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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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ものづくり

かきぬま けいじ

柿沼 敬二さん

22歳・古河第一高等学校出身

  • 2次産業
  • Border Vol.2
  • ものづくり
  • 男性
  • 茨城県西
  • 製造業

辞めたいと思ったことはない。つらいこともあるけれど、「つらい=辞めたい」ではないから

就職の道へ

高校生の頃は、3年間サッカー部に所属していました。県でベスト4に入る実績を残すくらい部活に力を入れていましたね。だから、進路選択の時は、大学へ進学してサッカーを続けようと考えていました。ただ、その頃に怪我してしまったことがきっかけで、大学への進学はあきらめました。サッカー以外に大学に行く目的も無かったし、親にお金を出してもらうのも悪いので、それなら早く社会に出て働こうと考えました。

今の会社に入ろうと思ったのは、地元にある身近な会社だったことと、実際に働いている近所の方に話を聞いて、安定している会社だと聞いたからです。この仕事がやりたいとか好きとかということではなかったですね。就職を決めてからは早く社会人になりたいと思っていましたが、実際働いてみると高校の時のほうが楽といえば楽だったかな(笑)

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高校時代はサッカー部に所属していました。部活で身に付けた体力と礼儀は社会人になっても役立っています。向かって左が私です。

ゼロからのスタート

入社してから、今年で4年目になります。仕事は、日勤と夜勤の2交替制で、日勤は朝の8時から夕方の5時まで、夜勤は夕方6時から朝の3時までで、一週間毎に日勤と夜勤が入れ替わるシフトで勤務しています。基本的な勤務時間以外にも、生産数によって勤務時間が変わる変則勤務もあります。

ここでは主に、車に搭載されている燃料供給部品を生産しています。仕事はライン作業で自分の所に流れてきた部品を検査し、次の人が待つラインに流します。この他にも、部品を流す機械のオペレーションや調整もしています。製造工程の中では絶対にしてはいけないことや、見落としてはいけないポイントがいくつもあるので、不良品かどうかを見極める目視には、特に注意を払うようにしています。

入社したての頃は、どこに注視して確認すれば良いのか、機械の操作の仕方も何も分かりませんでした。その操作を覚えた時や、できなかったことができるようになった時に、この仕事の面白さを感じるようになりました。初めのうちは先輩が教えてくれることもありますが、分からないことは自分から聞きに行かないと分からないままになってしまうこともあるし、ただ待っているのではなく、自分から聞いて覚えるようにしていました。

今は自分の仕事は一人でこなせるようになりました。そうなるまで2年ぐらいはかかりましたね。今思えば、覚えることがたくさんあったのですが、一つひとつ覚えていく積み重ねで、いつの間にか仕事を覚えていたんだと思います。

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目が悪いわけではなく、仕事中は、けが防止のために必ずメガネをかて作業をしています。

何よりも礼儀

入社4年目になると、先輩もいれば後輩もできて、様々な年齢の方と接するようになります。サッカー部に所属していたので、先輩や目上の人に対する礼儀は身に付いていたのですが、付き合う方達の年齢層が広がったことによって、いろいろな人に対する礼儀が身に付いたと思います。最低限、人にあいさつをするということがきちんとできていれば問題ないとは思いますが、職場では仕事とそうでない時オンとオフしっかりして、仕事の時はその時なりの接し方をするようにしています。仲の良い先輩でも、教えてもらう時は「どうやってやるんですか?」、その後きちんと「ありがとうございました」とかね。

時々、別に自分が悪いことをしていないのに、たまたまその人の機嫌が悪くて冷たい対応を受けたりすることもあります。大きな工場でたくさんの人がいるので、やっぱり合う合わないはあるだろうし、いろいろな人がいて人それぞれなので、そこは仕事として我慢したり割り切ったりしています。

悪いものは出せない

今はほとんどないですが、昔は不良品を見落として怒られたりすることもありました。それは自分が悪いことだし、次はミスしないようにしようと気持ちを切り替えて取り組んできました。ミスをして怒られたり、立ちっぱなしの仕事で精神的にも体力的にもつらい時はあります。でも、仕事がつらいのは当たり前だと思っています。そういうことぐらいで辞めたいとも思わないし、働くことはつらさも含めて自分にとって当たり前のことです。

高校生の時までは、自分達がお金を払って、何かサービスを受けたり物を買ったりしていましたが、今はお金を貰い、作った物を提供する側として、悪いものは出せないし、お客様に対して良い物を作っていかないといけないという責任を感じています。

ライン作業なので、自分が完璧にできていても、途中の過程で不良品になってしまうこともあります。極端な話、「自分のところは最低限完璧にやる」と、一人ひとりがそう思っていれば不良品は確実に減ると思うんです。

実際、お客様に流れてしまう不良品の数は、百万個に一個あるかないかぐらいです。ただ、自分たちからすれば百万個の中の一個でも、お客様の立場にたって考えると、一個が不良品だったらそれが全てで、本当に0か1の厳しい世界なんです。例えば、自分がたまたま買ったものが、不良品だったりしたら、怒ったりしますよね。それと同じですよね。だから、自分が逆の立場になったつもりで製品を作っています。それに、自分が作った部品が国内外で生産されるほとんどの車に搭載されているので、そういうところで「俺がやったやつ」みたいな優越感と、悪いものは出せないなという責任を改めて感じたりしますしね。

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不良品は絶対流せません。細かいトコロまできちんとチェックします。製品のチェックには集中力と注意力が大切になってきます。

ずっとこの会社で働いていく

今4年目ですが、一緒に入社した同期は、一人しか辞めておらず、みんなずっと働いています。その人もここが嫌で辞めたわけではなく、自分の夢を叶えるために辞めていきました。会社全体の定着率は高く、ここ10年間に入社した社員全体で、辞めた方は一割に満たないそうです。そのほとんどが女性社員で、結婚や出産のためです。

他の会社に入社した高校の同級生の中には、人間関係がうまくいかなかったり、サービス残業が当たり前で体力的にも精神的にも本当にきつくて、せっかく入社しても辞めてしまった友達もいます。ここでは残業など忙しい時もありますが、「サービス残業は一切なし」ということで、きちんとお給料に反映されたり、福利厚生がしっかりしています。ここにいるとあまり感じなかったのですが、これから先の自分の将来を考えていける恵まれた環境で働いているんだと分かりました。

これからずっとここで働き続けていくと思うんです。安定しているし、潰れることもないと思うし、それにこれから先の目標もあります。昇給制度があって、今の自分はT-1という段階で、後一年経つとJ-2というランクになります。そこまでは2年ごとに昇給できるのですが、J-2からJ-1になるには、ものづくりをする上で必要なことを勉強して技能試験を受けて合格しなくては進めないんです。その先もずっと同じように試験をクリアして、次のステップを目指して頑張っていきます。やっぱりいけるところまでいかないとね(笑)