しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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介護職

おのせ あゆみ

小野瀬 あゆみさん

25歳・水戸農業高等学校出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.9
  • 介護職
  • 女性
  • 福祉
  • 茨城県北

利用者さんからの言葉、それが私を成長させてくれます。

取材者からの紹介

取材中は常に照れた表情をのぞかせる小野瀬さん。いざ仕事が始まると、テキパキとまるで人が変わったかのように黙々と利用者さんへの食事をつくっていきました。その背中は、1人の働く女性であり、1児の母でもありとても頼もしい姿でした。これからも利用者さんのおじいちゃん・おばあちゃんから孫のようにかわいがってもらえる、そんなヘルパーとして活躍してほしいと思いました。

きっかけは憧れから

私が高校生のときに、母と祖父がヘルパーを利用していたんですね。ちなみに母は介護保険がきく病気だったので一緒に利用することができたんです。そのときにヘルパーさんとして来ていただいたのが今の上司である栩内(とちない)さんでした。

祖父に対して温かい言葉で話しかける栩内さんの姿をみて、私も「栩内さんのようなヘルパーになりたい」という気持ちが芽生えるようになったんです。

小さいころは美容師になりたいという夢があり、中学生のときに体験実習を受けてみたのですが、私には合わないと思い介護の道を歩んでいこうと決めました。また、大子町に住んでいる母が介護を必要としているため、「私がそばにいて少しでも力になりたい」と思い久慈川荘介護センターにヘルパーとして就職しました。

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学生時代
高校時代は実習が多い学科に在籍していました。畑で野菜を作って実際に販売したり、その野菜等を使って調理をしたり…。楽しい思い出ですね。その分、机に向かって勉強することが、少なかったかな(笑)。お陰様で、料理をすることがとっても好きになりました。この仕事の役に立っています。

利用者さんのニーズに合わせて

私たちの仕事は利用者さんによって支援内容が変わります。支援はケアマネージャーが立てる居宅サービス計画書を基に行われます。その内容を大きくわけると「生活援助」と「身体介護」の2つになります。「生活援助」は、買物やお掃除、料理など、「身体介護」は入浴や着替え、オムツの交換などのサポートを行います。介護職というと「身体介護」のほうをイメージする人も多いと思いますが、たとえば利用者さんが息子さんと2人で暮らしていて、息子さんが仕事の関係で留守にする時が多ければ、利用者さんは一人になるじゃないですか。その時にヘルパーが出向いて、お昼ご飯を作ってあげたり、寝室の掃除などの家事をしたりするといった「生活援助」のニーズも結構あるんです。

利用者さんが施設に来てくれるのではなく、私たちがお伺いするというのが、この仕事の特徴です。家によって道具や調味料、食材が置いてある場所はまちまちです。その状況の中での最善をつくす、そのためには、調理経験をはじめとした様々なアイデアが必要です。利用者さんの中には、糖尿病であったり、血圧が高かったり、硬いものが食べられない方もいらっしゃいます。機転を利かせるための経験と知恵が仕事の良し悪しを左右します。

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習うより慣れろ

この仕事は最初からすぐにできるような仕事ではありません。経験を積むことで、少しずつできるようになってくるんです。はじめたてのころ、あるおばあちゃんの家に伺いました。そのおばあちゃんはオムツ交換の支援が必要な方でした。やってはみたものの上手く交換できません。何回も体位を変えてもらいましたが、上手くできませんでした。おばあちゃんに「ごめんなさい」と謝ったら「習うより慣れなきゃね」という言葉をかけていただきました。その後も、なかなか上手にオムツを交換することができなかったときは、その言葉で何度も励ましていただきました。

おばあちゃんは亡くなってしまいましたが、その言葉はいつも心の中にあって「上手くいかなくても頑張って慣れて上手になろう」と私の背中を押してくれるのです。

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大切なのは「信頼関係」

自分と利用者さんは他人同士ということもあり、お宅に伺って身の回りの世話をする上で、初めのうちは不信感を抱かれる方も少なくありません。利用者さんが安心して任せてくれるようになるには、「信頼関係」を築くことが何よりも大切です。

自分の倍以上も長く生きている方がほとんどなので、人生の先輩を尊敬する気持ちを持って接しています。そうすると自然に利用者さんを思いやる行動ができて、利用者さんも私のことを信頼して任せてくれることにつながっていきます。また、体調だけでなく、髪型や化粧などを変えたときに気づいてあげると、女性はすごく喜んでくれます。「自分がしてほしいことをしてあげる」という気配りを忘れないことが大切だと思います。

「ありがとう」とか「おいしかったよ」などの言葉をかけていただいたときは、「喜んでいただけたんだ」という嬉しさでいっぱいになります。ヘルパーの仕事をやっているからこそ感じることができる「やりがい」にあらためて気付く瞬間です。

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1人でも多くの手助けをしたい

私が住む大子町には介護サービスを必要とするお年寄りの方がたくさんいらっしゃいます。その方たちに少しでも長生きしてもらえるように、「信頼関係」を大切にしながら手助けをしていきたいです。

信頼して任せられるヘルパーが大子町にいるから、利用者さんの子供たちは介護を受けている父母と一緒に住みながら働くことができたり、たとえ一緒に住んでいなくても安心して違う地域で働くことができる。そのような環境をつくる架け橋として、利用者さんやそのご家族とのコミュニケーションを大切にしながら「介護を通して地域を支える」それが私の使命だと思っています。

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私の強み・底力

早く結婚したこともあり家事の経験不足は否めませんでした。ヘルパーとして家事支援に若干の不安がある中、ご依頼料理の作り方を利用者さんに教えてもらう事もあります。「こうしていると孫と一緒に料理を作っているみたいだね」という利用者さんの笑顔。昔から作られている郷土料理は、私の知らない物も多いですが、教えてもらう事で会話も弾みます。それを素直に受け入れられる事が私の強みかな。

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