2ch
【しごとコレクション】
自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める
楽器店マネージャー
せきやま だいすけ
関山 大介さん
29歳・茨城高等学校〜青山学院大学出身
- 3次産業
- Hope Vol.7
- 小売
- 楽器店マネージャー
- 男性
- 茨城県北
ちょっとでもその人が幸せになる方向へ、それが自分の働く意義になる。
取材者からの紹介
スーツを素敵に着こなした関山さんの第一印象は「かっこいい!」。常に新しいことを世の中に発信していこうとする彼の会話の端々からは、“地元地域で文化づくりをしたい”という想いが伝わってきました。自身の音楽活動の経験を活かし、より音楽が人々にとって身近な存在に、そして人々がハッピーになるようにとイベントや企画にも積極的に取り組んでいるとのこと。関山楽器は音楽のことはよく分からないという方でも、親しみの持てるお店です。茨城にとって欠かせない楽器店を目指しているという関山さん。私も応援しています。
初めて湧いた使命感、自分にしかできない仕事を
大学時代にはやりたいことがあまりにも多くて、自分が将来就く職業について全く決めていませんでした。ただ漠然と、“どういう職業がどのように世の中のためになっているのか社会の仕組みを見てみたい”、“何か人のためになる仕事をしたい”という想いだけがありました。結局、営業先に業種の縛りがなく新規から始められるということで、大手の人材サービス会社に就職しました。
関山楽器は家業なのですが、親に継げと言われたことは一度もなく、戻るつもりもありませんでした。しかし今の小学校では、昔に比べて音楽の授業が減らされているという話を聞き、「それでいいのかな」という違和感を覚えました。自分自身が長い間音楽に触れてきて、学生時代にはそれによって救われた経験がありましたし、子どもの情操教育に良い影響を及ぼす音楽教育がないがしろにされているという現実を知って、初めて使命感が湧いてきたんです。「これが自分にしかできない仕事なんだ」と考え、実家に戻ることを決意しました。
ブランドづくりへの取り組み、音楽家のプラットホーム
関山楽器では楽器の販売だけでなく音楽教室もやっていて、1歳から上は80歳くらいまでの生徒さんが通っていらっしゃいます。小さなお子さんには音楽に触れるきっかけづくりで、リズム遊びや音感を養うレッスンを行います。最近では、大人になってから音楽を始める方も多く、大人向けレッスンのカリキュラムも豊富に提供しています。
お店のディスプレイも自分で考えるのですが、他店にはない個性ある特集に積極的に取り組んでいます。たとえそれがお客様のニーズに合っていなくても、新しい発見と楽しさを感じてもらえるような独自のブランドづくりを心がけています。
「音楽する楽しさ」をもっと身近に感じてほしい。当社では地域の新たな音楽文化の拠点として、音楽ホールをオープンさせました。音楽家を目指す人や音楽を生業にしていく人の支援をし、そんな方たちのプラットホームのような存在になっていきたいと思っています。
古い体質からの脱却、地元地域で文化づくりをしたい
今までの楽器業界は、古い体質から抜けきれない部分がありました。僕は今、音楽や楽器がもっと身近に感じられる新しいライフスタイルをつくっていきたいと思っています。働き始めた4年前には、イベント企画も音楽をやっている人に向けたものばかりでした。しかしそれでは、そのコミュニティに留まってしまい、そこから広がることはありません。楽器をやっていなくても、音楽やライブを身近に楽しめるような文化を作るには、もっと外向きに発信していくことが必要です。個人的な繋がりも含めて、地元地域での文化づくりのために皆で手を取り合って活動していきたいですし、音楽に気軽に触れられる機会を増やし面白いことをやっているなと思ってもらえることが、当社のブランドづくりに繋がると考えています。
音楽をきっかけに広げたい、コミュニケーションの輪
高校時代、アメリカに留学をしていましたが、最初は英語が上手くしゃべれず、日本人だということで人種差別に遭っていました。それでひどく落ち込んでいたときに、ピアノでジャズを弾いていたことがきっかけで外国の方とコミュニケーションがとれるようになったんです。「ジャズはアメリカ文化なのに、それを日本人ができるのか」と。それで、それまでのつらく苦しい生活から脱け出すことができました。
だから、音楽がきっかけで人と人の壁がなくなり、いろんな場面でコミュニケーションの輪が広がれば…という想いで働いています。それは外国でのことに限らず、日常の様々な場所で自分の世界を広げ、自分らしさを表現できるようになるということ。「音楽のおかげでこんなことができたよ!」っていう、その言葉が物凄く嬉しいんです。“自分たちのやっていることが、そうやって繋がっているんだな”、“ちょっとでもその人が幸せになる方向へ後押しできたのかな”と。それが自分の働く意義になっていると感じています。
文化が豊かであれば、人はもっと豊かになれる
茨城県は今、地域ブランド調査で残念ながら最下位です。このままではいけない。外の世界や街を見るたびに、地元の街が廃れていく危機感を強く感じます。他と比較することで、それが凄くみえてきました。
僕がやりたいのは、音楽を通して地域の人がハッピーになること。それが一番だと思っているんです。だからまずは、地元ひたちなか及び周辺地域のブランドを作っていきたい。それは当店のブランドづくりにも繋がりますし、地域に特化した音楽文化を発信していくことで地域全体の文化の向上になるのではないかと考えているからです。
そして、子どもたちの未来を大きく広げていきたい。文化が豊かであれば、人はもっと豊かになれる。人が豊かであれば、文化はもっと豊かになれる。ひたちなかにそんな文化や人が育つ土壌づくりからスタートし、私たちがプラットホームのような場所になることで、“ひたちなかの音楽文化に欠かせない存在”、“常に地域に良い影響を与えられる刺激的な存在”でいられるよう、これからも積極的に活動していきたいです。