2ch
【しごとコレクション】
自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める
ボイラー運転監視作業員
おのせ ひとし
小野瀬 仁さん
25歳・日立工業高等学校出身
- 2次産業
- Hope Vol.7
- ボイラー運転監視作業員
- 男性
- 茨城県北
- 製造業
はじまりは「もっと知りたい」という好奇心から。頑張り次第で、目標は見つかってくるもの。
取材者からの紹介
何のために働くのかという質問に、「自分のため」と素直に答えてくれた小野瀬さん。「仕事に対するモチベーションは自分次第だから、楽しく働かなきゃだめですよ」と満面の笑みで話してくれた彼に、就職活動中の私が感じていた働くことに対する重圧感はあっさり吹き飛ばされました。自分のために何がしたいのかを、改めて考え直すきっかけになるインタビューでした。
どんな構造なんだろう、まずは興味をもつことから
高校3年生の夏休み、見学に行った工場で「ボイラー」というものを初めて知りました。ボイラーというのは物を燃やして水を沸かし、沸騰で生じる水蒸気でタービンをまわして発電する装置のこと。そのときは仕組みが全然分からなかったので、「どんな構造になっているんだろう?もっと知りたい…」と興味をもつようになりました。好奇心からいろいろ調べたり、学校の先生からのアドバイスもあって、この職業を目指すことに。自分でも面白いと感じていた電気科での勉強や、今後のためにと習得していた資格などの知識や経験がそのまま活かせるというのも魅力に感じた点ですね。
どんな状況でも判断力が求められる仕事
製紙工場内にある自家用発電設備で、ボイラーの運転監視及び製紙工程からの排水処理作業を行うのが私の仕事です。建築廃材を主燃料としたバイオマス発電で工場内の電気をまかなうと同時に、余った電気を売ることもできます。常に判断力が求められる仕事ですね。状況をよく読み、どのくらいの電気を工場で使うのか、工場外に売るのかを判断し決定します。
ボイラーの状態が安定していれば、そこまで気を張っている必要はありません。しかし警報は見落とさず、対応すべきことはしっかりとやります。またコンベヤーなどの回転体が多く、巻き込まれる可能性のある危険な箇所があるため、稼働中は絶対に手を出さないように気をつけています。この状態でこれをしたら危険だと判断するのは自分自身ですから、どんな状況でも判断力は求められますね。
勤務はシフト制、自分の生活に合っている
この職場で特徴的なのは3交替勤務ですね。朝番は7時から、中番は15時から、夜番は22時から朝7時までというシフト制で働いています。入社前に会社のことはよく調べていたので、あえてこの3交替勤務の会社を選んだところもあるんです。確かに生活は不規則だし、土日はあまり休みにはなりませんが、代わりに平日が休みになることが私は嬉しいですね。ショッピングモールやレジャー施設も空いていますしね(笑)。経験がない人から見ると、夜勤などがあってすごく大変だというイメージがあるのかもしれませんが、平日休みは私にとってはメリットだし、自分の生活に合っていると思います。
人と接するのも仕事、教えることの難しさを実感
同期は同じ職場にはいません。半分以上が父親に近い年齢の方なので、年齢差がとてもあるんです。一緒に働いていて「D」を「デー」と読むことなどに始めはジェネレーションギャップを感じてしまっていましたが、最近ではもう慣れてしまいましたね(笑)。仕事は楽しくやりたいので、ささいな話題でも先輩や後輩とコミュニケーションをとって楽しく働いています。人と接して互いに情報交換したりコミュニケーションをとることは、仕事をしていく上で大切なことだと思います。
今では後輩が3人できて指導する立場にもなりましたが、伝えることの難しさを感じています。人に教えることは、自分で理解していてかつ、順序立てて説明しなければいけません。新入社員は大抵、知識ゼロで入ってくるので基本から教える必要があります。自分の入社時のことを思い出しながら、どうやったら理解しやすいかを考え、なるべく分かりやすい方法で教えるようにしています。しかし自分自身に十分な知識があるわけではないので、もっと多くのことを学んで吸収し、知識を広げていかなければと思っています。後輩に教えることで自分のモチベーションが高まっているのを感じますね。分からないことを質問されたときは、きちんと調べてから教えるようにしています。
目標は新しい資格の習得、後輩にはかっこいい姿を見せたい
中学・高校は皆勤賞で、アルバイトでも一生懸命働いていたので社員にならないかと誘われたこともありました。でも自分には今まで、特にやりたいことや得意なことがあったわけではありません。やりたいことがあってそれを職業にしている人もいますが、「とりあえず、ここで働いてみよう」という気持ちで入社し、働いている人も多いと思います。私はとりあえずで働くことも正解だと思います。あとは入ってからの頑張り次第で、目標は見つかってくるものです。
今の自分の目標は新しい資格を習得することです。なかでも一番取りたいと思っているのは、"エネルギー管理士"の資格です。世の中のエコへの関心の高まりもあって、働いているうちにエネルギーについての興味がわいてきたんです。何よりたくさん資格をもっていたら、かっこいいですしね(笑)。仕事に必要な最低限の資格はすでに取得したのですが、それだけでは後輩に教えられることも限られてしまいます。新しい資格を取得して技術も知識をもっともっと身に付け、これから入ってくる後輩たちに何を質問されてもすぐ答えられるような、かっこいい姿を見せていきたいです。
先輩上司から一言
どんな仕事に就いてもやる気が大事。やる気を出させることが上司の仕事だと思っています。先輩が経験してきた仕事を、やる気が高まるような方法で教えながら育てています。
うちの職場には若手のスタッフが少なく、小野瀬君は久々に入社してきた世代なんです。周りとは、10歳以上もの年齢差がありますが、彼は自分からコミュニケーションをとって誰とでも話すことができます。上司としても冗談を言いながら気楽に何でも話せますし、言いにくいことでもきちんと報告してくれるので助かっています。向上心があるので今後の成長が楽しみですね。これから入ってくる後輩たちの指導にも期待したいです。