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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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宇宙事業事務職員

さわい りょう

澤井 遼さん

23歳・竹園高等学校〜大原簿記法律専門学校

  • 3次産業
  • Hope Vol.9
  • 宇宙事業事務職員
  • 男性
  • 茨城県南
  • 複合サービス
  • 本記事は平成25年度に取材した内容により作成しています。
  • 所属・年齢等は2013年取材当時の情報となります。

宇宙事業に必要不可欠な財務という仕事。

取材者からの紹介

自らの将来像だけでなく、JAXAという組織の未来のこともしっかり考えている。責任感が強く、常に物事に対して意識的に向き合う澤井さん。様々なことに挑戦しようとする意欲と、ひとつひとつを最後までやり通そうとする意欲。ぶれない軸を持っている人の言葉は心に響くものがあります。撮影の際は真剣な瞳と爽やかな笑顔が印象的でした。

JAXAと共に成長していきたい

好奇心旺盛な私は、学生時代に会計簿記を専門に勉強していました。ただ勉強するのではなく仕事にも活かせる。さらに、今までやったことのない分野を勉強したいと考えていたからです。そして、就職活動で出会ったJAXA。宇宙という未知のフィールドを舞台に、誰かの後を追うのではなく、宇宙分野に対して第一線で仕事に携わることができる組織としての魅力に惹かれました。宇宙飛行士志望の人や、宇宙に興味があった人がJAXAを希望するというイメージがあるかもしれませんが、私のように就職活動の中でJAXAと出会って入社したという人もいます。私はチャレンジ精神が強いので、新しい事にチャレンジし続けていくこの組織と共に成長したいと感じて入社を希望しました。入社がゴールではなく、入社が私にとってのまさにスタート。

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高校時代
毎日部活に明け暮れていました(陸上部に所属)。専門種目の槍投げでは、自己目標を設定し、練習計画を立て、自己研磨に励みました。その成果として、高校3年生の夏には全国大会に出場することができました。

宇宙開発の推進に繋がっている

私は財務部筑波財務課という部署に所属しており、JAXAが宇宙開発をするために必要な物資の購入や、外部に作業を委託する際のお金の管理をしています。スピーディーに正確な支払いを行うことは重要であり、1円の支払いであっても何億円の支払いであっても、自分の会計処理が宇宙開発の推進に繋がっているということを意識して仕事をしています。また、予算の大部分が税金でまかなわれるので、宇宙事業の財務というイメージが掴みづらいものを、いかに国民の方に分かりやすく表現できるかを考えながら仕事をしています。さらに財務部は経理業務に加え、事業戦略をフォローするという重要な仕事も行っています。例えば予算やお金の執行状況を把握して適切な資金請求を行い、研究者達が円滑にプロジェクトを進められるようにお金を管理するといったことです。直接プロジェクトに入って研究や開発を行うことはしませんが、資金管理という面からロケット打ち上げも含め様々なプロジェクトを支えています。研修生としてですが、種子島でこうのとり4号機の打ち上げを見た時は(56メートル、530トンの機体が宇宙に打ち上がる姿を直に体感)このような事業を行っている組織に所属しているということを大変誇りに思いました。

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できるかもしれないと信じる

JAXAは組織自体が大きいので、専門分野以外にも様々な部署を経験することができます。しかし挑戦できる範囲が広い分、努力をして仕事に慣れることが必要です。実は私が現在所属する財務部は二部署目で、最初は契約部という部署に配属されていました。主に何万件という契約のデータを集計・加工する仕事ですが、入社当時、私はパソコンを持っておらず、エクセルも1度開いたことがあるという程度でした。そこで自主的に外部のエクセル教室に通ったり、本を読んだりして率先して勉強しました。入社前の会計分野についての勉強に加えて、入社後も様々な仕事をこなせるように自ら学び続けています。未知の分野でも、常に「できるかもしれない」と信じ、好奇心を持って挑戦しています。チャレンジというのは私にとって大切な一つの軸なのです。

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宇宙事業は現実的なお仕事

以前はJAXAと言っても、あまりピンとこない方が多いという印象がありましたが、近頃「はやぶさ」や「宇宙兄弟」などで注目度はかなり高くなってきました。ただ、宇宙関係の仕事をしていて、「宇宙の仕事なんてすごいね」と言われたり、未来や未知のことをターゲットにしているように思われたりしても、実際はもっと現実的な仕事をしています。つまりは宇宙開発というものを、今の日本の事業にどういう風に落とし込んでいくかということを考えています。そのために大切なのは、何ら特別なことではなく、考査する力とそれを発信する力です。仕事の中でプレゼンをする機会がありますが、筋道の通った提案でなければ通りません。自分でよく考えて、正しいと思ったことを相手に分かりやすく伝えることは、いかなる場所でも大切です。その繰り返しで、社会人になってからは論理的にものごとを考える癖がつきました。

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人々の為になるような仕事をしたい

宇宙航空の技術や研究成果を通して人々の生活を豊かにしていきたいという想い…、全ての人にとって宇宙の技術がより身近なものになればと考えています。例えば、衛星の性能向上や利用手段の拡大によって災害時の対応に役立てたり、地球観測を進めて宇宙から地球を解明したりと、人類規模で貢献できるJAXAの事業は沢山あります。しかし実際に衛星本体を作ることや、観測作業を行うには我々の持つノウハウや技術以外にも民間企業や大学といった外部の協力が必要です。例えば、私は今、事務部門としての本務(財務)と並行して、JAXAの衛星データを利用して漁業予測を行うというプロジェクトに携わっていますが、このプロジェクトは漁業組合など様々な関連団体の協力があって成り立っています。そのように宇宙利用の拡大・定着に向けて他と連携し、JAXAだけではできないことを成し遂げ、JAXAの技術を活用して日本の産業をどんどん活性化させていきたいと考えています。

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私の強み・底力

特に言うと「好奇心が旺盛である」というところだと思います。興味があるものについてはとにかく何でもトライしてみる。その積極的な姿勢が私の強みであると同時に、仕事をするにあたって、常日頃意識している姿勢でもあります。会計情報について単に数字を追うのではなく、数字の繋がりやその背景を理解するため、何にでも興味を持ち、知りたいと思う探究心を大事にしています。