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【突撃!採用担当】

採用の仕事から求める人物像までを徹底調査!

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ハナワ種苗株式会社 取締役

はなわ くみこ

塙 久美子さん

50歳・下館第一高等学校~法政大学大学院出身

  • 1次産業
  • 2016年
  • 女性
  • 小売業
  • 茨城県西

より品質の高いものを作れるように

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種苗しゅびょう会社と言っても種類が2つございまして、1つが種を作るメーカー、もう1つが種を売る小売り会社です。家電業界で言うとメーカーがソニーさんやパナソニックさん、小売店の方がケーズデンキさんやヤマダ電機さん。私共ハナワ種苗株式会社は小売りの会社ですので、農家さんのニーズに合った種や資材等を多種多様なメーカーから選んで提案、販売しています。
種の選び方一つとっても、お客様の売り先によって大きく変わってきます。例えばお客様が作った野菜はそのまま青果市場に納めるのか、それとも契約栽培をやっていて、納品した野菜が千切りカットにされるのかブロックカットにされるのか、その用途によっても提案する品種が全く違ってきます。一般の消費者から見れば大根は大根ですけど、野菜を作るプロからすると加工適正が野菜にもあって、ツマに加工する大根を作っているお客様の場合、パリッとしていないといけませんから固い大根が良いですよね。もし煮物用大根の品種を入れてしまうと水分が多すぎて加工した時にクタッとなってしまいます。だから私達にとって大根はただの大根じゃないのです。
それに加えて時期によっても品種が変わるので、通年で同じ作物を作っている方には春はこの品種、秋はこの品種、といった感じで品種の提案をしていきます。また、その品種に合わせて使う農薬や資材、栽培方法も変わります。農薬も同じ物をずっと使い続けると野菜や虫にも耐性が付いて徐々に効かなくなるので組み合わせを変えていきます。農薬も野菜ごとに使えるものと使えないものが国の基準で決まっているので、そのローテーションを変えていきます。
要するに「種に全てを合わせていく」のですね。種の能力が8割位で、残りの2割が資材の能力。人間だって、走るのが早い人が陸上選手になって、強化選手になってコーチが付いて、更に早く走れるようになりますよね。種も同じで、種の能力や特性に合わせた栽培をした方がより品質の高い物が出来るのです。

種から食を変えていく

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「この症状が出ているなら、今のうちに薬を振った方が良いのではないでしょうか」とか「ここは、薬を振るのではなく、むしろ一棟全部収穫せずに、耕しなおしてしまったほうが良いのではないでしょうか」とか、私達はその都度いろんな判断を農家さんと一緒にしています。だから当社のお客様が『ガイアの夜明け』や『満天青空レストラン』などに出演されると、当然ながら社員自身の名前は出ないのですが、それでもお客様と一緒に作物づくりのお手伝いをさせていただいている自分が褒められたような気がしてすごく嬉しいし、そういう事が社員のモチベーションになっています。美味しさが世の中に認めてもらえる、それでお客様の売上げが増えれば、また作付面積が増え自分にも種の注文が来て「農薬どうしようかな」とか「品質をもっと上げたいんだ」など相談されることが嬉しいみたいですね。
あとは世の中にまだ出ていない品種の野菜を食べることが出来ます。私達は農家さんと一緒に畑で一足先に試験栽培をしていて、それが世の中に出るってなった時はやっぱりすごく嬉しいし、例えばそれが百貨店さんやレストランチェーンさんなどに導入されるのが決まった時には「あそこのサラダバーのレタスの品種を変えたのはお客様と自分だ」みたいな(笑)。誰も分からないですけど、「種から食を変えていくんだ」っていう事にやりがいを感じる社員が多いですね。食べる事って誰にとっても必要なので、そういう仕事に魅力を感じてこの業界に入ってきてくれる若い子が増えるといいなと思います。
また、若い方で「農業に貢献したい」と考えている方がいれば、「農業界のどこで何をやりたいのか」と言う事を必ずお話しています。株式会社等に所属して利益を追求していく農業をやりたいのか、環境を守りたくてNPOやNGOに所属して社会貢献活動に力を入れていきたいのか、どういった方向から農業に携わりたいと考えているのかによって行くべき所が変わってきますので。もしそこで選択を間違うとすごくやる気があっても「こんなはずじゃなかったのに」ってなってしまいますから、そういった部分をしっかり伝えるようにしています。

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