しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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パティシエ

きくち かおる

菊池 薫さん

19歳・大成女子高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.1
  • パティシエ
  • 女性
  • 茨城県央
  • 飲食サービス

自分のやりたいことをやらないで辞めるのは悔しい。

「自分のやりたいことを仕事にしたい」と思って決めた

小学校低学年の頃から、母がお菓子を作るのを手伝っていて、だんだん「作るのって面白いな」と興味がわくようになりました。

高校で進路を決める時、パティシエという職業は、お給料が低くて、労働時間も定まっていないという不安定なイメージがあったので、とても悩みました。でも、「自分のやりたいことを仕事にしたい」と思って決めたのが一番大きかったです。最初は親にも反対されましたが、「お菓子の専門学校に行けないんだったらフリーターでいいよ」と言ったら、親も納得してくれました。

私は、人を喜ばせたり、何かを作って完成させたりするのが結構好きなので、この仕事にはかなりやりがいを感じています。今は1年目なので、先輩の作業のサポートが多いですが、何でも、仕事を与えられたり、任されたりすることが一番嬉しいですね。

日光を浴びない生活です

働く時間は、基本的には朝の7時から18時ぐらいですが、それだと仕事が終わらないので、私は朝5時半前には出勤しています。それは、今が忙しい時期だからとかではなく、年間を通してそうです。仕事が終わる時間も、夏場は夕方には終わりもしますが、冬場は17時、18時、遅くて22時になることもあります。クリスマス前になると帰りが日を越えてしまったりもします。10月後半になると日光を浴びない生活ですし、冬は朝が寒くて辛いです。

睡眠時間は日によって違うんですけど、だいたい4~5時間くらいで、休日は月に6日間あります。連休の取れない月もありますが、シフトを決めているシェフやマネージャーに言えば取らせていただけます。

仕事は、役割が結構細かく決まっていて、オーブン担当の人、生地を仕込む人、ムースを仕込む人など、それぞれ決まっています。私は、今は卵割り担当です。卵は1日に平均500~600個、多い時は800個~1000個ぐらい割っていると思います。

先輩の作業を気にしながら、必要最小限のものしかテーブルに出さないようにして作業します。上の人たちはみんな作業が奇麗で、テーブルも片付いていて、いつも感心しますね。

「これはこうしちゃダメなんだから、次はやるなよ。」

私はわりと失敗が多いのですが、失敗することで怒られはしないんです。前に一度教わったことでまたミスをしたら怒られますけど、分からなくてやったことだったらみんな怒りません。「これはこうしちゃダメなんだから、次はやるなよ」という感じで教えてくれます。「次、やらなければいい」という考えの人たちが大勢いて、みんなとても優しいです。

職場の雰囲気も良く、「これが分からないので教えてください」という時も、自分の作業をやりつつ教えなきゃいけないのに、みんなすごく丁寧に教えてくれます。シェフの次に偉いシェフはスーシェフというんですけど、スーシェフも話をしてくれたり、悩みも聞いてくれたり、先輩との仲も良いです。何か教えてもらったら、複雑なことはメモ用紙にパッと書くようにして、簡単なことは覚えておいて、家でメモしています。

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職場の仲間は厳しい中でも優しく教えてくれる人で溢れている。

作業する場所を自分で何とか見つけ出さなきゃいけない

研修は、お店に入る前に3日間だけありました。私は12月の23、24、25日のクリスマスに研修をしたので忙しかったです。朝は5時半に起きて、終わるのは23時くらいで、ずっとイチゴのカットをしていました。時間的にはすごく長く感じたんですけど、3日間はあっという間でした。

専門学校と一番違うなと思ったのはまず、自分の作業する場所を自分で何とか見つけ出さなきゃいけないということです。学生の頃は、テーブルはまるまる一つ使えて、場所もいろいろあってという感じですが、研修はクリスマスの時期で、作業している人も大勢いたので、何とか自分で作業する場所を見つけなくてはいけませんでした。また、学校とは違って、自分の作ったものがそのまま、お客様に提供するものになってしまうので、衛生面もかなり気を使いました。

学校ではみんなで話し合って作っていましたが、こういう場だと自分で考えて仕事をするので、この3日間で自分ひとりの責任というのを大きく感じましたね。

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果物やお菓子をカットするには欠かせない。イチゴを1日に1000個もカットすると愛着が湧きます。

お客様が喜んでいる姿を見た

この仕事に就いて最初の3~4ヵ月くらい、販売の仕事をやらなくてはいけなかったんです。自分は製造がやりたくて入ったので、途中、辞めたいなと思ったこともありましたが、最終的に自分のやりたいことをやらないで辞めるのは悔しいと思ったので、今まで頑張ってきました。

販売での経験をしたからこそ、「製品がお客様の手に渡る」ということが、どういうことか、きちんと分かりました。お客様に喜んでもらえると嬉しいし、接客ひとつで態度も変わるので、お客様にどうしたら喜んでもらえるか考えながら接客しました。逆に、対応の難しさも感じました。お客様が私の話し方が気に入らなかったみたいで、怒られて泣いた経験もあります。

今は、製造にいますが、厨房にいるとお客さまの喜ぶ声がなかなか聞こえてきません。なので、販売をしたという経験で、お客様が喜んでいる姿を見たことは、自分にとって大きかったです。製造と接客って、直接関係ないように見えますが、実はつながっているんです。

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お客様に喜んでもらえるように、細かな作業も一つ一つ心を込めて丁寧に作り上げます。

いつか、細工物をやりたい

今は、決められた仕事を最低限きちんとやり、自分の仕事を覚えることが大切だと思っています。私は、飴細工やマジパンなどの細工物が結構好きなんです。だから、お客様から細工物の予約が入ると、手伝わせてもらいます。まだデザインが決まっているものしか作れないんですが、いつか自分の手で細工物をやりたいと思い、仕事が終わってから、練習したり試作したりしています。

私は、「最初は雑務的なことしかできないのかな?そういうことをやらされるのかな?」と思ってこのお店に入りました。例えば、飴細工の機械は高価なので、若い人にはやらせてくれないだろうと思っていました。でも、何でもやらせてくれたり、仕事も任せてもらえたりすることが多いので、辛いこともありますが、楽しいことのほうが多いです。そういう意味でも、ここは私にとって最高の職場です。

この仕事は、やる気とあいさつができれば、乗り越えられます。毎日が修行で、辛いこともあるけど最高です。他にこんな職はないんじゃないかってくらい、大好きです。