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自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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市役所職員(児童福祉)

やすだ りえ

安田 理恵さん

28歳・水戸第二高等学校出身

  • 3次産業
  • Border Vol.4
  • 公務
  • 女性
  • 市役所職員(児童福祉)
  • 茨城県央
  • 本記事は平成20年度に取材した内容により作成しています。
    平成27年3月30日現在、水戸市役所では、「保育所の入所」に関する事務は教育委員会幼児教育課で、
    「児童手当」及び「児童扶養手当」に関する事務は保健福祉部子ども課で行っています。

未来ある子どもたちが社会へ踏み出す、そのスタートのお手伝いができる。

取材者からの紹介

県外の大学を卒業後、Uターン就職し、水戸市役所に入所し、5年目。現在、児童福祉にたずさわっています。「自分も保護者の方の気持ちが分かるから、なんとかしてあげたい」と何度もおっしゃっていました。インタビューでの話の随所から、優しい気持ちが伝わってきて、人のために働けるっていいなぁと思わせてくれる、素敵な方でした。

丁寧に教えてくれた職員を見て

高校時代は、授業が終わったら部活に行って、部活が終われば友達と遊びに行くような毎日でした。学校が進学校だったので、私もみんなと同じように大学へ行くんだって思っていたので、あの頃は自分が社会に出て働くというイメージまでは持っていなかったです。

大学進学を機に東京に住むことになり、引っ越しの手続きなどを全部自分でしなくてはいけなくなりました。何も分からない状態で市役所に行ったのですが、複雑な書類の手続きなどを職員の方が丁寧に教えてくれて、たくさんお世話になったんですね。そんな職員の方を見ていて、公務員を目指そうと思いました。

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高校時代は、ソフトボール部に所属し、練習に明け暮れる毎日でした。部活で身につけた協調性と忍耐力は、その後の人生に役立っています。

仕事のサイクルが分からず...

市役所に入ると、現在の子ども課に配属になりました。子ども課の仕事は3つに分かれていて、保育所の入所に関する手続き、子育て家庭への「児童手当」、「児童扶養手当」という母子家庭を援助する制度に関するものがあります。

私は保育所の入所の受付事務のような仕事をしています。児童福祉の仕事なので、子どもと多く関わると思われているかもしれませんが、保育所などの現場に出ることはあまりなく、保護者の方と一緒に来た子どもをあやすくらいしか子どもと関わる機会がないですね。それでもぬいぐるみや絵本が置いてあったり、子どもが来たりとにぎやかで、市役所内のほかの課とは雰囲気が違うと思います。

一年目は手探り状態でした。仕事のサイクルが分からず、先輩に聞いては指示をもらってこなしていました。一つの業務にどのくらい時間をかければいいのか分からなくて、今思えば無駄な時間を過ごしていた感じでした。 でも、私には「1年目だ」という気持ちがあっても、市民の方は私を1年目ではなく、「市役所の職員」という目でしか見ていません。いろいろなことを聞かれるのですが、知識が浅いのでなかなか答えられなかったです。そこは先輩に聞いたり、先輩の仕事する姿を見たり、自分で勉強したりして、だんだん覚えていきました。

相手の立場になって考える

2年目になって一通りの流れがつかめると、なんとなく次の仕事が分かってきて、少しずつ仕事のやり方が変わっていきました。3年目ぐらいで、やっと仕事がスムーズにできるようになってきましたね。後輩が入ってきて、教える立場になったとき、なるべく私が先輩に教えてもらったように温かく教えてあげたいと思いました。後輩に教える立場ではありますが、私自身も目標とする先輩に近づこう、成長しようという気持ちがありました。

また、学生時代は仲のいい友達と付き合っているだけでよかったのですが、社会に出ると全く知らない人たちの中に柔軟に入っていかなくてはなりませんでした。ここの職員の方は私を優しく受け入れてくれてとても助かりましたが、職場の人間関係だけでなく、窓口で、今まで関わったことのない方と話す中で、どう接したらいいのかわからずに困ったことも多かったです。相手の立場に立って考えることが難しく、考え方も浅かったですね。

