しごとCHANNEL365【シゴトチャンネルサンロクゴ】

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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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農業

ごとう なつみ

後藤 奈津美さん

24歳・那珂湊第二高等学校出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.6
  • 女性
  • 茨城県北
  • 農業

仕事を任され、自分のできることが増えてきた。だから、手は抜けない。

取材者からの紹介

金髪でピアスをしている後藤さん。最初の印象は「とっても怖そう…」。でも、そんな心配は全く無用。明るく気さくな性格は、とても親しみやすく、自ずと楽しいインタビューをすることができました。謙遜もあって「責任は感じない」と言っていましたが、干しいも作りに対する情熱がひしひしと伝わってきましたね。私も就職したら、彼女のように「気負いすぎずに」仕事をしたいと思います。

高校時代は常に遊んでいて、働くなんて全然考えていませんでした。でも、3年の秋になって意識が変わりました。私の学校では、就職が決まった人は廊下に名前が貼り出されるんです。そこにみんなの名前がどんどん出てくるのを見て、「自分だけ決まってない」と焦り出しました。でも、何をやりたいのかをじっくり考えていなかったので、担任の先生に言われた通りに、まずは会社の見学をしてみることにしたんです。私は、じっと座っている仕事よりも、体を動かす仕事がしたかったので、農業の企業を見学することにしました。照沼勝一商店に見学に行ってみて、「ここなら思う存分働けるかな」と思いました。そんなことを社長と話していたら、「4月1日から来てみなよ」と言われて、見学だけのつもりがなんとそこで即採用になったんです。びっくりしましたよ。「就職しなくても別にいいや。卒業してからでも何かしら仕事はあるだろう・・、もし見つからなくても今のバイト先で働いていればいいかな」と思っていた自分。

当時のことを考えると、すごく無茶していますよね、本当に(笑)。でも、何も考えてなかったからこそ、今の仕事をすんなり受け入れられたんだと思います。

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高校の文化祭。スポーツ部門で総合優勝しました。(写真前列右から3人目)

照沼勝一商店では、干し芋を作る工程を全て手作業で行うこだわりがあります。サツマイモを育てる土からつくり、無農薬で育てて収穫、その後の蒸し・皮むき・カット、干す作業や箱詰めまで、全て手作業で行います。苗も一本一本、手で植えています。だから「機械の力をかりないで、自分の力でやり遂げた」という達成感や商品に対する愛情がものすごく湧いてくるんです。話を聞く分には「できる」って思うかもしれませんが、聞いているのと実際にやるのとは全然違います。本当に大変なんですよ。

最初は「何でこんなにこだわるんだろう」と疑問だらけでした。だけど、このこだわりを目当てに買いにきてくださる多くのお客様がいることを知ってからは変わりましたね。「照沼さんの干し芋は美味しい」と感想の手紙を送ってきてくれる方もいます。そんなファンの期待をうらぎるわけにはいきません。だからこだわり続けられるんです。

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見学だけのつもりから始まったこの仕事ですが、就職した周りの友達は1~2年で辞めている中、高卒で就職してから6年間続いています。仕事柄、朝が早い・休みが少ないという環境で、これだけ長く続けていられるのは、ここで働いている人たちがいい人ばかりだからです。この6年の間に何十回も「辞めたい」と話をしました(笑)。だけど、その度に社長や周りのスタッフが引き止めてくれるんです。最近は、自分でできる仕事も増えてきて、楽しさもわかってくるようになりました。今、「何のために仕事をしているか」って聞かれたら、「生活のため、生きていくため」というのはもちろん、「たくさんの人と触れ合うため」ですね。自分とは違う価値観を持った人と触れ合うことで、充実した生活を送ることができますから。

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就職して1年目は、「仕事を覚えないと」という気持ちが負担になって、「辞めたいな」「大変だな」って思いながら働いていました。3年目くらいから、ようやく仕事の面白さが分かってきました。それまでは、先輩の下について、言われた通りのことしかしなかったんです。「自分で運転して行ってこい」って言われて・・! その時から楽しく感じるようになってきました。仕事を任されるようになって、自由にできることも増えました。その分、自分が手を抜くと畑に雑草が生い茂ってしまったり、仕事が時間内に終わらなかったりします。手は抜けないですね。良い干し芋ができないと、お客さんがいなくなっちゃうので、一つ一つの作業に手間はおしみませんよ。ここを常に心掛けています。

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学生の時は、周りを気にしないでズバズバと発言していました。でも、その一言で人を傷つけてしまうことがあるって気づいたんです。社会人になってからは、一緒にいる人のことを気にかけるようになりましたね。今では周りが見渡せるようになりました。

そこが社会人になって一番変わった所ですね。社会人だから、みんな責任は持っています。だけど、責任を全部背負わなきゃいけないわけではなくて、自分が困っていたら色々な人が助けてくれるということも分かりました。

責任ばかり気にすると仕事が手につかなくなります。でも、みんながいるから安心です。「失敗は成功のもと」っていう言葉もありますし、失敗してもいいから「やってみること」が大切なんですよね。昔は先のことなんて考えていなかったので、何をやっても怖くなかったのに、社会人になってからは"次"のことも考えるようになりました。だから、学生の時と比べて驚くほど成長したと感じています。今の仕事に出会ったことが、私の人生を変えるきっかけになったんだと思います。

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先輩上司から一言

後藤さんは、男にも負けない根性の持ち主。すごく活躍しています。うちの会社は彼女を筆頭に女性の方が強いかな(笑)。彼女は後輩の面倒見が良くて、明るい。いろんなことを言っても、とげがないので、先輩後輩や同僚との粘着剤のような役割をしています。これは、他の人にはなかなかできないですよ。リーダーシップをもっている。今後そういったところでの期待が大きいですね。

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