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【The TOP ~社長の仕事~】

社長って普段どんな仕事しているの?

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有限会社 佐藤新聞舗 取締役

さとう ひょうま

佐藤 兵馬さん

土浦日大高等学校~関東学園大学出身

  • 2015年
  • 3次産業
  • 新聞
  • 男性
  • 茨城県南

この業界に来るつもりはなかった

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僕は、先々代が新聞屋をやっていて、そこに生まれ、実家を継ぎました。先々代の頃は、商店会の会長などをやって地域の人と密着して配達先を増やしていったんです。なので、営業という感じじゃなく、知り合いをいっぱいつくってお客さんになってもらう商売のやり方でした。配達は、学生や親のいない子どもが住み込みで行っていた時代です。さすがに今は時代が変わって、働き方や新聞以外の消費も増えたので、営業が必要になりました。

実は、僕はこの業界に来るつもりはなかったんです。学生時代に群馬にいて、ラリーというモータースポーツでプロを目指していたんです。高校時代に本屋で車の雑誌に出会って、活躍している日本人ドライバーがほとんどいないのを知ったのと、「実家が農家でトラクターを乗り回してプロドライバーになりました」みたいなプロフィールを読んで、「オレでもいけるんじゃねぇか」って感じになっちゃって(笑)

でも、この世界は非常にお金がかかるという現実もあり、資金を貯めるためにも、実家だったら多少融通が利くだろうと思い「ここで仕事させてくれ」って実家に戻りました。普通の会社だったらまず採用されませんよね。ただ、仕事をしながらモータースポーツをしているうちに、新しい販売店の話がきて、仕事量が増えて、仕事も評価されてきていたので、この業界でやっていこうと思ったんです。

信頼関係ができないと新聞の話ができない

当社は、牛久・土浦に拠点を置く、創業59年の老舗の新聞販売店です。みんなのイメージの通り、新聞を配達して、購読料を集金して、営業をやるのが新聞屋です。朝日新聞、日経新聞、東京新聞、茨城新聞、産経新聞と様々な新聞を取扱っているので、主婦の方・高齢者・スポーツ好きな方など、いろんなお客さんの考え方・ニーズに合わせた新聞の売り方ができます。

しかし、世間はセールス営業に厳しいので、僕はお客さんに会った瞬間に真っ先に言うのが「お客さんの貴重な時間を頂いているので3分くらいで帰りますけど、今日契約する必要全くありませんから。」「僕を気入ってもらっても契約しちゃダメですから」って(笑)「今日は新聞を見ながら簡単に話をしているだけなので」って言います。最終的にはお客さんとの信頼関係ができないと、絶対新聞の話ができないんですよ。ただでさえ、新聞の営業は訪問した瞬間に、「契約してくれ」と思われてしまうので、お客さんとの信頼関係をつくりながら営業しています。

新聞の読み方をお話する営業

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私は、入社してから半年くらいは、新聞も読まずにお客さんのお宅に訪問して、「朝日新聞どうですか?いい新聞ですよ」ってそんな営業をしていたんですよ。それでも新聞は売れるんですよ。「あなたが来てくれたから取るよ」って言われて、新規契約で順調に売り上げを上げて、半年で新規獲得会員数上位になり表彰されたんですよ。

でも、大どんでん返しが起こるんですよ。新規のお客さんたちが、3か月や6か月の契約期間が終わったら前の新聞に戻っちゃうんですよ。「また取るから半年したら来てよ」なんて言われて、そのたびに洗剤を持って行って。なんか僕、笑顔と洗剤を振りまく営業マンみたいになっていて、「これ、この業界の将来大丈夫かな?」って思って、辛くなっちゃったんですよね。

そこで、改めて考えた時に、「オレ、新聞読んでないぞ?そもそも新聞を持って行ってねえぞ?って」反省するわけですよ。実家が新聞屋で、新聞販売店で働くようになって、そこで初めて「しょうがないな」って新聞を読むんです。まずいですよね(笑)

でも、新聞を隅から隅まで読んでいたら気づいた点がいっぱいあったんですよ。他の新聞と違う点が分かってくるんです。朝日新聞で言えば、天声人語を筆頭に、生活欄、経済面など、各誌面に連載コラムが掲載されていて、それを追いかけながら読むんだなって。

うちは、小学生新聞や茨城新聞、朝日新聞やスポーツ新聞など、いろんな新聞を扱っていたので、いろんなお客さんの考えに合わせた売り方ができるって気づいたんです。

なので、営業では、新聞の読み方をお話しして、どんな誌面やコラムがオススメかを伝えるようにしていったんです。そういう売り方をしていたら、何が起きたかというと、営業で配る洗剤とかの経費が掛からなくなったんですよ。お客さんのお宅に営業に行っても、「何くれるの?」って言われなくなったんです。経費は下がっていくのに、売り上げは増えていくので、やっていて面白いんですよ。

労働環境を改善

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経営は大事な仕事なのでもちろんやりますけど、今メインでやっているのは人の採用・教育、働く環境の整備ですね。会社の説明会をやったり、イベントに参加したりして、そこで出会う学生に対して、新聞の読み方やうちの営業の特徴、労働環境などいろんな話をします。

新聞業界は、「お客様のために」という人がなかなか採用できないのですが、それは労働環境が悪いからだって気づいたんですよ。それで、労働法を勉強して、1年くらい色んな労働条件をシミュレーションして、まずは給与システムを作ったんです。いろんな業界の人から、給与の仕組み、評価システム、昇進試験の内容などを教えてもらいました。また、新聞の業界は給与の半分がインセンティブになっているので、固定給にして、インセンティブはしっかり評価して昇給するような仕組みやボーナス支給もつくっていきました。それから、学生や資格を取ろうと勉強している方や、他の仕事もしているダブル―ワーカーの方を採用したり、配達と集金の業務を分けてそれぞれ採用したりしました。信頼関係をつくるためにも、集金は地元のパートの方を採用して、地元密着化をしていったんです。案の定、毎月会うので仲良くなっちゃって。配達と集金を分けたので、社員は営業に専念できるようにもなりました。

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