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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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柔道整復師

たどころ ゆうすけ

田所 佑介さん

26歳・東洋大附属牛久高等学校~東京福祉大学出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.6
  • 医療
  • 柔道整復師
  • 男性
  • 茨城県央

目標を決めて、それに向かって行動できる人間でありたい。

取材者からの紹介

若くして開業されただけあって、話し方にも言葉一つ一つにも、非常に強い意志を感じました。夢や目標を聞いてもすぐに言葉が出てくるのはその証拠。私もこんな明確なビジョンを持ちたい!と憧れてしまいました。そう思えるのはきっと、田所さんご自身が自らを過大にも過小にも評価していないから。自分の経験と技術に確かな自信をお持ちなのだと思います。地元・河和田を愛し、愛される整骨院になること間違いなしです。

柔道整復師を目指すきっかけは中学から高校までやっていた相撲です。スポーツにはどうしても怪我がつきもので、自分もよく怪我をしていました。その治療のために整骨院にはよく通いましたね。そのうち、「自分が治療する立場になりたい」と考えるようになったんです。

高校を卒業してからは、大卒の資格も欲しかったし、福祉と医療の融合ができたらと考えていたので、大学と専門学校のダブルスクールをしていました。結構ハードでしたね。大学では福祉関係、専門学校では柔道整復というように、学ぶ内容も違っていました。

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大学卒業後しばらくは数店の整骨院で働いていたんですが、そこで自分がやっていきたい整骨院の構想が変わっていきました。この業界を目指したきっかけが、スポーツなだけあって、最初はトレーナーのようなことをしたいと思っていました。でも、整骨院にはむち打ちで来る方が意外と多いということがわかったんです。むち打ちは、一般的な整形外科で診てもらうと(MRIなどの画像上に何も写らないケースが多い)、原因不明のまま治らないことが結構あります。そういった患者さんが病院からの紹介などでよく来院されます。整骨院では、画像ではなく直接触れて筋肉の状態や関節の動きを見て原因を探るため、速効性もあり、治せる可能性が高い。僕が目指しているのは、その場で痛みを取る、即効性のある治療です。そういったことをこの地域の人に提供したいと思い、25歳のとき、地元である水戸へ帰ってきて開業しました。

しかし、この業界はかなり厳しいんです。茨城県内ではそんな風に感じないかもしれませんが、都内に行ったら整骨院の隣に整骨院があり、強い志がないと残っていくのは難しいということを感じています。独立を考えるなら、なおさらですね。現実とのギャップによって、資格を取ってから転職してしまう人も中にはいます。僕自身も最初のころはギャップをかなり感じました。もともとスポーツトレーナーを目指していた(運動からきた故障だとかそういったものの治療にあたりたかった)こともあって…。実際は、自分が診たい患者さんばかりが来るわけではないということを実感しました。

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社会人になってからの方が学生時代よりも勉強することは多いですね。学校では基本的な技術や医学的な知識しか学ばなかったし、現場に出ることもほとんどありませんでした。そのため、教科書と臨床の症状の違いには戸惑いましたね。教科書通りにいかないことがすごく多いんです。そのため、様々な勉強会に参加して経験を積んでいきました。もちろん技術だけでなく、開業のための経営セミナーにも行きましたよ。

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整骨院の経営者はみんな、人材育成で悩んでいます。一人でやっていて、もし自分が倒れてしまったら、まったく機能しなくなってしまいます。しかし、人を増やせばいいかというと、そうでもないんですよ。自分の経験で身につけた技術を他人に伝授するのはすごく難しいんです。ここでの技術はおそらく僕にしかできないし、人を雇っても自分と同じ技術を提供できないのでは意味がないですよね。技術というのは、いろいろ経験しないとできるようにはならないから、普通に患者さんを治療できるまで最低でも一年から二年はかかりますね。僕も以前勤めていた整骨院で先輩の指導のもと技術を磨きました。美容師のようにお店を閉めた後で練習するんです。テーピングや包帯、マッサージの練習から治療まで…。治療については全く改善しない場合、先輩に任せて横で教えてもらいました。担当する患者さんも僕のレベルに応じて、「あの患者さんだったら大丈夫」とか先輩が指示してくれていました。そうして徐々にできることを増やしていきました。

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これから先、目標に向かって行動できる人間でありたいと思っています。その目標は二つあります。一つは、「痛みを抱える患者さんを早く改善に導いてあげる」ということ。もう一つは、「治療した対価を頂いて、自分の生活がより豊かになれば」ということ。この地域の人と、お互いに喜べる関係を築き、それを長く維持していきたいですね。こういった考え方は僕が以前勤めていた整骨院の院長が教えてくれました。僕のそのときの目標は、「独立してやっていくこと」だったのですが、院長は「独立しても成功し続けられる人というのは、行動できる人間」だというのを常々言ってくれていたんです。そこが僕の考え方の原点になっていますね。

整骨院の経営に対する考え方もその院長に叩き込まれたものです。院長には面接の段階で、既に開業したいという思いは伝えていたので他にも沢山のことを教えてもらいました。業界の話や今挙げたような考え方、治療に対する思いとか。この出会いがあったから、今の僕があるんだと思います。

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