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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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スーパーマーケット デリカチーフ

やまざき えり

山﨑 枝里さん

25歳・藤代紫水高等学校〜流通経済大学出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.8
  • スーパーマーケット デリカチーフ
  • 女性
  • 小売
  • 茨城県南

生産者と消費者をつなぐ架け橋になりたい。「おいしい!」が仕事の原動力。

取材者からの紹介

第一印象は、おとなしくて可愛らしい山﨑さん。しかし実際にお話を伺うと、仕事に対して誠実に向き合う、とても芯の強い勉強意欲のある女性でした。自分の仕事に対して誇りを持っていて、「お客様の信頼を裏切らないような仕事をしていきたい」と語る彼女の姿がとても輝いていたのが印象的でした。これからもお客様の笑顔のために、おいしいお惣菜を作り続けてほしいと思います。

とてもアットホームな雰囲気で、上司の方も交えて楽しい取材ができました。聞きたいことがありすぎてまとめるのは大変でしたが、就活や新入社員のときの経験も聞かせていただき、とても有意義な時間を過ごせました。

「当たり前」を仕事にする

大学ではマーケティング論など、流通について学びました。大学入学と同時に日本経済新聞を読むようになったんですが、最初は全く理解できなかったんです。それが、自分で興味を持って辞書で調べたりしているうちに「こういうことが書いてあるんだ」っていうのが分かるようになって。ますます流通に興味を持ち、就職先も流通関係の仕事に就きたいと考えるようになりました。良い商品を作っても、それだけでは欲しいと思っている人々には届きません。生産者と消費者の間をつなぐのに欠かせない存在が、流通に関わる仕事だと思うんです。生活を送る上で「買い物をして、お金を払う」という行為がとても身近なものだからこそ、仕事としてやりがいを見つけてみたいと思いました。

カスミを選んだのは、茨城の中でも特に大きな企業だから、というのもありましたね。ここから少し離れても、すぐに別の店舗があります。買い物が私たちの生活に欠かせないからこそ、カスミの社員として「人々の暮らしを豊かにするお手伝いをしたい」そう思って入社しました。

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大学卒業時(右から2人目)

お客様と共に作る売り場

仕事を始めてから4年目になりました。デリカのチーフということで、主に惣菜の商品管理や作業割り当ての作成を行っています。売り場へタイムリーに商品を出すために、「どのタイミングで何をいくつ作るか」と計画を立てたり、時間内に従業員の仕事が終わるよう効率の良い仕組みを考えたりするのが私の仕事です。

惣菜は、忙しく働く人たちには「すぐに食べられる・おつまみになる物」、高齢者には「食べきれる量・栄養のある物」、お母さん達には「翌日のお弁当に入れる物」など、時間・場所・ライフスタイルによって需要が異なります。それを考えながら売り場を作るのは大変です。

でも大変な思いをして販売するからこそ、売れると思って計画を立てて、その通りに売れたときは「お客様が求めているものを出せた!」と嬉しくなります。毎日お店を利用してくださる老年の男性のお客様がいらっしゃるのですが、「一人だから少ない量で、たくさんの種類を食べたい」とご要望をいただいたことがあるんです。翌日、一人分のライス・揚げ物・サラダなどを1パックにまとめて販売したところ、「いっぱいあって選ぶのが大変だよ。また明日も来るしかないなぁ」と喜んでいただき、とても嬉しくなりました。自分が作ったものをお客様に「おいしい!」と食べてもらえると思うとやりがいを感じますね。デリカはお客様と共に作る売り場だと思っています。

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震災で得た「ありがとう」

私たちの仕事が人々を支えていると実感したのは、やはり震災のときですね。カスミは震災の翌日からお店を開けていたのですが、早朝からお客様の長蛇の列ができていました。開店と同時に多くの方が真っ先に惣菜コーナーへ足を運ばれて、値段・商品を選ぶ余裕もなく買い物をしていかれる姿がありました。混雑で店内へ入れないお客様もいらっしゃったので、ライスや唐揚げなど温かい商品の店頭販売も行いました。その時、「お店を開けてくれてありがとう」「やっと温かい物が食べられるよ。ありがとう」と何度も感謝の言葉をかけていただいたことは忘れられません。材料が届かず、その時お店にあった在庫で作れる物を必死に作っていたので、普段のような満足してもらえる商品・品揃えでは決してなかったのですが、人々の暮らしを支える仕事ができているんだと誇らしくなりました。

また私自身も、震災直後から共に働いてくれた従業員に対しては感謝の気持ちでいっぱいです。自宅や家族も被災している中、早朝から出勤し、自分たちも食べる物がないときに「お客様のために」と終日働いてくれる姿がとても頼もしかったです。支えるだけでなく、たくさんの人に支えられて仕事をしているんだなぁと改めて実感しましたね。

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「働くこと」は支え合う事

初めて一人で計画を立てたときは、つまずくことも多かったのですが、同僚や先輩たち、上司の方々がたくさん支えてくれました。おかげでつらいときも仕事を続けることができました。反対に、自分が周りを支えているんだと思うこともあります。「この仕事は私がいなくちゃ」「自分はこの仕事に欠かせない存在だ」って思うことで、仕事に対する責任感が持てるんです。

私が目標としている先輩が、多くを語らず背中で“仕事”を見せてくれる人だったんです。品揃えに関する基本や仕事に対する姿勢、何よりもリーダーシップの取り方を教わりました。お店の問題を解決できるだけの能力や知識を身に付けることはもちろん、私も「この人みたいになりたい」って後輩や部門の人たちに思ってもらえるような、リーダーシップの取れる人間になりたいですね。

私たちの仕事は、ただ商品を作って販売することではなく、お客様がいかに楽しい買い物ができるかを追求し、そのお手伝いをすることだと思っています。お客様や従業員に誠意と愛情を持って接することで、私がこの店舗を離れたとしても、変わらず大切に思ってもらえるような従業員になっていきたいですね。

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先輩上司から一言

スタッフの育成に関しては、相手の良いところを見つけて褒めることを心掛けています。良いところを強調して伝えてあげると本人たちの自信につながると思うので、長所を伸ばして短所を補うようにしています。ほかには、目標をきちんと立てさせていますね。1年後、半年後、1カ月後にどうしていたいか、そのために今週は何をするのかなどの投げ掛けをして、なりたい将来像に近づくためのステップを逆算させながら確認しています。彼女は自分の意思をしっかり持っていますね。周囲から言われたままに動くのではなく「自分はこう思うんですが」と意思を伝えてくれるのは、彼女の良いところです。将来的には次長、店長を目指せると思いますが、まずは周辺店舗にあるデリカ部のリーダー的な存在になって、「山﨑に新入社員を任せれば良い人材が育つ」というような存在になっていただきたいですね。

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2013年3月現在