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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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店舗デザイン

かいとう のりこ

皆藤 範子さん

25歳・水戸桜ノ牧高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.3
  • 女性
  • 専門・技術サービス
  • 店舗デザイン
  • 茨城県央

働くことは、自分のこれからの人生をきちんと考える、向き合うことだと思います。

取材者からの紹介

専門学校卒業後、地方情報誌などを製作する出版社2社を経て、物や空間のデザイン・設計をする現在の会社に就職。
その雰囲気や口調からは想像もつかない、積極性と行動力を持っている。人が好き、という彼女は、これからも人脈を大切にし、仕事とプライベートを両立させていきたいと語った。

やりたいことがあるんだから...

高校生のころ、ファッション雑誌を読むのが好きで毎月3冊くらい買っていて、「ファッション誌のデザインをしてみたい」と思うようになりました。そのほかにもトリマーやパティシエなどやりたいことはたくさんあり、それぞれの専門学校に見学にも行きました。その中で、出版の仕事に一番興味があり、3年生のときに東京の専門学校に行くことを決めました。周りの友達は大学を目指す人が多かったけれど、早いうちに働こうと思い、専門学校へ行って基本を学びました。

3学期には進路が決まっていたので、残りの高校生活では資格の勉強や、バイトを始めました。バイトも、どうせやるなら興味のある分野に関係あることをしたいと思い、22歳以上で募集をしていた出版社に「将来出版の仕事に就きたいと考えているので、ぜひ働かせてください」と電話をかけました。すると面接をして採用してもらえたんです。そこで卒業までの3カ月ほど、一からマック(マッキントッシュ)を使ったデザインなどを教えてもらいました。

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高校時代は休みの日も毎日のように部活に励んでいました。ここで仲間の大切さを学びました。

やる気があるのを認めてもらえば、可能性はある

専門学校では、デザインのほか、取材活動のことも学びました。マックを初めて触る友達は操作に慣れるのに苦労していたようですが、私はバイトで基本を教わっていたので、授業にもついていくことができたし、すぐに覚えることができて、「やっていてよかったな」と思いました。

「高校を卒業したら茨城から出ていくんだ!」と思い東京の専門学校へ進学して、就職も東京でしたいと考えていました。でも、就職活動を始めてみて、「大衆向けよりも、対象を絞った地域密着型の雑誌を作るほうが面白いな」と思ったんです。

そのとき、働きたい会社が茨城にあって、でもその会社は新卒ではなく、すぐ働ける人を募集していたんです。しかも学生以上という年齢制限もあって。それでもその会社で働きたくて、何度も何度も電話をかけたんです(笑)。会社の人も「学生だから」と最初は、社長や担当の人まで電話をつないでくれないんです。「今採用はしていません」と何回も言われて、「でも今すぐ働けますので」と何回もお願いして。そしたら、社長が「とりあえず、履歴書だけ送ってくれ」と言ってくれて、履歴書に手紙を添えて送ったら面接をしてくれることになったんです。その熱意が伝わったのか、採用してもらえました。

内定をもらい、9月くらいから、インターンシップとしてアルバイトで勤め始めました。ところがその会社が、倒産してしまったんです。

今でもその会社の人とは仲良くしてるんですけれど、「あのときの電話はすごく怖かった」って言われます(笑)。あの勢いはすごかったって。でも、募集してない会社でも、やる気があるのを認めてもらえれば、採用してもらえる可能性はあるんですよね。当時はすごい行動力で、若いからできたようなところもありますけれど、やっぱりそういう突っ走る部分もないと熱意ってなかなか伝わらなかったりしますからね。

やりたい仕事だったから、苦ではなかった

その最初に勤めた会社は、企画から取材、写真撮影、文章も考えて、デザインをして入稿する、という本ができるまでの工程を全部やらせてくれて、寝る暇もないくらい忙しかったけど本当に楽しかったです。

倒産してしまった後すぐに、同じように情報誌を発行している会社に就職が決まって、その会社で2年半ほど働きました。偶然だったんですが、この会社は私が高校生のときにバイトをしていた出版社とつながりのあった会社で、本当は新卒でしか採用していなかったところを、話を聞いて、採用してもらえました。出版業界は残業が多くて大変だけど、学生時代からこの業界で働くことを頭において勉強していたし、自分のやりたい仕事だったから、それほど苦ではなかったですね。

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打ち合わせ等がない日は一日中パソコンの前にいます。慣れてしまったのかそれほど苦ではありません(笑)。

使う人が使いやすいように

今の仕事は、店舗などの空間や物のデザインです。デザインから設計、施工まですべてやっています。「お店ができたときに、こういうデザインになります」という設計図をCADソフトを使って平面図で表します。私はこの会社に入るまでCADが使えませんでしたが、入社してから参考書を片手に一から勉強しました。仕事中に勉強をさせてもらえたし、わからないところは聞けばすぐに教えてもらえたので、意外と早く覚えられました。前の仕事で使用していたイラストレーターのようなソフトは操作が似ていてつながるところもありましたし。

仕事の際は、依頼主から希望をお聞きして、使う人が使いやすいように考えて作っています。本や雑誌の編集と違って自由にデザインできるのですが、今の仕事はデザインだけでなく、「お客様がいかに使いやすい空間にするか」も重視しています。

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このような道具を使って、パソコンだけでなく実際自分の目で見、ときには手書きで図面を書きます。

人とのつながりの大切さ

社会の大変さや厳しさを通じて、人とのつながりの大切さを学びました。前に働いていた会社の人たちと今でも連絡を取って、遊んだり飲みに行ったりしているんですけれど、そのつながりで雑誌やチラシを作るフリーの仕事も紹介してもらっています。今までの会社も今の会社も、人に恵まれてたんでしょうね。仕事だけの関係じゃなく人として付き合っているという感じです。

今の会社の社長は、仕事もプライベートも大事にしている方なので、「仕事が滞らなければプライベートのほうを優先してもいいよ」と言ってくれます。私も最近趣味が増えて、仕事だけじゃなくてプライベートも大事にしたいと思っているので、それを両立させてくれる環境だから仕事も頑張ろうと思えます。

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分からないことがあれば社長が丁寧に教えてくれます。

やっぱり人が好き

正社員として働いていない時期が2年くらいあったんですけれど、そのときは不安定で、将来が漠然としていました。正社員で働いていると、何年後こうなっていたいというイメージがつかめますし、安心できます。働くことは、自分のこれからの人生をきちんと考える、向き合うことだと思います。最近は安易にフリーターになることに目を向けてしまう人がいると思うんですけれど、やりたいことがあるんだったら先延ばしにしないで、できることからやっていったほうがいいと思います。

今後の目標は、まずCADを完璧に使いこなせるようにしたいというのと、社長は以前現場で施工等をしていたので、「ここをこうしたほうがいい」とか、お客様への提案が、現場をやっていたからこそぱっと出てくるんですね。あんなふうになれたらいいなと思います。それから最近、屋外広告士という資格に合格したんです。この資格を活かして、もっと仕事の幅を増やしていけたらなと思います。その中で仕事とプライベートを両立させて、やっぱり人が好きなので、今まで築いてきた『人とのつながり』を大事にしていきたいですね。

先輩上司から一言

こういった「技術職」は、ある程度仕事の基礎を覚えてからでないと、こちらからも仕事を与えられません。だから最初は基本的なことは独学で勉強し、分からないことがあったらどんどん聞いて身に付けていくことだと思います。その勉強して身に付いたものがあるから、実践したときに教えてもらったことも、分かりやすく「経験」として身に付いてきます。そうなれるまでは、長い目で考えていますね。

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