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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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クラブチームスタッフ

きむら たかし

木村 孝さん

29歳・水戸第一高等学校〜早稲田大学出

  • 3次産業
  • Hope Vol.8
  • クラブチームスタッフ
  • 娯楽
  • 男性
  • 茨城県央

スポーツを通して、自分たちにできることをしていきたい。

取材者からの紹介

とても落ち着いた雰囲気の木村さん。一つひとつの質問に丁寧に答えてくださいました。取材で木村さんの「お客様を大切にする」という想いが伝わってきましたが、お話を伺ううちにそれは、水戸ホーリーホック全体の想いであって、それによってサポーターの方々との強い信頼関係につながっているのだなと感じました。彼は冷静な姿勢の中に、熱い想いを常にもっている素敵な方でした。

お話を引き出すというのは大変難しいことだと思いました。しかし、質問に丁寧に答えていただき、話のポイントや、どう話を広げればいいのかを考えるとてもいい経験になりました。

来年から働かせてほしい

大学は都内のスポーツ系の学部だったのですが、こちらに帰省したとき、たまたま当時の水戸ホーリーホックの社長とお会いする機会があり、大学3年の夏に2カ月間、水戸ホーリーホックでインターンをやらせていただきました。インターンを終えたときには、ホーリーホックで働くのは大変そうだけど、やりがいがあり、面白みはあるなと感じていました。

その後は就職活動を行っていましたが、他の企業を見ても「この企業だったら、ホーリーホックと組めばこういったことができるよな」などと考えてしまい、ホーリーホックに就職した方がいいのでは…と思うようになりました。それで大学4年になってからもう一度、その社長のところに行き、「ぜひ、来年から働かせてほしい」ということを伝えたんです。そして幸運にも、そのまま入社することが決まりました。

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高校時代(前列中央)

シーズンオフとシーズン中

1年を通すと、シーズンオフとシーズン中という二つの時期に分かれています。シーズンオフでは、試合はないけれどチケット販売や戦略を立てていく時期です。シーズン中は、2週間に一度ホームゲームが入ってくるので、大体2週間のスパンで物事を考えています。ホームの試合が終わった翌週は、試合の売り上げや、どういう販売ができて何ができていなかったのかを精査します。それから次の試合に向けて計画を立てていくのです。私はチケット担当なので、その週の試合は来場予想がどれぐらいで、どのようなお客さんが来るのかなどを把握し、試合運営担当に警備員やスタッフの数などの調整を依頼します。

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お客様の笑顔に報われる

サッカーチームなので一番人気があるのは選手です。でもお客様が、選手を見に来たり試合を見に来たりするだけではなく、スタジアムの外にいる私たちスタッフなどと会話を交わすことで、「今日来てよかったな」って思っていただけると、私たちの励みにもなりますね。お客様の笑顔が見られると幸せですし、自分たちがやってきたことが報われる感じがします。

反対につらいと感じるときは、販売職でもあるのでどうしてもなかなか売り上げが立たないときですね。売り上げは年々増えてはいるのですが、自分たちが立てた企画などが目標に達していないときにはやっぱり悔しいです。何が問題だったのかを考え、反省して次にいかせるようにしています。

それから、長年来てくださっていたお客様が来場されなくなったときにもつらいと感じます。お客様に限らず、選手やコーチ陣とも別れを経験しなければならないときがあります。人と人とのつながりの中でチケットの販売をやっているので、そのつながりが途絶えることはつらいし、寂しいと感じます。

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お客様のためを思う

大事なことは、お客様を第一に考えることです。でも始めから意識していたわけではなく、やっていくうちにどんどん身にしみて分かるようになりました。

チケット担当やサポーターズクラブ担当はお客様と面と向かってやりとりをすることが一番多いので、時にはお客様からのクレームを受けることもあります。それでもクレームを真摯に対応していると、そのお客様は必ずと言っていいほど深く長いお付き合いとなるお客様に変わってくださるように思います。「木村さんが言うなら買ってあげるよ」と言われると、なんだか自分のファンになってくださっている感じがしてしまいます。このようにお客様との関わりが変化する瞬間はとても嬉しいですし、この仕事の楽しさでもあります。そうやってお客様の本音を聞けるようになると、やっぱりお客様のためを思ってやることが大事なんだと感じます。これはお客様から学んできたことでもあるし、代表の沼田が長年、社員のわれわれに態度で伝えようとしていることでもあると分かりました。だから、お客様が第一。お客様のことを考えなければ、やはり何をしてもダメなんだと実感しています。

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地域での活動と今後

幼稚園や中学校にホーリーホックのコーチが出向いてサッカーを教えるということは、ずっと継続してやっています。コーチに限らず選手も、参加できる時期であれば伺うようにしています。それ以外にも、小学校だと給食を一緒に食べるということも可能な限りやっています。様々な活動を行政と交渉して行ったり、中学校や小学校に講演に伺ったりと、いろんな場所に顔を出すことが大切だと思っています。

また、「最近、ホーリーホックの試合を見るようになったんです」と言ってくださるお客様に、きっかけについて聞いてみると、水戸を好きになったから、水戸に住んでいるからとか、たまたまホーリーホックの会場に来たとか、サッカーではないところにきっかけが多いことが分かってきました。だから今後は、サッカーとは違った観点でも新しいお客様との接点を増やしていきたいと思っています。

そして、水戸に住んでいる人、茨城に住んでいる人が、「茨城に住んでいてよかったな」とか、「水戸に住んでてよかったな」って思ってもらえるような街づくりを、今後自分たちも一緒にスポーツを通して行っていきたいですね。

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先輩上司から一言

彼の特徴は、「リサーチ力」の強さ。過去の記録や他クラブ・他競技の情報収集だけでなく、状況に応じた事例参照など“頭の中の引き出し”の使い方が優れています。いろいろな文献や資料はもちろん、休日には自費で他クラブの試合会場などにも足を運んで見聞を広めているようです。今後もさらに引き出しを増やしていってほしいですね。
彼が担当する票券管理の業務では、チケット販売の基本を踏み外さない企画や実務を、安定的に遂行してくれているので、今後はその延長として、応用の部分にも幅が広がることを期待します。「楽しそう」「面白そう」「ワクワクする」といった要素が大きな割合を占める企画にも、今よりもっと積極的なチャレンジを期待します。

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