2ch
【しごとコレクション】
自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める
バルーンアーティスト
ささき みき
佐々木 美希さん
29歳・常磐大学高等学校〜常磐大学出身
- 3次産業
- Hope Vol.7
- バルーンアーティスト
- 女性
- 小売
- 茨城県央
ずっとアーティストでいたい。生涯を通して、作品を作り続けていきたい。
取材者からの紹介
佐々木さんは自身の性格を「感動するとのめりこんでしまう性格」と話されていました。取材中にもお客様との嬉しいエピソードに感極まって涙ぐんでしまう姿が印象的で、お仕事での良い出会いにやりがいを見出しているのだと感じました。バルーンアートの全国大会で準優勝された佐々木さんですが、実は大会に出るレベルではないと思っていたそう。何事にもチャレンジする姿勢が、ずっとアーティストでいたいという想いに繋がっているのではないでしょうか。
大きな刺激を受けた、海外でのバルーンとの出会い
大学生のころにアメリカやイギリスに旅行に行ったとき、街中のいたるところでバルーンのディスプレーを見かけました。街かどやスーパーの中にもバルーンが飾ってあり、それがカラフルでとってもかわいくて。日本では見かけない光景に、私は大きな刺激を受けたのを覚えています。それまでは人と関わる仕事をしたいとは思っていましたが、具体的なものが見つかっていませんでした。外国でのバルーンとの出会いが、今の仕事を選ぶきっかけとなったのです。
大学卒業後に就職したのは、化粧品会社でした。でも、いつもどこかに「バルーンをやりたい」という気持ちがあって、働きながらバルーンの勉強をしていたんです。それでやっぱり諦めきれずに2年で仕事を辞め、東京の専門学校に通いました。そして卒業と同時に、勢いで今のお店をオープンさせてしまったんです。“やりたい”という想いが強かったからこそですが、今考えると、怖くなかったのかなと思ってしまいますね(笑)。化粧品会社に勤めていたときは何度も辞めたいと思うほどつらかったのですが、一度も就職せずにこの仕事を始めていたら失敗していたんじゃないかなと感じます。自分が経営する立場になって、会社員のころ先輩に言われた厳しい一言ひとことが素直に受け止められるようになりました。思い出しては“なるほどな”と実感し、気持ちを引き締めています。
「できない」と言わない、求めているものに近いものを
バルーンアートというと大道芸人さんが作る“犬”とかのイメージをもつ方が多いのですが、「もっともっといろんなものが作れるんだよ」ということを広めていきたいですね。お客様から難しい注文を受けても、「できます」と答えるようにしています。「できない」と言ってしまったら自分は何も成長できないので、できる限りお客様が求めているものに近いものを作る努力をしています。作り上げたものがお客様のイメージしていたものと違ってしまうことがないよう、お客様に直接会える場合には絵で描いて確認し、イメージの相違がないよう気をつけています。
「ありがとう」と言ってもらえる喜び
この仕事はお誕生日の贈り物や結婚式場のセッティングの依頼が多いので、日にちを間違えることは決して許されません。スケジュールは毎日しっかりと確認しています。週末はウエディングやイベントなどの装飾が多いですね。忙しい時は夜遅くまで準備をしたり、現場の装飾が何件も重なる場合もあるので、結構体力のいる仕事です。忙しいですがその分、お客様との良い出会いもたくさんあります。
この仕事をやっていると、お客様からたくさん「ありがとう」と言ってもらえるんですよ。お金をいただいているこちらが「ありがとう」と言う立場なのに、ありがたいですね。以前、お子様を亡くされた親御様から「息子が好きだったクルマを作ってもらえませんか」という依頼があり、製作したことがありました。そして「お仏壇の脇に飾ったら、親戚みんなが感動して涙を流して…。本当にありがとうございました。」と丁寧なお礼のお電話をいただいたのです。その時には、人の役に立つ仕事を選んで本当に良かったなと感じることができましたね。
作品を作り続けて、ずっとアーティストでいたい
「バルーンアーティスト」は特に試験を受けたり資格が必要なわけではないので、いつでもそれを名乗ることはできたのですが、私が名乗るようになったのはここ最近のことなんです。それは自分の作った作品を見た人が「すごい!」と感動してくれたり、笑顔になってくれるのを見て、自信がついてきたからだと思います。バルーンを受けとった人が、みんな“ハッピー”な気持ちになってくれていたら、それは本当に幸せなことですね。自分が好きなことを仕事にできているし、天職だと思っています。ずっとアーティストでいたいですね。スタッフにバルーンを作るのを全部任せ、私は経営者で…という立場には、絶対になりたくない。生涯を通して作品を作り続けていきたいですね。
限界を決めずにチャレンジ、もっと勉強していきたい
バルーンの世界大会でタイトル取りたいという夢はありますね。私がいつも心がけていることは、何でもチャレンジしていくこと。頭の中では自信がなくて弱気でも、オーバーに発言していると結構叶ってくれるんですよ。準優勝することができた全国大会に出た時にも、周りには「入賞するからね」と言って自分にプレッシャーをかけていました。自分はここまでって限界を決めずにチャレンジする気持ちを、いつも大事にしてます。
これからは若い人たちを育てたいという気持ちもありますね。私がずっとアーティストでいたいのは、「佐々木さんみたいにバルーンを作れるようになりたい」って憧れて入ってきたスタッフが、今度は私を超えたいと思ってもらいたいからなんです。だから私はそれを超えさせないように、これからももっともっと勉強していきたいですね。