今は、人の気持ちを真剣に考えて、理解しようとする気持ちを持って人と接することを心がけています。相手の一言一言にどのような気持ちが込められているか、行間を読んで、出来る限り、その人のニーズに答えられるようにしたいです。

伝えたことと伝わったことが違う

社会人になって、人の話をよく聞くようになりました。これは大きな成長ですね。相手の話を聞いて、その人の立場になった、その上で一つ一つ話せるようになりました。そのことで様々な人に対応できる柔軟性が身に付きましたね。また、話していることに質問をして、言葉の奥に何があるのかを深く聞こうと心がけるようになりました。

いろいろな人に同じことを話すので、誰に何を言ったのか記憶が曖昧になりがちです。でも、相手にとっては初めて聞くことですから、相手は私の顔も話もはっきりと覚えているんですよね。伝えたことと伝わったことが違うこともあるので気をつけなくてはなりません。指摘されたときは、自分の対応を見直すことができるので、自分自身のためにもなります。この仕事は、自分の言動に対しての責任が強く求められます。

また、保護者の方が安心して子どもを預けられるような環境を作って、子どもにとっても保護者の方にとっても一番良い結果に結びつくよう、誠意を持って対応しています。そして、来客者が相談しやすいように聞き手側に回って、いつでも笑顔で対応しています。この2つは、児童福祉に関わる人間として、絶対に必要なことですね。

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様々な情報が詰まっているパソコンは仕事の必需品です。個人情報を多く扱っているため、管理は十分注意しています。

「ありがとう」は仕事のやりがい

今は、働きたいお母さんや、いろいろな複雑な事情で母子家庭になってしまうお母さんが増えています。

また、働く母親が増え、家庭で子どもを見られる人がいないケースも増えています。保護者の方も、子どものことなので必死にお願いしてきます。でも、今、保育所に入りたいのに入れない人が200人ぐらいいて、年々増えています。保育所に入りたいのに入れない子どもがいるということが一番つらいですね。保育所にも定員や数に限りがあるので、現実とのギャップを感じています。

ずっと保育所に入りたがっていた子が保育所に入れたときは、やっぱりうれしいですね。保護者の方から何度も何度もお願いがあって、やっと保育所に入れたときに、電話口で「ありがとうございます」とか「本当に助かりました」と言われると、「本当によかった!」と心から思います。その一言は、私にとってはすごく大きいし、その言葉を聞くと、仕事のやりがいを感じます。

友達をたくさん見つけて成長していく

前述のように、保育所への入所希望が通らない方が多くいらっしゃいます。入所に関しては法律で決められていることが多く、私個人ではどうすることもできないことがたくさんあります。これからもっとサービスを改善して、多くの方の希望に添えるようになればいいなと努めています。また、同じ女性としてはやはり、子どもを保育所に預けて、女性の方がもっと働きに出られるような環境が整えばいいなぁと願っています。

私の仕事は、保護者の方の需要に応えられる、保護者の方が安心して子どもを保育所に入れて働ける、そして、今まで友達がいなかった子が保育所という社会の中に入って、友達をたくさん見つけて成長していく、そういう過程を手伝う仕事です。未来ある子どもたちが社会へ踏み出すわけですから、そのスタートのお手伝いができるというのが一番の魅力ですね。

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先輩上司から一言

何でも仕事って、意義を見出さないと、働いててもいまいち乗れないんです。やらされてる感とか、やりがいが感じられなかったりとかだと。ただ、自分の思ってる仕事に就ける人は少ないし、就けたとしてもなかなか満足する仕事ってないんですよ。でも、与えられた仕事をしていく中で、それを継続することによって、何か感じるものが出てくるんじゃないのかなと私は思っていますし、そうなってもらいたいと思ってます。