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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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編集者

やまぐち ゆうこ

山口 裕子さん

25歳・水戸第三高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.3
  • 女性
  • 広告
  • 編集者
  • 茨城県央

編集者は主役ではなく、黒子のような存在です。

取材者からの紹介

中学生の頃から編集者になりたかったという山口さん。夢を実現しても、そこにとどまることなく、将来までしっかりと考えている方でした。凛とした真っ直ぐな視線とかわいらしい笑顔が印象的。その話しぶりと姿勢から編集者の仕事を心から楽しんでいるということが伝わってきました。

役に立つことを身につけたい

小さい頃から雑誌や本を読むことは好きだったんですが、中でも地域の広報誌や情報誌に不思議な魅力を感じていました。市民や身近な人が登場するのがすごく好きでしたね。

具体的に編集者になりたいと思ったのは中学生のときです。どうすれば編集者になれるんだろうと考えて、雑誌を読んだりすることは多かったかもしれませんね。

高校生の頃、大学で何を学ぼうか悩んだときも、編集者になるために役に立つことを身につけたいと思って、教育学部で国語を勉強することに決めました。周りはみんな教員志望でしたから、私はちょっと珍しいタイプだったと思います(笑)。

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武道は、身が引き締まります。弓道と勉強の両立をして、楽しい高校生活を送っていました。

社会に飛び込んでしまったら仕事は楽しい

今編集をしている雑誌に出会ったのは大学生のときです。地域情報誌なのですが、在学中に創刊されて、「これだ!こういう雑誌があるなら私もやってみたい!」と思い、講義の空き時間によく読んでいましたね。大学4年生のときに今の会社に内定が出て、その後、早めに仕事に慣れるために、研修に入りました。

研修では、先輩に付いて営業や取材の仕方などの勉強や、文章の構成や書き方、取材依頼の仕方を教わりました。雑用プラス勉強みたいな日々でしたけれど、4月に入社したあとに、想像と実際の現場とのギャップは感じませんでしたね。学生時代にいろいろなアルバイトをしていて、そのときに「現実社会って、こんな沈んだ感じなのか」と感じていたんですが、就職してからは「やりたいことをやれるんだ」と思いました。学生時代は社会に対して消極的にとらえていた部分があった分、就職して良い方向に見方が変わったと思います。実際に社会に飛び込んでしまったら、イメージしていたよりも仕事はずっと楽しいですね。

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愛用している一眼レフのデジカメ。被写体をベストな状態に写したい...彼女がファインダーを覗く瞳は、いつも真剣です。

ゼロから始まったものが...

私が編集に携わっている雑誌は、書店でその雑誌に興味を持った人が買うというものではなく、無料で家庭に配られるものなので、スポンサーさんの力がかなり必要になってきます。何十万部もの雑誌を無料で発行するために、私たちは編集のほかに営業の仕事もしています。企業や小売店に飛び込みで訪問して「広告を載せてみませんか?」と交渉に行くんです。編集者だから編集だけやってればいいというわけではなく、広告の営業もしつつ、取材・編集作業も行うというのが今の仕事です。取材のときに、自分で写真を撮ったりすることもあります。

この雑誌は、広告にしても誌面の特集にしても、すべて企画から作っていくものなので、ゼロから始まったものが手に触れるものとしてできあがった瞬間にやりがいを感じます。すごく嬉しいですね。

また、取材や営業を通して、いろいろな人に会えることも面白い点です。普通の職業ではここまで会えないだろうなという企業のトップの方に会ったこともありますし、有名な方にも会いました。いろんなジャンルの幅広い方に会えるので、とっても刺激にもなりますし、勉強になりますね。

間違った情報を載せると信頼を失う

失敗もいっぱいしてきました。この仕事でやってはいけないことは誤字脱字です。1度広告の電話番号を間違えたことがあって、広告を出したお店の方に「本当にすみませんでした」と謝りに行きました。でも、お客様は大丈夫だよって言ってくださって許していただけたのでしたが、もう絶対してはいけないことだなって痛感しました。記事の校正は何回もする必要があるなと思います。締め切り間近で忙しくて精一杯のときは数字も全部同じに見えてきてしまうので、ついつい見落としてしまうんですが、やっぱり間違った情報を載せることは信頼を失ってしまうので、何度も何度もチェックします。そういう基本的なミスはしないように心掛けているんですが、それでも毎月雑誌が発刊されるたびドキドキしますね(笑)。

自分の家にも届くのですが、自分の家にはどういう形で入ってきたか、いつ入ってきたかなどをチェックします。そして読者の気持ちで読むんです。そうすると、この部分が足りなかったなとか、もう1度記事に対しても反省できるんです。

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バックナンバーや資料を見ながら、間近に控えた取材の最終チェック。いい話をたくさん聞くために、段取りは大事です。

仕事ができてるから、生活も生き生き

編集という仕事はすごく楽しいんですが、大変なことも確かです。食事するヒマがなかったり、眠れなかったりするときもありますが、私は集中してのめり込んでいくタイプなので、そういうことがあまり苦にならないですね。それよりも取材がうまくいかないことのほうが辛いです(笑)。でも辛いことがあっても、読者からの『よかったよ』という反響でうれしいものに変わりますね。以前、体調を崩したことがあったんですけれど、「早く体調を整えて仕事に復帰したい!」と考えていました。体調管理は大事にしています。

今は生活の100%が仕事になっているので、家に帰ってテレビを見ても雑誌を見ても、「これ、仕事に使えるな」とか、仕事に結び付けてしまいますね(笑)。友達には「どうしてそこまで夢中になれるのか分らない」といわれることもありますけれど、私はたぶん編集の仕事がすごく好きなんでしょうね。今の仕事をできてるから自分の生活も生き生きしているような気がします。

人をいかに引き立たせるか

編集者って主役ではないと思うんです。やっぱり裏方、黒子のような存在です。読者や誌面に出てくる人をいかに引き立たせて、面白く読んでもらえるものを作るかだと思うので、私はあくまでも陰の黒子でいたいなという感じです。そのためには文章も誌面のレイアウトも企画も、まだまだ勉強が必要だなと思っています。写真の技術も勉強中です。先輩の撮影に同行させてもらって、直々にいろいろ教えてもらっています。

すべては、仕事に生かすためで、仕事をしながらでないとこれが必要だというのは気付けないんです。だから気付いたことは即やってみようと思っています。これからは後輩がどんどん増えてきますし、5年先くらいにはきちんと指導をしながらももっといいものに仕上げられる社会人になれたらなと思っています。後輩のことも考えられる社会人になりたいです。

若い人には夢がないとかよく聞きますけれど、きっと内に秘めた「何かやりたいな」とか、ちょっと興味のあることってあると思うんです。そういうものを実際の形にするにはどうすればいいんだろうと考えながら、その思いだけでも抱き続けていけば、きっと実現すると思っています。

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今後も、面白く読んでもらえる誌面づくりを心がけていきます。私は、編集の仕事が好きだから...。

先輩上司から一言

後輩が企画案に行き詰まっているような場合は声をかけ、仕事では同じ目線に立てるよう努力をしています。この仕事は締めきりに追われるため、残業もあります。私は、誰もが心と体のバランスを保ちながら「良い状態」で働いていられるように、日頃から、社内でのコミュニケーションを大切にしています。

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