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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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アナウンサー

もり はなこ

森 花子さん

28歳・千葉県立木更津総合高等学校〜茨城大学出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.8
  • アナウンサー
  • 女性
  • 放送
  • 茨城県央

剣道と、先生の一言から、大切なことを教えてもらった。

取材者からの紹介

テレビでニュースを読んでいるときは落ち着いていてクールな雰囲気の森さん。実際にお会いしてみると、とても明るくてやさしい笑顔の素敵な方でした。学生時代は剣道一筋で、大学生のときにはなんと全国3位! 「苦しかったし辛かったけど、それを乗り越えたから今の自分がある。頑張ったことは絶対将来の自分に結びついている」という言葉が印象的でした。

苦労した点は電話での取材依頼のやり取りです。いままで経験がなかったので、とても緊張しました。しかし、取材でしか聞くことのできない、仕事に対する本音を生の声で聞けたことは本当によかったです。

手の届かない夢じゃない

剣道は小学校のころから続けていて、大学生のときは朝4時からコンビニのアルバイト、8時から朝練、授業、午後練、自主トレ、次の朝4時からまたバイトという生活を続けていました。体が持たないんじゃないかとよく言われましたが、持ったんですよね(笑)。本気で剣道をやっていたので、体力にはすごく自信がありました。

「アナウンサーっていいな」と思い始めたのは、中学生のころからです。朝からとてもハードな練習をさせられる朝練のために、毎朝、「行きたくない…」と思いながらも頑張って起きると、テレビの中ではキレイなお姉さんたちが楽しそうにしゃべっているんです。「ああ、こっちはこれから地獄だっていうのに、この人たちは楽しそうだな」って思いながら、毎日見ていました。アナウンサーは、別世界の輝いている女性に見えたんですよね。そんな風に私もいつかなれたら…と思ってずっと憧れていましたが、アナウンサーになるのは難しいと知っていたので、自分なんかなれるわけないとも思っていました。

中学校の卒業文集に“アナウンサーになりたい”と書いたのですが、ほとんどの先生が「なれるわけない」と思っていたようです。しかし、ただ一人だけ「あなたは素質があるから頑張りなさい」「あなたは剣道を一生懸命やって、勉強も頑張ってやっていたでしょ。だから頑張りなさい。手の届かない夢じゃない!」って言ってくれた先生がいたんです。それで、「夢だけなら、持っていてもいいんだ」と思って、ずっと大学までその夢を持ち続けていました。その先生の一言が、自分の中ではすごく大きかったんですよね。大切なことを教えてもらったと感謝しています。

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テレビに映らないとき

よく言われるんです、「テレビに出てないときって遊んでるの?」とか「どうせ仕事してないんでしょ」って。実は私たちアナウンサーの仕事は、テレビに映ってないときの方が大変で、テレビに映るというのは最終の場所なんですよ。それまでに取材をして、どういう番組にするか構成を練ってロケに行き、それを編集して、上司に確認をしてもらって、それでやっと放送ができます。

それらを全部アナウンサーがやるの?って思いますよね…。やるんですよ。というのも、表現をする上で一番大事なのはやはり取材であり、自分の人生だとか価値観だとか、そういったものも大切なんです。だから、取材を自分でしてないと表現することはできません。ニュースにしても、日ごろから新聞を読んだり情勢をつかんでいないと、自分が今何を読んでいるのか分からなくなってしまいますから。ロケで撮影した映像の編集作業もやるので、表現者としての顔を持ちつつも、番組をつくる人間でもあるんです。

テレビでしゃべるだけだと思っている方が多いと思いますが、そうではないんですよ。テレビに映らない場所でも、私たちアナウンサーは頑張っています。

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テレビの向こう側

NHKは、「人々の生命や財産を守る」というのが使命です。震災のときには、ラジオでずっと生活情報を放送していました。給水車や食事の提供場所、無料で入れる銭湯、避難所がどこにあるかとか、行方不明者の名前を読み上げたり、探しています等のメッセージを読み上げたり…。そのような放送を、震災の次の日からすぐにラジオで始めました。情報は自分たちで市役所や災害対策本部に電話をして聞きます。「今日はどこでどういう取り組みをやりますか」「災害対策本部としてはどんなことをやるつもりですか」というのを聞き、その情報をもとに放送原稿を読み上げます。

NHK全体がすごく一体化していました。NHKでやらなきゃいけないことはこれだ、しかもこれで誰かを守っているんだという明確な使命、その気持ちが全員にあったときでした。普段そういう気持ちがないわけではないのですが、そのときは寝る間も惜しんでやっていたので、特に強かったんです。そういうことをやって改めて、NHKに入ってよかったなって思いました。初めて本当に人の役に立てるかもしれない、今私たちがやっていることで助かる人がいるんだと感じながら放送していた2カ月間でしたので、NHKに入ってこのような仕事ができたことをすごく嬉しく思いました。初めてテレビの向こう側の人を意識した経験でしたね。

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笑顔にできるアナウンサー

誰かを笑顔にできるアナウンサーになりたいですね。テレビを見ている人が知りたいと思う情報を提供し、それが誰かのお役に立てれば、アナウンサー冥利に尽きると思います。東日本大震災のときに身をもって体験し、初めて感じたNHKの使命である「国民の生命と財産を守る」という意味。マスメディアに従事する者として、今どんな情報を発信することが求められているのかを、瞬時に判断できるアナウンサーでありたいと思っています。

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先輩上司から一言

新人アナウンサ—は、同僚といっても例えば親子ほど歳が違うこともあるので、お互いをよく知るためにも、コミュニケーションをできるだけ取るようにしています。それぞれ仕事で顔を合わせる機会が少ないからこそ、挨拶でも何でも、一言声をかけていくことですね。その中で、企画の相談に乗ったり、編集のチェックをしたり、アドバイスしています。彼女は気取ったところがなく、とにかく明るく元気で人柄もよく、周りもそれをよく感じています。そのありのままの姿を持ち続けてほしいですね。アナウンサーは、最終的にマイクに向かう、リレーのアンカーのようなものです。その責任を意識し、どんどん上を目指してレベルアップしていってほしいと思います。

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