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【しごとコレクション】

自分に合いそうな仕事・興味の湧く仕事を集める

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技師

はなわ しおり

塙 紫織さん

25歳・茨城キリスト教学園高等学校〜茨城キリスト教大学出身

  • 2015年
  • 3次産業
  • 公務
  • 女性
  • 茨城県央

“一緒に考える”ということが大切

取材者からの紹介

塙さんは公務員になるための勉強をコツコツ行い、見事茨城県の職員として採用されました。
やらなきゃと思っていても行動に移すことは難しいものですが、塙さんは努力を積み重ね夢を叶えられていて素晴らしいなと感じました。
これからの目標として、「相談に来た人が話しやすいと思っていただけるような雰囲気づくりをしたい。」とおっしゃっていましたが、終始笑顔で質問に応えてくださり、緊張していた私にとってすでにとても話しやすい雰囲気でした。

みんなに福祉を知って欲しい

私がはじめて福祉に興味を持ったのは中学生の時です。祖母が認知症になり介護が必要になったのです。そして祖母の介護計画を作る面接のときに、ケアマネージャーという職業に出会いました。ケアマネージャーは利用者の要望を聞き、その人にあった施設を探したり、サービスを選択したりします。介護する人・される人の状況を見て「この人に合ったサービスは何か?」と真剣に考える姿を見て、このような人になりたいと思ったのがきっかけでした。

そして、大学は福祉の学部がある茨城キリスト教大学に進学しました。大学で学ぶにつれ、福祉には高齢者に関わる分野だけでなく、児童や障害者についてなど幅広い分野があることを知りました。そこで私は、福祉について知らない人に「こういうサービスがあるよ。」と紹介できる人になりたいと考えるようになりました。そして、幅広い分野に関われる仕事は何なのかと考えた結果、高齢者も児童も障害者も関わる機会がある福祉の公務員という道を選びました。

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子どもと親の相談者

茨城県の福祉職の公務員は、平成21年度から採用が始まった比較的新しい職種です。本庁である県庁の保健福祉部のようなところで福祉の知識を生かし、県の行動計画の策定や評価などを行います。これ以外にも、私のように児童相談所に勤めたり、福祉施設で働いたり研修会の計画を立てたりと様々なところに配属されます。
私の働いている中央児童相談所は水戸市にありますが、このほか県内に児童相談所は三つ、分室が二つあります。児童相談所での仕事の具体的な内容は相談業務です。相談の例としては、「子供を育てたいと考えているが、保護者が病気のためそれが困難である。」というような内容をはじめとして、子育てや引きこもり、非行などに関することがあります。そのような不安や課題を抱える子どもや親から、電話や直接来所していただき相談を受けます。私は相談の中から何に困っているのか判断し解決策を考えますが、児童相談所だけでは対応しきれない場合は、市役所のこども課や通っている学校などと連携して対応していきます。

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資格の勉強は一石二鳥

福祉職の公務員になるためには一般教養と言われる文章理解、数的処理、社会科学、人文科学、自然科学、時事と、これ以外に福祉の専門知識である社会福祉概論、社会学概論、心理学、社会調査について問う問題も出題されます。一般教養の学習については、私は公務員を受験したいと考え勉強するというサークルに入りました。そこでは参考書の問題や先生が用意したプリントを解き、小論文などは先生に添削をしてもらいました。女の子が多いサークルだったので和気あいあいとしていて、卒業する際にはみんなで食事に行ったりもしました。福祉の専門知識については、私が通っていた茨城キリスト教大学では社会福祉士という国家資格を受験する資格が受けられます。私は学生時代の目標として、この資格を取ろうと考えていました。そのため社会福祉士になる勉強をしていると、ちょうど公務員の福祉の問題の対策もできていたのです。

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一緒に考えるのが仕事

保護者の方などから相談を受けると「何かいいこと言わなくちゃ。」「何かためになること言わなきゃ。」と焦ってしまいます。しかし私は、この仕事に就いてまだ二年目と経験が浅く、子育てもしたことはありません。そのようなときに上司から「何かをやってあげようではなく、一緒にお子さんのためにできることを考える。そして、何に困っているのか一緒に考えていく。その中で私たちができることをお手伝いする。」と言われ、自分の仕事は何かをしてあげるのではなく、“一緒に考える”ということを大切にしなければならないと気付きました。

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大学での学びが今に繋がる

私は、大学三年生の時の実習で高齢者の施設に行きました。その時に支援する側だけでなく、支援を受ける利用者のことについて考えることが出来ました。例えば、私たちが利用者の住所や家族構成、生活歴などを聞き質問事項を埋めているとき、一方的に質問してしまうと相手の方は疲れてしまいます。しかし、質問をしなくてもその方が生活している様子や癖、趣味などを見ていると解ることがたくさんありました。そのとき、自分がしなければならないことに気を取られていると、相手のことが見えなくなってしまうと実感しました。だから、業務ということに集中しすぎず、相手のことを観察するようにしています。また、大学の授業の中で記録を書き、添削指導をうけるという機会が多くありました。現在の相談業務では、相談を受けた際の様子や内容などを毎回記録します。学生時代に何度も何度も書き方を教えてもらったことが、現在役に立っています。

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色々なことに興味を持つ

私ははじめ、ケアマネージャになりたいと思っていたため、高齢者の分野に就職しようと考えていました。しかし、「絶対高齢者に関わる!」という強い意志があったわけではなく、自分がその仕事に向いているのかも分かりませんでした。だから、学生時代には児童や障害者など様々な分野の勉強を行っていました。現在は高齢者に関わる仕事ではなく、児童相談所という児童や保護者に関わる仕事をしており、学生時代に様々な分野について学んでいたことが少し役に立っています。このように、学んでいく中で自分がやりたいことが見つかるかもしれませんので、皆さんにも学生時代には様々なことを学び、興味を持ってもらいたいです。

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会社概要

福祉職は、平成21年度試験から採用が始まった、茨城県においては比較的新しい職種です。
茨城福祉相談センターは多様化、複合化している県民の皆様のニーズに的確に対応するための中央児童相談所、女性相談センター、知的障害者更生相談所、県央福祉事務所の機能を統合し、福祉ワンストップサービスの提供と福祉と医療の専門スタッフを配置し、相談体制の充実強化を目的としています。

会社名 茨城県福祉相談センター(中央児童相談所)
設立 明治4年
従業員数 約6,400名(知事局等)
ホームページ http://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/fukusise/sodan/fukuso/jisotop.html