2ch
【しごとコレクション】
自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める
ネイリスト
まつもと かおり
松本 佳織さん
22歳
- 3次産業
- Border Vol.4
- ネイリスト
- 女性
- 美容
- 茨城県央
後悔がなくてすごく前向きでいられるのは、今が一番良いと思えるから。
取材者からの紹介
ネイルスクールを卒業してネイリストに。その雰囲気や口調からは想像もつきませんが、キャンプや山登り、釣りが大好きな根っからのアウトドア派。人見知りだと話していましたが、とても人懐っこくて話しやすい方でした。人と触れ合うのが大好きなんだなと感じました。
こういうの、好きだな
ネイルアートに興味を持ったのは中学生くらいからです。マニキュアがすごく好きで、100円ショップで手頃なネイルチップや爪磨きの道具をたくさん買っていました。「こういうの、好きだな」と思い始めたのはその頃からです。
中学校を卒業した後は、美容師になりたくて東京の美容学校に進学しました。でも、環境の変化や、想像していた世界と違ったこともあって、4ヶ月くらいで辞めてしまいました。茨城に戻ってきて、いろいろなアルバイトを転々としました。どれも長く続かなくて、「これから何をしよう」って思った時に、近くにネイルのスクールがあることを知って、17歳くらいの時から通い始めました。昔からマニキュアが好きだったことが、ネイルを選んだ理由ですね。
一対一での講義
私が通っていたスクールでは、生徒と先生が一対一で講義をします。ネイルのつくり方やハンドのケアの仕方を学びます。実技と学科があって、講義を受けます。今日は学科の日、今日は実技の日という感じで、毎日来ればそれだけ卒業は早くなります。スクールのしくみは車の教習所みたいなイメージですね。実技を何回やって、この試験に受かったら次のステップに進んで...とか。上達の早さや通う頻度によって、通う期間は変わりますね。半年の人もいれば1~2年間通っている人もいます。平均的には1年ぐらいで卒業の方が多いですね。私は毎日行っていたので半年くらいで卒業しました。
スクールを卒業した後に、スクールを運営している今のお店に就職しました。
辞めたくなくなった
私は飽きっぽい性格なので、最初の数ヶ月はなかなか集中できなくて辛かったです。会社という環境や大人の中にぽつんとひとりで入ってという機会があまりなかったので、その環境になじめないことも辛かったです。先輩ネイリストに怒られたことがあって凹んだりして。ですから、最初は「辞めたい」と思っていました。
でも、ネイルサロンはお客様と一対一で接するので、お客様が顔を覚えてくれるんです。そうすると辞められなくなりました。「私の顔を覚えてくれた。嬉しい」って。アルバイトをしていた頃は工場勤務が多くて、人と触れ合う機会がほとんどなかったんです。今は、お客様と一対一で、一人のお客様にたっぷり時間をかけられるので、その間にいろいろな話をするんです。そうすると、お客様と信頼関係ができますし、私を指名してくれることもあって、辞めたくなくなりました。
想像力が必要
お客様は、「こんなネイルにしたい」というイメージを持って来店されます。店内に見本があるので、「こんな感じで」と言われることもありますが、イメージを口頭で伝えられることがほとんどです。例えば、アバウトに「かわいらしい感じで」とオーダーを受けることもあります。それをちゃんと聞いていても、私のイメージとお客様のイメージがすぐに一致しないこともあります。ネイルを作り始めてお客様の顔を見ると、イメージと違うことが表情ですぐにわかるので、その時は辛くなります。作業の途中でお客様に「そうじゃない」と言われたこともあります。そういう時はすぐに修正して、やり直します。
手元の作業なので、お客様自身も作業を見ることができるのは、この仕事のよいところです。「ここにストーンを置きたい」など、具体的な希望もわかるので、一対一で相談しながら一緒に作り上げていくような感じです。お客様のイメージと一致した時はすごく嬉しいです。
ネイリストは、言葉で伝えられたものを表現するセンスや、想像力が必要ですね。
集中しているのであっという間
一人のお客様にだいたい2時間ぐらいかかります。長い時は6時間くらいかかることもありますね。忍耐力と集中力が必要です。長時間のときでも、基本的には途中で休憩を挟むことはしないので、お客様も体力的にきついと思います。トイレには、きりがいいところで行っていただきます。でも、私は絶対に行けないですね。ネイリストが作業の途中でトイレに立ったら、お客様に失礼ですから。作業を始めたら、席をはずすことはできません。
でも、作業をすることを長くは感じないです。集中しているので、あっという間です。逆に、お客様は、両手を出した状態で動けないですから、きっと辛いですよね。時間が長くなればなるほどお客様は疲れてしまうので、時間短縮のために一人のお客様を2人のスタッフで作業することもあります。
お客様のことが知りたい
接客中はお客様のテンションに合わせるようにしています。同じお客様でも、来る時によって高いときも低いときもあります。気持ちが沈んでいるときには、必要以上に話しかけたら、会話はかみ合わないし、疲れてしまいますよね。そういうことがないようにしています。ご年配のおばあさんも来ます。おばあさんと私の世代とでは、話し方や話す内容が違いますよね。ですから、良い意味でお客様に合わせています。私もその人によって変わるんです。
お店にはいろんなお客様がいらっしゃるので、お客様に合わせて話題も変えています。なるべくその話題に合わせられるように、常にいろいろな情報をキャッチするようになりました。趣味の話が一番ですね。人って、自分が好きなものについて話をするときが一番しゃべりますよね。例えば、お客様が犬を飼っていたら、犬の話になると止まらないとか。
私、もともとすごい人見知りで、初対面の人とはしゃべらないことが多かったんですけれども、この仕事を始めてから、初対面の方ともしゃべれるようになりましたし、お客様のことが知りたくなりました。趣味やプライベートの話から、お客様がどういう人かわかると、好みがだんだんわかってきて、爪をつくるときのデザインをイメージしやすくなります。
後悔はない、これで良かった
美容学校を辞めた時はすごく後悔しましたね。お金がかかったので、親にも迷惑かけたと思います。でも今振り返ってみて、「あの時、ああじゃなければなあ」とか、後悔はしてないです。むしろ、辞めて良かったと思っています。あのまま美容学校を続けていても、多分なるようになっていたのでしょうけれども、今はこちらの道しか知らないので、これで良かったと思いますね。
今、後悔がなくてすごく前向きでいられるのは、今が良いと思えるからなのでしょうね。仕事も充実していて、プライベートも充実していますから。母も喜んでくれているので、それが嬉しいですね。今後の目標は、笑われないような人になることですね。一つひとつの行動を後で振り返ったときに恥じない人になりたい。責任感をもっと持ちたいです。そして、いつも楽しくいられれば、それが一番いいと思います。
先輩上司から一言
ネイリストはいろいろ発想したり作る仕事なので、基本的に自由にやらせてみたいなと思ってます。枠に縛るのではなく、自分たちで考えて動いてもらって、間違っていることは指摘したり、正しいことは褒めたりしています。
彼女は人受けしやすいし、人なつこい。接客業にとっては一番いい面だと思うんです。人と接する仕事であるから、最初に会ったときから気さくに話をして、人と親しくなれるのは重要ですね。彼女は誰とでも打ち解けて、いいところを見つけて話をしたり、相手と合わせながら和やかな雰囲気に持っていくのがうまいんですよね。