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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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介護福祉士

とくのう としあき

得能 敏彰さん

23歳・高萩高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.1
  • 介護福祉士
  • 男性
  • 福祉
  • 茨城県央

その人の生きがいを一緒に見つけたい。

祖母が介護をしている手助けができればいいな

高校時代は、教員になろうと思って勉強していました。高校2年生の頃、母方の祖父が寝たきりのような状態になってしまい、祖母が介護をしていたんです。祖母が介護する姿を見て「大変だな、何か自分にできることはないかな」と思ったんです。祖母を手助けできればいいなと思い、介護の道に進むことに決めました。それに、これからの少子高齢化時代には必要不可欠かなと思って。子どもよりも高齢者が増えていく時代ですからね。そこで、千葉県にある学校の介護福祉学科というところで勉強をしました。

細かな報告が必要になります

介護福祉士の仕事というのは、日常生活の援助、手助けをすることです。在宅での仕事になると、家事もやらないといけませんが、この施設での仕事は、部分的に食事・トイレの介助をしたり、おむつの交換をしたりします。「特にこれを」ということではなく、生活全般についての援助、手助けです。

私の働いている施設では、朝7時から仕事の始まる早番、通常の業務である日勤、朝10時からの遅番、そして午後4時から始まる夜勤の4交代制で働いています。シフト制で、日勤・遅番・早番・夜勤が不規則に入っているので、生活に波がありますね。

ここの施設では80人ほどの方に利用していただいていますが、介護の必要な60人ほどの利用者を、12、3人の職員で介護をしています。夜勤の場合は、おむつ交換の必要な方の介護を3人交代で行っています。交代が多いので、その都度の交替で引き継ぎをする「申し送り」が大切です。発熱のあった方の体温や、体調が悪かった方がどのような症状を訴えているかなど細かな報告が必要になります。

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利用者の体調管理や介助の管理、スケジュールなどを綿密に立てることや、職員間の申し送りなどの情報交換は欠かせません。

学校で習ったことと施設でのやり方は違っていました

学校では介護の基本的な事を学んできました。でも、体の起こし方の練習にしても、友達同士や先生方と行いますから、実際の利用者の介護とは全く違います。学校で練習する時も利用者になりきるんですけど、やっぱり介護しやすいように動いてしまいますからね。実際の利用者だと、拒否したり動かなかったりするので、体の起こし方ひとつでも、とても大変なんです。シーツ交換にしてもいろいろなやり方があって、学校で習ったことと、ここの施設で決まっているやり方は違っていました。ですから、学校で学んできたことに加え、実際現場で働くことで、先輩から新しく教わることがたくさんありますね。

日々の観察があるから気がつける

介護をする時に一番気をつけていることは、けがですね。利用者をベッドから車いすに移させるにしても、落としたり、どこかにぶつけたりしてしまうと、すぐにあざや皮むけができてしまうんです。高齢者は皮膚がとても弱いので、けががないように気をつけています。ゆっくり作業をするのも困りますけど、丁寧に素早くというのが難しいんです。

最近は、利用者の動き方や好き嫌いなどの特徴が分かってきたので、その人に合った介助の仕方がつかめてきました。体調不良を直接言わない人もいるので、顔が赤くなっているなど気がついた時には熱を測るなどしています。日々の観察が重要で、顔色や食事摂取量など、元気な時を知っていないと、ちょっとした変化に気づくことができませんからね。なかなか難しいんですけど、1つのことだけでなく、視野を広くして広く深く一人ひとりを見ていないといけないんです。

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利用者の健康状態やどんな介助をしたかを事細かに記してあるノートと、いざという時の携帯電話は肌身離さず持ち歩きます。

月日を重ねていくごとにできるようになればいい

私にとって、介護福祉士の仕事というのは、生活の向上を導いていくことです。例えば、これまで一人でご飯が食べられなかった方が、自分で食べられるようになったり、自分でトイレに行けるようになったりするなど、私たちのサポートによって生活が改善されていくのです。

本当は元気なことが一番良いことなんですけど、ここに来ることによって利用者の状態が少しでもよくなってくれればと思っています。この仕事をしていて、喜びとやりがいを感じる瞬間です。少しずつ訓練して、月日を重ねていくごとにゆっくりできるようになればいいですよね。

みなさん高齢者ですから、認知症という病気もあり、いろいろ忘れてしまうこともあります。名札が付いているから、これを見て名前を呼ぶ方もいますが、利用者に私の名前を呼んでもらえるとすごく嬉しいです。

でも、私が利用者の名前をなかなか覚えられなかったのは一番困りましたね。全員の顔と名前を覚えるのに3カ月ぐらいかかりました。介助をする際に、名前で呼びかける時や、食事の配膳の時は困ります。食事は、流動食やアレルギー用の食事など、その方に合った食事ですので、間違えてしまったら大変なことになりかねないんです。

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利用者との信頼関係が築けてこそ、介護福祉士のスタート。

言われたことはすぐにやる

介護の仕事は、職場の人との人間関係がとても大切な仕事だと思います。実際、入社した頃は、ウマが合う、合わないということでとても苦労した時期もありました。職員同士がうまくいっていないと、連絡漏れなど、利用者の介助に支障をきたす可能性があります。仕事を行う上では、話し合い一つをとっても、職員同士の人間関係から築き上げないと始まらないですよね。

職員同士の信頼関係も大切ですが、利用者との関係も大事ですね。介護を嫌がって叩いたりする利用者も中にはいますが、叩かれても何されても忍耐です。多少イライラしても、顔に出さないように常に笑顔でいます。やっぱり、こういうところで働くには笑顔が大事ですね。怖い顔で仕事していては、利用者はますます離れてしまいますから。

「その人の生きがいを一緒に見つけたい」そう思っていつも仕事をしています。だから、相手の要望をできるだけ聞くように心がけています。散歩に行きたいと言われたら、近くのコンビにまで一緒に行くとか、できる範囲のことなら、望まれていることを叶えるようにしています。小さなことしかできませんが、それで少しでも元気になってくれればいいですよね。

仕事をしているとあまり考えている余裕がないのですが、「言われたことはすぐにやる、やってあげる」ことを大切にしています。頼まれたことを後回しにしないで、すぐにやれば、その人も安心できると思うけど、なかなかやってあげられないと、この人が来てもやってくれないなと思われて嫌われてしまったりします。そうすると、意思疎通がうまくいかず、こちらもぎくしゃくしてしまってやりにくくなってしまいます。だから、誰からも「得能さんだったら大丈夫」と思ってもらえるような介護士を目指したいです。