2ch
【しごとコレクション】
自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める
営農・生活アドバイザー
たぐち ゆきお
田口 幸生さん
26歳・東海高等学校出身
- 3次産業
- Border Vol.4
- 営農・生活アドバイザー
- 男性
- 茨城県央
- 複合サービス
1年目は先輩の信頼で訪問していたようなもの。2年目からはどれだけ自分が信用してもらえるかが大事。
取材者からの紹介
大学卒業後入組※。最初の3年間は営農指導など、現場で体を動かす仕事を担当。その後、生活の面でも農家の方を支える営農生活アドバイザーとして、お客様の相談や要望に答えてアドバイスする仕事をしています。普段の仕事も肩に力を入れすぎず素の自分を出していると話す田口さんは、気さくで笑顔の素敵な方でした。
(※組合員織のため入社ではなく入組と呼ぶ。)
自分のやりたいことを見つける
高校生のころは、自分は将来何がやりたいのか全然決まっていませんでした。周りに高卒で就職する友達も結構いたので、高校を卒業してすぐに就職することも考えたのですが、自分のやりたいことを見つけるためにも大学進学を選びました。
大学3年生のころから本格的に就職活動を始めて、「自分がずっと働いていける場所ってどこなんだろう」と深く考えるようになりましたね。就職活動中は色々な企業の面接にも行ったのですが、会社選びで軸にしたのは企業の雰囲気でした。雰囲気が悪かったら自分も働いていて楽しくなくなってしまうし、頑張る意欲もなくなってしまいますからね。
その点では、今の職場はアットホームな感じでとても良い雰囲気です。スタッフ同士で朝から冗談を言い合ったりして、それがすごく楽しいですね。
2年目は自分の信頼を芽生えさせる年
入組から3年目までは営農指導を担当していました。
1年目の仕事は、組合員さんに農作物の直売所に野菜を出していただけるようにお願いしたり、野菜を集めるにはどうしたらいいのかを考えたりというのを、先輩の後ろについて学んでいました。農家の方も顔を出すたびに、息子が来たかのように接してくださって、農業に関係ない身の上話なんかもしていましたね(笑)。1年目は「職場が楽しいな」と感じられて、「ここを選んでよかったな」という気持ちになれたのが一番よかったですね。
2年目になってからは直売所関係の方も任されるようになって、どんな風にしたら消費者に農作物を買っていただけるのかを考えるのが仕事になりました。スーパーの一角に直売所を設けさせてもらっていますが、組合員さんが出荷してくれた農作物は高く売りたいので、同じ野菜でも値段が違ってきます。値段が高くてもお客様に買ってもらえるように、安全で安心で新鮮であることをいかにアピールするか悩みました。季節の旬の野菜にレシピをつけたり、それぞれの野菜に合う調理法をつけてみたりと、自分なりに色々工夫しましたね。
農家の方を訪問するときも、1年目は先輩の信頼で訪問していたようなものだったのですが、2年目からは一人で訪問するようになって自分がどれだけ信用してもらえるかが大事になりました。最初は一人で伺うと、どういう人間か、この人に本当に農作物を預けていいのか、農家の方も半信半疑だったでしょうね。それから2年半くらいになると信用が芽生えてきて、「これ、お願いね」と信頼を得ることができたときはうれしかったです。
その場で解決したい
4年目になって、営農生活アドバイザーという仕事の担当になりました。
私たちは農家の方を主としたお客様として仕事をしていますが、直接農業に関わることに加えて、普段生活していく上で不安なこと・心配なことを聞いて解決のお手伝いをさせていただいています。それが営農生活アドバイザーの仕事です。組合員さんや一般のお客様のお家を一軒一軒回りながら、「何かご不明な点はありますか」「何かして欲しいことはありますか」と話を聞きながら、不安や悩みを明らかにして、それを解消していきます。
その仕事の中でも、私は共済という一種の保険を組合員さんやお客様に説明して、加入してもらえるように勧める仕事をしています。共済をお客様に勧めるにはその内容を自分で全部把握していなければいけないですし、何か質問されたときはきちんと答えなければいけません。その場で答えられない場合はもちろん持ち帰ってしっかりと返答するのですが、お客様は知りたいことをその場で解決したいですからね。その場ですぐ答えられるようになるためにまだまだ勉強中です。
この仕事は信用がとても大事です。共済という一つの商品を勧めたとき一度でも不安を芽生えさせてしまうと、ずっと消えません。自分の一言によって不安が2倍にも3倍にもなり、どんどん悪くなる場合もあるので、とても気を使う仕事です。
つながりは大切
営業に行く相手の方はご高齢の方が多いですね。ですから、共済の話をしても「いや、いいよ」とか「そんな話はいいから、どうぞお茶でも飲んでいきなさいよ」と、話し相手になっていたりします(笑)。「そうですね」とお話を聞きながら、共済のパンフレットやチラシを渡して「興味あったら読んでみてください」とお願いして置いていきます。高齢の農家の方でもその下の代の方がいらっしゃるので、そのつなぎになればと思っています。自分がおじいちゃんに話したことを今度は息子さんに話してもらって、息子さんの興味がわいてくれれば、息子さんのほうから自分の方に話が伝わってくるというのがありますから。だから、高齢者の方とのつながりは大切ですね。
組合員さんやお客様と会話することは楽しいですし、やりがいも感じます。共済を勧めて加入が決まり、お客様に「ありがとう」、「共済に入ってよかったよ」といった一言をもらったときは本当にうれしいですね。
職場は自分の素が出せるところ
職場はアットホームな雰囲気で居心地がいいですね。スタッフは20代から50代まで幅広いので、そういう人たちと情報交換をしたり何気ない話で盛り上がったりするのは楽しいです。ここは自分の素が出せる職場なので、入組した当初からすんなりなじめましたし、気を使うところではないような感じですね。
それでも、「常識的なマナーがなっていない」と怒られたこともありました。いざ入組初日という時、人事の方に服装の相談をしたんです。「現場の仕事なら動ける格好で行ったらいいんじゃないの」と言われて、それを鵜呑みにしてしまい、初出勤の日、普通はスーツで行かなければならないところ、作業着のような格好で行ってしまったんですね。「何だその格好は!」と初日から怒られてしまい、すぐ家に着替えに帰りました。今思えば自分もちょっと考えればよかったなと思いますね(笑)。
一つの信頼の輪を広げる
働くということは自分にとって自分自身の知識を高めることだと思います。自分の知らない情報を、知っている人からもらい、さらにその情報を他の知らない人へ伝える。そのことによって自分の知識や腕をあげられるのだと思います。
今まで営農や野菜の販売、肥料・農薬の販売などを3年間やってきて、今は共済や貯金も担当していますが、お客様からは農作物・共済・貯金など様々な分野から質問が投げかけられます。それらすべてに答えられるトータルな営業マンになりたいですね。農家の人たちの中で、「分からないことがあったら田口さんに聞けば分かる」と言われるように、一つの信頼の輪をどれだけ広げられるかが、これからの自分の目標ですね。
先輩上司から一言
彼は、上司や職場の同僚から何を言われても、嫌だということを絶対言わないんですよ。頼まれた仕事でも「嫌だ」とか、「それは私の担当じゃないんですけど...」とか言ってしまう人が多い中で、「大丈夫です」って。それはすごいなと思うんですよね。人間、どうしても、ちょっと嫌だなと思うときはありますよね。それでも「大丈夫ですよ、行ってきます」とか、気持ちよくやってくれるんで、その辺は職場の模範になってるなと思います。