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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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助産師

せつ なぎみ

世津 名君さん

24歳・水戸第二高等学校~茨城県立医療大学出身

  • 3次産業
  • Hope Vol.9
  • 助産師
  • 医療
  • 女性
  • 茨城県北

お母さんよりも早く赤ちゃんに触れる。その意味をかみしめながら頑張っています。

取材者からの紹介

素敵な笑顔の世津さん。実際に生まれたばかりの赤ちゃんのお世話をしている姿は、とても楽しそうで輝いて見えました。取材の中で記録ノートや、出産に立ち会った方からの色紙や手紙も見せていただきましたが、あらためてご家族との深い絆を実感。これからも、周りから慕われる素敵な助産師さんでいてほしいと思います。

高校生の頃から助産師一本

中学校のころは、子どもが好きなので「子どもに関わる仕事、何か人の役に立てる仕事がしたい」という漠然とした夢はありました。幼稚園の先生や保育士さんに憧れていましたね(その頃は助産師という職業を知りませんでした)。きっかけは高校1年生の時。クラスメイトの友達が助産師を目指していて「あ、これだ」と思ってこの仕事を目指し始めました。それからは助産師一本でしたので、医療系への進学に欠かすことの出来ない数学や理科などの理数系科目を苦手と思いつつも頑張るようにしていました。その当時、数学を熱心に教えて下さった担任の先生にはとても感謝しています。

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学生時代
中学時代は部活動に没頭しました。高校時代は文化祭や体育祭などの校内行事に積極的に参加して青春を思いっきり謳歌しました。大学入学後は、自分で決めた目標である「助産師になるんだ」という思いのもと、勉学に励む毎日(長期休暇を利用した留学やアルバイト等でも貴重な人生経験を積むことができました)。

助産師の仕事内容

意外と知られていないのですが看護師の資格を持っていないと助産師の資格は取れません。だから別々の国家試験を受けることになります。つまり助産師はベースが看護師で、さらに「看護師のなかでも専門知識を持った産科のエキスパート」といえるのです。もちろん看護師と同じように点滴もうちます。看護師は医師の指示がないと動けないのですが、助産師は妊娠や出産の経過が正常であれば、医師の指示がなくても自分で状況を判断して行動できます。そこが看護師との大きな違いです。その分責任は重大です。

仕事のメインは「お産の介助」。妊娠から出産、育児まで母子の健康を守るために、妊娠中の生活指導や産まれてきた赤ちゃんのおむつ交換、授乳などの保健指導も行います。

すべてスムーズに進むとは限らない

大変なことはたくさんあります。「お産は病気じゃない」ってよく言われているのですが、順調に、スムーズに妊娠、出産、育児を迎える方ばかりではありません。妊娠中は何もなかったのに産まれてきたら赤ちゃんの具合が悪かったり、障害があったり…。もちろんお母さんも命懸けなので具合が悪くなることも多々あります。そういう状況に直面した時には、自分の無力さを痛感しますね。「もっと高い知識や技術を身につけたい。先輩助産師だったらどんな対応をしたのだろう」と課題は山積みです。だからこそ日々の努力を怠らないように自分を高めています。母子の生命に関わる重要な仕事ですから。

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この仕事が大好き

助産師の好きなところはもう全部です。苦しい陣痛を乗り越えるお母さん。赤ちゃんの産声を聞いた時の感動と安堵感。お母さんやご家族が生まれた赤ちゃんと初めて対面した時の幸せそうな表情を見た時は「助産師をやっていて良かったな」「助産師はやめられないな」って心から思いますね。退院の時に「世津さんに取り上げてもらえて良かったです」「2人目も取り上げてほしいです」などと言ってもらえることがあります。ほんとうに励みになります。パワーもらっているって感じです。私はひたちなか市が地元なので、自分が取り上げた子どもが地元で大きくなって歩いている姿を見るととても嬉しい気分になります。

不思議なこともよく起こるんですよ。ずっと陣痛がきているのになかなか進まない妊婦さんが、旦那さん(赤ちゃんにとってはパパ)が来た瞬間に進みだすとか…。

まさに人間の神秘というか、家族の絆というか、医学だけでは言い尽くせない何かを感じますね。産科はまだまだ分からないことが多い分野なので、そういうところにも結構惹かれているのかもしれないです。

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一つひとつのお産を大切に

就職してからこれまで170人のお産に立ち会いました。その度に、生まれてきたお子さん一人一人の記録を付けています。内容は「その時に感じた事」や「どのような経過で産まれたか」「名前の由来である」とか様々です。実習でお世話になったトレーナーさんに勧められたのがきっかけでした。「自分がどういうお産に当たりやすいとか、自分が成長してきた過程を振り返ることができるから付けたほうがいいよ」と言われて記録を始めましたが、今では自分の中で一つ一つのお産を大事にしようという心掛けのために書いています。私にとっては170分の1のお産ですけど、お母さんにとっては、そのご家族にとっては数少ない貴重な経験です。だからこそ、最初の気持ちを忘れないように、変わらないようにずっと続けていきます。助産師はお母さんよりも先に赤ちゃんを抱っこします。言わば、その子の人生のスタート・ご家族の新たな生活のスタートの一旦。知識や技術のスキルアップはもちろんですが、妊婦さんをはじめとしたご家族の笑顔が何より大切だと思っています。だから「温かい心」と「温かい手」を強く意識してこれからも一生懸命頑張ります。

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私の強み・底力

私の強みは、「他人のために一生懸命になれる」というところです。私には先輩助産師ほどの知識や技術、経験はありません。でも、「患者様の力になりたい…」そう思う気持ちは誰にも負けないと思っています。自分のためだと頑張ることが出来ないことも、「そのひとの力になってあげたい!」と思うと不思議と頑張れます。患者様の笑顔が見たい、母子共に元気に生まれてきてほしい、頑張る女性の力になりたい、そう思う気持ちが今日も私の力になっています。

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