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【The TOP ~社長の仕事~】

社長って普段どんな仕事しているの?

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小松水産株式会社 代表取締役

こまつ のぶかつ

小松 伸克さん

46歳・茨城県立太田第一高等学校~日本大学出身

すずき けんた

鈴木 健太さん

34歳・獨協高等学校~日本大学出身

  • 2016年
  • 2次産業
  • 男性
  • 茨城県北
  • 製造業

クオリティと安心・安全が強み

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主力商品はしらす、その他にも干物や塩辛など水産物の加工・販売を行っています。特に久慈浜で水揚げされた地場のものを活かしていくことに重きを置いてやっています。それに加えて、2007年にはタイにも進出。安さではなく、タイの漁港で水揚げされたきれいな魚を、僕らの技術でより良いものにしていきたいという想いで、現在2つの会社を運営しております。僕らの強みはクオリティと安心・安全です。量販店さんにお安く販売するというよりは、学校給食や産業給食に使われたり、食品メーカーさんの材料として使照って頂いていて、例えばふりかけに入っていたりしますね。

製品のクオリティに意識を向けはじめたのは12年ほど前から。自分の子どもが生まれた時に、その子のためだけに無添加ですごく美味しいしらすを作ったんですよ。その日久慈浜で水揚げされた中で一番良いしらすに超高級な塩を使って作ったんですね。ただ、しらすって少量だけ作ろうとしても100キロとか出来てしまうので、食べきれない分はご近所さんに配っていたんですけど、よくよく考えたらそれっておかしいなと思って。自分や家族、ごく近しい近所の人だけが無添加で美味しいしらすを食べられて、一般のお金を払っているお客様は普通のしらすを食べている、それっておかしいなと思って、この時から製品のクオリティに対する考え方が変わりました。

しらす加工には大きさとかとか、塩加減といった加工度の基準があります。加工メーカーにもよりますが、魚ってしょっぱくしたり甘くしたり白くしたり、今の技術と調味料を駆使すればある程度加工が出来てしまうので、すごく品質の良いものも作れれば、安く作ることも出来るんです。その中で僕らはしらすの大きさを徹底して揃えたり検分値を1%前後で統一するなど安心安全に力を入れ、「我が子に安心して食べさせることのできる商品づくり」をモットーにやってまいりました。そうして取組んできて、徐々に子ども達の給食や品質にシビアな目を持っているメーカーさんにも起用されるようになりました。健康に良くて美味しい魚ですから、今は世界的にしらすのネームバリューがもっと上がってきたらいいなという想いでやっています。

大手が出来ないビジネス、この先まだまだ伸びる

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しらすって実はすごいんです。築地市場でマグロの次に単品商材での売上げが高くて、年間100億円を超ええるので、業界では“一番でかくて一番小さい魚”とも言われています。このように非常に売れている商品にもかかわらず大手会社がないんですよ。つまり大手が出来ないビジネスということで、この先まだまだ伸びることが出来ると思っています。ただ、あまりにも自然に左右されるのでそれが問題ですね。水揚げが多い時期はどうしても残業になってしまうし、風が強くて船が出ないと仕事がない。それでも一旦水揚げされたら、鱗がない生しらすは放っておくと2~3時間で溶けてしまうので、すぐにボイルする必要があります。そして、年間300トン400トンと作っていると時には既存のマーケットには合わない製品が出来ることもあり、その時は急きょその製品を必要とするマーケットを探す事もあります。漁師さんが命がけで一生懸命に取ってきたしらすを僕らが無駄にするわけにはいかないですからね。

1人ひとりが活躍できる場を整えていく

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社員には本当に、1人ひとりに対して感謝しています。ずっと右肩上がりの経営だった時に東日本大震災で大打撃を受けて、社員も1人亡くしてしまって。その後も、商品がいきなり売れなくなったり、信頼していた人と決別する事があったり、周囲からいろいろと言われたり…本当にいろんな事がありました。そんな中でもこうして残ってきてくれた方がいて、お陰様で困難な時期を乗り越える事が出来ました。なので、これからは“人を生かす経営”をしていきたいです。これまでは大概の事を僕1人でやって来たんですよね、物作りからセールスから、海外の部分とかも全部。「すげーパワーだな」って言われることもあったんですけど、ここまで来るともう1人のパワーじゃ対応しきれなくなってきました。だから何億人といる中から御縁あって入社頂いた人を活かして、1人ひとりが活躍できる場を整えていくことがこれからの僕の仕事かなって思っています。また、社員同士がお互いに本気で向きあえる関係を築いていきたいです。もちろん、当社にもクールでいつもビジネスライクな子もいます。でもその方々との縁を持ったのも自分でしょって。入社して頂いた事に本人の責任もあると思いますけども、何かしらの御縁を頂いたら僕はそれを活かしていかなきゃいけないと思っています。だから1人1人をしっかり見て、出来る限り声をかけて、その人の良い所を見るように心がけています。

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