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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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スイミングインストラクター

のぶ あづさ

延 あづささん

21歳・大成女子高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.1
  • スイミングインストラクター
  • 女性
  • 教育・学習支援

「コーチ」って呼ばれると、どんなに辛くても頑張れるんです。

小学生の頃からの夢

自分で「やりたい」と言って、3歳から水泳を始めました。中・高・短大では水泳部に所属し、ばりばり泳いでいましたよ。短大の時は、関東大会で8位になったんです。学生時代は水泳一色の生活でしたね。在学中に水泳のアシスタント免許・競技役員免許の2つの資格を取っていたので、将来は、小学生の頃からの夢、水泳のコーチになろうと一直線でした。

水泳コーチって水泳を教えるだけだと思っていたのですが、実際に働いてみると、やはりイメージと違うことがわかりました。事務作業もあるし、スクールで行うイベントの企画から実施まで、半年くらいかけて一人でこなすなど、見えない作業がたくさんあったんです。事務作業はレッスンの後こなすので、勤務時間外まで延びることは日常茶飯事です。それ以外にも、その日その日のプログラムで毎回同じことをやらないように、生徒さんの進度に合わせて、アレンジも行います。

一番成長したのは一人で仕事を任されてから

教えてもらう立場から教える立場に替わり、やること全てが新しく、教えることが好きだということにも気づけたので、とにかく仕事が面白く感じました。小さな子どもの生徒さんたちの身体的な成長や、泳げなかった生徒さんが少しずつ泳げるようになったり、そういう成長を見ることができるのも、とても楽しいんですよ。子どもたちと接して、子どもたちになつかれて頼りにされる。子どもが大好きなので、この仕事に就いてよかったなと実感するんです。子どもたちが慕ってくれると、そのお母さんたちも信頼してくれますし、その期待に応えたいと思いますね。

しかし、教えることの難しさを感じ、戸惑うこともありました。自分は今まで泳げないという経験がなかったので、泳げない人の気持ちが全く分からなかったんです。1+1=2という簡単な式が分からない人に、その式の意味を教えるのって、とても難しいじゃないですか。それと同じで、自分が当然のように思っていたことを教えることは、難しいことなんです。人を相手にする仕事は、自分の思っていた通りの流れにはならないって実感しましたね。

入社して8カ月は、16年ぐらい働いているベテランのコーチについて、見よう見まねで働いていたのですが、その方が辞めてしまったんです。それからは、レッスンを一人で担当するようになりました。大変だったけど、ここから自分は変わったと思うんです。一人で教え始めてからは、ベテランのコーチの指導方法を活かしつつ、自分なりの指導方法を見つけることができたんですよ。水を嫌いにならないように、安心して自分に身を任せてくれるまでは、無理矢理水に入れないで、不安を取り除いてから水に入るようにしたり。そうじゃないと水を好きになれないですからね。一人で仕事を任されることって、人にとって、とても成長できる絶好のチャンスだと思います。

子どもたちからパワーをもらえる

社会人になるまでパソコンを使う経験があまりなかったので、事務作業は大変でしたね。なんとか作り上げた書類を、知らないうちに直されていたことがあるんです。間違いを教えてもらえないと自分の成長にもならないし、悔しかったですね。会社の中で、意思疎通をもっと図らなくてはいけないなと思いました。あとはやはり、頑張った時は声をかけてもらいたいですよね。「コーチとして教え方がうまくなったね」とか、「書類よくなったね」とか。頑張ったことに気づいてもらえるとモチベーションもぐんと上がります。

「仲が良いだけでは仕事はできない」と、上司が言っていました。確かに仲が良いことはいいと思いますけど、それが仕事にまで影響して支障が出たり、人間関係で問題が発生したりというのは、幼稚だと思いますね。どこの会社でもあると思いますが、私も人間関係で悩んで仕事を辞めたいと思ったことは何度かあります。でも、やっぱり辞められないんです。子どもたちに会って「コーチ」って呼ばれると、自分はここでやらなくてはって思い直すんですよ。責任もありますし、子どもたちと水泳がやはり大好きなので。嫌なことがあっても、子どもたちと接するとそれを乗り越えられるくらいのパワーをもらえるんです。だから、常に頑張っていけるんですよ。

また、子どもたち以外にも、元気をもらえる仲間の存在はとても大切だと思います。学生時代の水泳部の友達や、スイミングスクールの友達は、今でも大切な友達です。同期の仲間にも、とても救われていますし、職場の悩みは、同僚に相談したほうが、自分も相手も分かりやすいですからね。もし、自分のことを理解してくれる人がいなかったら、すごく辛いと思います。

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子どもと一緒に楽しいレッスン中。彼女の表情からは、子どものことがどんなに好きなのか伝わってきます。

命に関わることもある仕事

運動が好きな人、人と関わるのが好きな人、子どもが好きな人は、この仕事に向いているのではないでしょうか。ただ、体力的にきつい仕事なので、体力がないと続けるのは難しいかもしれません。また、幅広い年齢層の人たちと接するので、生徒さんに合った対応の仕方や言葉遣いも必要です。赤ちゃんや2歳ぐらいまでの子どもたちには、言葉が通じないので、コミュニケーションを取る前に、相手を理解することからスタートします。そういう、生徒に合わせた対応ができないと厳しいかもしれません。

また、命に関わることもある仕事ですから、生徒さんの体調やけがには十分に気をつけていますね。自分しか生徒さんの変化に気づける人はいないので、常に意識しています。例えば、子どもの場合、プールサイドで走って転ぶと危ないので走らないように注意したり、ご年配の方の場合は、どうしてもここまで泳ぐという目標を自分の中で作って頑張りすぎてしまうことがあるので、適度に休みを取ってもらったりしているんです。生徒さんに水泳を教えることだけではなく、こうした気配りや、言葉遣いなどには常に気をつけていますね。

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おおらかな雰囲気からは想像もできないくらいの精神力と体力を兼ね備えている延さん。

水泳のコーチは一番自分に向いている

実は、普通の職業に就いてみたい気持ちもあるんですよ。お化粧できますし(笑)。この仕事だと、プールに入るので、お化粧しても落ちてしまい、仕事の日にはできません。プライベートの日しかお化粧はできないので、メイクアップして身支度を整えて仕事に行くっていうスタイルには少し憧れますね。

でも、自分の好きな仕事に就くことができるというのは、とてもいいことだと思いました。この仕事以外に就いたことがないので、他の仕事のことはわからないのですが、自分はこの仕事が好きですし、一番向いていると思えるくらいやりがいを感じていますので、これからも頑張りたいと思っています。

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これがなくては始まらない。水泳歴18年。似合わないはずがない仕事の必須アイテム。