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【しごとコレクション】
自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める
団体職員(観光振興)
ほんま りょうた
本間 亮太さん
26歳・並木高等学校〜駒澤大学出身
- 3次産業
- Hope Vol.7
- 団体職員(観光振興)
- 男性
- 茨城県南
- 複合サービス
自分一人の力ではどうにもならない。だから、人と人との“つながり”を大事にしている。
取材者からの紹介
終始、笑顔で取材に応じてくださった本間さん。気さくで親しみやすい雰囲気が伝わってきて、地域や職場の方々に愛されているんだろうなと感じました。地域に貢献したいという気持ちから転職した彼は、観光への意識も高く、入った当初から様々な取り組みを提案し、成功させるという発信力と行動力を持ち合わせている方でした。茨城県が魅力度ランキングのワースト1から抜け出す日も、そう遠くはないのかもしれません。
SEからの転職を決意、地域に貢献する仕事がしたい
学生時代は、前身の観光協会主催の「筑波山梅まつり」というイベントで毎年、駐車場整備のアルバイトとして働いていました。約一千本もの梅の木が植えてある“筑波山梅林”という美しい公園があるのですが、残念ながら周りの人にあまり知られていなかったんですよね。そのときは「つくばのいいところを、もっとみんなに知ってもらいたいな」という気持ちと、お客さんの楽しむ姿を見て「こういう職業もいいな」と思っていました。大学卒業後は大学で学んだ経験を活かし、システムエンジニア(SE)として民間企業に就職しました。SEの仕事にもやりがいはありました。しかし、「地元に戻って地域に貢献する仕事がしたい」という想いが強くなり、ここに転職することに決めました。自分は専門的に観光を学んだわけではなかったので、観光という部分に関しては全くの素人。それでも“自分にしかできないことがきっとある”という想いを強く持ち、働き始めました。
仕事をこなすだけで精一杯、今は積極的に提案するように
観光の仕事といえば観光マップ作成や、イベントを実施するのがメインだと思っていました。しかし実際は観光客をいかに誘致してくるかというのが主で、その一環に広報PRがあるので、最初はギャップがありましたね。それから、草刈りも(笑)。多少の肉体労働はあるとは思っていましたが、まさか作業着を着て草を刈ったり、登山道の整備をするとは思っていませんでした。入ったばかりのころは右も左も分からなかったので、言われた仕事をこなすだけで精一杯でした。しかし今は、ダメもとでも積極的に提案するようにしています。最近では、つくば観光大使の制服を考えました。どこの市町村の観光大使も同じような制服でつまらないなと思っていたときに、“山ガール”という言葉が流行りはじめていたんです。「そうだ、制服を山ガールにしよう」と思い立ち、早速提案することに。やはりすぐには受け入れてもらえませんでしたが、考えた制服の必要性や機能などを自分なりにアピールし、懸命に提案しました。そして、新しい制服として認められたんです。そのときには、達成感を感じましたね。頑張って提案して本当によかったなと思いました。
おもてなしの心を広げ、ファンを増やしていきたい
東日本大震災の影響で観光客が減ってしまったんです。観光PRをしても効果が出ないという時期があり、「こんな時にPRして意味があるのか」と自問自答する日々が続きました。それでも“伝えなければ良さは解ってもらえない”“来てもらえない”そう気づいたんです。観光の仕事は成果を計るのが難しいのですが、私個人としては、来てもらうだけでなく“いかに楽しんでもらえるか”、“また来たいと思ってもらえるか”というのが、実績につながると思っています。そのために、どうしたらお客さんに良いおもてなしができるかということを、地元の人たちと一緒に日々考えています。毎年秋に「もみじまつり」が開催されるのですが、今年は地元の温泉に協力していただき、初めて足湯をやることになったんです。寒さで冷えたり、登山で疲れがたまった足を癒すのには最高ですよね。今後も“おもてなしの心”を広げて、つくばのファンをどんどん増やしていきたいですね。
一人ではできない仕事、コミュニケーションを大切に
観光のイベントは、地域の皆さんや業者の方、出展者など様々な人が関わって作り上げられています。だから自分一人で頑張っても、一人の力ではどうにもならない部分が多いんですよね。いろいろな人と協力して進めていくこと、人との“つながり ”が重要になってくるので、そこは大事にしようといつも心がけています。今では自分から人とコミュニケーションがとれるようになりましたが、学生の頃はすごい人見知りだったんです(笑)。高校生のとき、とても明るい友達がいて「いいな、自分もああなりたいな」と思っていました。だから真似をして、意識的に自分も明るく振る舞うようにしてみたんです。そしたらその結果、人見知りもほとんどなくなり、初対面の方とも気軽に話せるようになりました。“ああなりたい”って思ったら、ちょっと無理をしてでもその人の真似をしてみる。そうやって自分のいいところを増やしていくのも、ひとつの“成長”なのかなと思います。
好きなことを仕事にしている。だから苦にならない
全国の観光パンフレットを集めたり、イベントに参加したり視察に行ったりして、各地の様々なアイデアを参考にしながら、それをどう活かしていけるかをいつも考えています。旅行に行っても、行った先の観光はとても気になりますね。これを職業病というのですかね(笑)。でも、好きなことを仕事にしているので、苦にはなりません。逆に、興味を持っているからこそ分かることもたくさんあると思います。私にとって「働く」ことは、人生を楽しむための要素。1日の生活の大半は仕事になるので、仕事が楽しければ人生も楽しくなると思っています。
これからもっともっと“つくば”を、お客さんが多く集まる街にしていきたい。そのためには“観光”というブランドをつくり、つくばを温かみのある観光地にしていきたいと考えています。茨城県は魅力度ランキングが3年連続でワースト1なんですが、市町村別で見るとつくば市はそんなに悪くないんです。今あるつくばの良さをもっと活かしつつ、茨城県を引っ張っていけるような都市に私たちの力でしていきたいですね。
先輩上司から一言
職員に求めているのは、「前年度にこういう事業をやってこんなやり方をしたから、今年もこういうことを」という前例踏襲主義から抜け出すこと。少しでも新しい考え方を持ち、何らかの創意工夫をする。そしてさらに、問題意識を持ちながらチャレンジしてほしいと思っています。
彼は素直でやる気もある。あの若さで年配の方々の話を上手に聞き、仕事を進めることもできます。彼には、将来的にはこの組織のリーダーを担い、失敗を恐れずにチャレンジできる人材になっていってほしいですね。