでも駐車場から玄関までしか終わりませんでした。周りを見渡せば、同じような状態の民家が何千とあり…、「一体、何年かかって、何千・何万人の力が必要なんだろう」という絶望に近い感覚で、途方に暮れた覚えがあります。

しかしボランティアバスで被災地に行くようになり、40人で作業をすると、あっという間に作業が終わってしまうんです。一人だと40日間かかるものでも、40人いれば1日で終わってしまうわけですから、人の力って本当にすごいなと実感しています。

月日が経ち、震災があったという意識が薄れていくなか、ボランティアに行ってみたいと思う方は、ずっと被災地を想い続けた方だと思います。勇気をもって一歩踏み出した方々のサポートができるよう、これからも人との出会いを大切にしていきたいですね。そして、一生に一度の素敵な旅を、お客様と一緒にもっともっと作り上げていきたいです。

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先輩上司から一言

清く、正しく、美しく。そして、爽やかに。それが当社のテーマです。仕事の技術よりも、人としてどう育てるかが重要ですね。気付いたことは、その瞬間に言います。後で終礼の時に言おうとかではなく、日々の仕事、生活の中で言っています。あまり細かいことは言わないですけど、「こういうことをしたら怒られる」っていうのは社員は分かっていますから。そういうことだけを注意して、あとは自分で考えてもらいます。私がいちいち指示を出すということはしません。 岡村くんは大したもんだと思います。自分で物事を考えて決めていけますし、相談する時もまずは自分で結論を出してから、「これでいいですかね?」と聞いてくれます。なので、任せていて安心なんですよ。

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