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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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DTPデザイナー

いせかめ こうし

伊勢亀 甲志さん

25歳・茨城東高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.1
  • DTPデザイナー
  • 広告
  • 男性
  • 茨城県央

仕事がハードでも自分のためになると必死にしがみついていました。

小さい頃から決まっていた

小学生の頃から、図工や技術の授業が好きでした。イラストや細かい絵を描いたり、何でもモノを作ることが得意で、今思えば色々な賞をもらっていましたね。その頃から「自分には美術系の能力があるんだな」と漠然と思っていたのかもしれません。高校生になって、いざ自分の将来どうするか進路について考えた時、イラストの専門学校に進むことに何の迷いも感じませんでした。就職活動をした時も、自分はこの道で行くと決めていましたね。

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高校では、バレーボール部と掛け持って応援団にも所属し、野球部が甲子園に出場した時には応援に駆けつけました。

地味な作業の繰り返し

何でもそうだと思うんですが、嫌いなことって続けていくことができませんよね。デザイナーという仕事も好きっていう気持ちがないと続きません。

おそらく、この仕事に対して、華やかというか、良いイメージを持っている人が多いと思います。でも、実際は細かいものを組み立てる地味な作業の繰り返しなんです。5cm×5cmぐらいの広告の枠でも、もっと大きな枠でも掲載する情報量は同じで、パズルを組み立てるような細かい作業や、文字を流す(文字を枠の中に挿入すること)だけの仕事、写真を羅列するだけの仕事もあります。どんな仕事でも「やりたくない、つまらない」と感じてしまうことはあると思います。でも社会人として仕事を任されている以上、きちんとこなしていかなくてはならないと思うんですよね。

地味とはいえ、デザインを依頼してくるお客さんは毎回違い、要望やイメージもさまざま。例えばそのお店や商品のコンセプトに合わせてデザインも変わってきて、同じ作業の繰り返しでも同じデザインが生まれることはないんです。

その時「一番良いもの」を

一度転職をしていて、今の会社は2社目です。前の会社が自分のデザイナーとしてのスタート地点で、初めてこの仕事を経験しました。

その頃から一貫しているのが、自分が納得のいくまで創り上げて作品を出すということ。会社を信頼して仕事を任せてくれたお客さんに対して、自分が納得していないものを妥協して出したくないし、いつもその時、「一番良いもの」を創ることを心がけています。社会の中にいる以上、お客さんから仕事を任されていることに対する責任感や、仕事をしっかりこなさなければいけないというプレッシャーを常に感じながら仕事をしています。

今の仕事は、情報誌を作ることや、ショップのカードをデザインすることです。忙しい時には、多くて1日5~6本ぐらいの広告デザインを受け持っています。さまざまな依頼の仕事をこなすには、柔軟性が必要ですね。自分が創ったデザインに固執して、「このデザインのほうが良いのに」と思ってしまたら、やりづらいかもしれません。自分のデザインをダメだと言われたらちょっとヘコみますが、お客さんによって臨機応変に、それぞれの持つイメージに近づけていきます。

仕事をしていて嬉しいのは、創ったものにお客さんからOKをもらって、印刷されたものがたくさんの人の手に渡った時。その瞬間、自分は社会の一員なんだなと実感できます。一人前だって思えるまでにはまだ時間や様々な経験が必要ですけどね。

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お客さんから写真などを現物で渡されたりすることもあるので、画像を取り込んで加工するために、スキャナーはなくてはなりません。

この仕事はイメージより結構きつい...

仕事をしていて辛いなと感じるのは勤務時間ですね。前の会社は締め切り前には特に残業が増えて、家に帰るのもかなり遅い時間になっていました。自分に精神的・体力的に余裕があれば違うのかもしれないけれど、そういう日が続いていたので正直辛かったです。耐えられず、辞めてしまう人もいました。デザイナーの仕事はイメージよりも結構きつくて、入れ替わりが激しい職種なんだと思います。そう考えると、体力も大切ですね。体調管理をしっかりして健康を保つ必要もありますね。

常に新しいものを吸収

自分の調子によってアイディアが浮かんだり、浮かばなかったり、どうしても波があります。小さい広告を作るのに2~3時間かかることも。イメージがわかなくなることが一番怖いので、他の人の意見を聞いたり、作品を見たり、新しいものを常に吸収するようにしています。それでも仕事に行き詰まった時は、パソコンの前から離れていろいろなところに出かけています。美術館に行ったり、温泉に行ったりとかね。

今、自分のスタート地点で創ったものを見ると、その時の自分には、それが一番の出来だったけど、しばらく時間が経ってから見直してみると、もっとこうすればよかったとか、いろいろ直したいところが見えてきて、自分が成長してきた証を感じます。

デザインする力は人生そのもの、憧れやマネがやがてオリジナルになる

デザイナーの仕事は自分のセンスを活かせる仕事だと思うんです。デザインするという力は、自分の周りにある全てのものから影響を受けている『人生』そのものっていう気がします。自分がこれまで見たもの・聞いたもの・感じたもの全てが自分の感性に響いて形となって表現される。この色を選んだ、こういうイメージにしたっていうのは、これまで自分の人生経験の中から生まれ出たものだと思うんです。

もし、絵を描くことや物を作ることが不得意でも、きっと自分のセンスって活かせると思います。憧れを見つけることや、最初は何かのマネから始めてもいい。そうして作りあげていくものが、やがて自分のオリジナルになっていくんだと思います。

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カラーチャートは、作品の色バランスを考えるためには欠かせないアイテム。いつも参考にして、レイアウトを考えています。

自分を育ててくれた会社に感謝

学生時代は、筆を使ってイラストを描くことを勉強していたので、パソコンを使ってのデザインは、以前勤めていた会社で初めて経験しました。デザイナーの仕事って、マッキントッシュのイラストレーターとフォトショップを使う技術がないと、ほとんど採用がないので、一から育ててもらえた自分は本当にラッキーでした。本当にゼロからのスタートで、筆なら簡単に描けるちょっとした曲線すら描けず、仕事をしながら覚えるという感じでしたね。締め切り前は残業が増えて、正直すごくきつくて、辞めようと思ったこともあります。でも、どんなに仕事がハードでも、自分のためになると思って、必死にしがみついていましたね。

デザイナーとして未経験だった自分を採用し、丁寧に根気強く、ここまで育ててくれ、この職種で生きていく力をつけてくれた前の会社には本当に感謝しています。

さらに、現在の会社で、仕事の環境にも恵まれて、さまざまな経験を通じて日々勉強させてもらっています。