しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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運転士

くぼた やすひこ

久保田 泰彦さん

27歳・水戸商業高等学校出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.6
  • 男性
  • 茨城県央
  • 運転士
  • 運輸

後輩の目標になる運転士に!それが、今の第一目標です。

取材者からの紹介

名門、水戸商業の野球部出身の久保田さん。そのがっしりとした体格と優しそうな笑顔がとても印象的でした。「約束の時間は絶対に守る」ということばに、鉄道人としての凄さを感じましたね。他にもこの仕事に対する真摯な姿勢と情熱がひしひしと伝わってきました。副駅長さんをはじめ、多くの仲間から絶大なる信頼を得ている久保田さん。私もファンになっちゃいました。これからも応援しています。頑張ってください。

高校時代は水商野球部一筋でしたので、最初は鉄道会社への興味は全くありませんでした。しかし、バス通学中に、ふと見た運転士の姿に「かっこ良さ」を感じたんです。これが運転士になりたいと思ったきっかけですかね。高校3年の春、いよいよ就職を考え始めるわけですが、この頃には、路線バスや鉄道など公共の乗り物に関わる仕事をしたいと考えるようになっていました。「どうせやるなら花形の鉄道運転士がいい」というのが入社を決めた理由の一つです。もちろん最初から運転士になれるわけではありませんでした。切符を売る窓口、改札業務、企画開発でイベントの計画や、電車のチョロQ等のおもちゃ開発など、いろいろと携わりましたね。平行して運転士の必要な免許を取得し、やっとなることができたんです。

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高校3年の春、夢の甲子園の土を踏むことができました。(写真右)

この仕事で大事なのは、とにかく時間に遅れないこと。一番プレッシャーがかかるのは、朝の通勤通学の時間帯です。この時間帯は混雑が顕著で、お客様の乗り降りにも時間がかかります。1分の遅れでも駅数が増えると大きな時間のロスとなります。そうならないように心がけていますが、遅れを取り戻す時は、本当に神経を使いますね。鉄道は、区間によって速度が制限されているので、遅れている場合はその範囲内で加速をいつもよりも少し強めにします。しかし、お客様を不安にさせるわけにはいきません。いつも乗って頂いているお客様は少しの違いにも敏感ですから。

自分は経験が浅く、まだまだですが、先輩方の運転はやはりうまいです。この経験差をこれから埋めていきたいですね。反対に、時間どおりに駅に着いたときや、停止線ぴったりに停車できたときは気持ちがいいです。ブレーキのかけ方も大切です。衝撃のあるブレーキにならないで、ゆっくり、スムーズに止まれたときなども運転士としてのやりがいを感じます。運転中は、「お客様に不快な思いをさせていないかな」と自問自答をしていますね。

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鉄道は、「動力車操縦者運転免許証」を取得しないと運転できません。免許の取得には約1年かかりました。取得後も約2ヵ月は見習いです。最終確認のテストを経て、ようやく一人で運転ができるようになるのです。初めて一人で運転したときは「何も起こらないでくれ」というのが一番の思いでした。本当に短い区間(大洗から水戸を往復する乗務)でしたが、ホームの指定された場所にきちんと列車を止められるかどうか…、とにかく緊張しましたね。「絶対事故を起こさない」「時間の遅れを出さない」「目的地まで、無事にお客様を運び届ける」ということを第一に考えていました。緊張のあまり体が震えるのが分かるんです。そのときの感覚は今でも忘れませんね。

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台風や風の影響でも遅れが出てしまう場合があります。電車が10分、20分遅れるだけでもお客様には大きな影響が出てしまいます。急がれる気持ちは分かりますが、安全確認がとれるまで、冷静に待つようにしています。安全第一です。そんな中で、いろいろなお客様と接しますが、降りるときに「ありがとうございました」と言ってくれるお客様がいらっしゃるんです。お客様からそういったお声をいただけるとこちらも大変うれしくなります。お年を召された方で、いつも笑顔を見せてくれるお客様(今は亡くなってしまった私の祖父母と重なる部分がありまして・・)にはとても癒されています。こちらも満面の笑顔になります。この場をかりて感謝の気持ちを伝えたいですね。

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弊社の出勤時間は人それぞれですが、私は1時間前には会社に着くことを心がけています。始業までには、当日の業務内容の確認や準備を終えて、少し休憩する余裕を持ちたいからです。いくつかの駅には宿泊する場所があり、始発で朝早い時などは泊まり勤務で、翌日の始発列車に備えます。入社する前は泊まり勤務があるとは思わなかったので最初は驚きましたね。鉄道の仕事は時間に徹底しているので、普段の生活でも時間に対して考え方が変わりました。「1分でも大切な時間だ」ということが身についているので約束の時間は絶対守るようになりましたし、どうしても時間を気にしてしまいます。それは職業病だと思っています(笑)。

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今までもそうですが、今後も諸先輩の指導を受けながら成長していきたいです。もちろん自分でもたくさん勉強して、仕事に磨きをかけます。いずれは先輩、上司という立場になるのですから、しっかりしないといけないですよね。「後輩の目標になるような運転士になりたい」それが、今の第一目標です。そして、沿線のお客様をはじめ多くの方に愛され、ご満足いただける鉄道会社を皆で作っていけたらいいなと思っています。その意味でもお客様の声を大切に、上司の声を大切に、仲間の声を大切に頑張っていきたいと思います。そして、これからも鹿島臨海鉄道を宜しくお願い致します。

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先輩上司から一言

今は少子化で大変な時代ですが、こういう若い青年が当社に入ってきてくれて、とても嬉しく思っております。出勤時間にしても業務内容にしても、常にゆとりを持って取り組む彼の姿勢には関心しますね。運転士になるための指導を私が担当させていただいた分、期待も大きいです。地域の足として、目的地まで安全にお客様を運ぶのだという使命感をもって、今後もますます頑張ってもらいたいと思います。

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